2010/12/29

ノルウェイの森を評する

ちょっと全国規模の都銀に行かねばならない用事があったので,徒歩で街中に繰り出す.北海道では,札幌の中央区以外には都銀というものがないので,珍しくないのである.(まぁ,住んでいるところから,徒歩15-20分程度なのだけれど)

帰りに本屋に立ち寄り,ノルウェイの森の割引券をもらってきたので,そのまま映画を観て帰宅.映画館は,正直,ちょっと空き気味.「絶賛上映中」というわけでもないようである.

その噂のノルウェイの森なのだけれど,映像は確かに綺麗だったし,構成も悪くなかったような気がしたのだけれど,なんだかイマイチ物足りない.

それはちょうど,演奏技術があるはずなのに,イマイチ噛み合っていないオーケストラ,話術もネタもあるのにイマイチ笑えない技巧派漫才,スピードも変化球もあるのになぜか失点されるプロ注目の投手を見て来たような気分なのである.

これはいったいなぜなんだろう?

『謎とき村上春樹』を執筆した石原千秋氏によれば,ノルウェイの森は,「誤配」の物語であると分析される.

愛し合っていたキズキと直子が結ばれることなく,キズキが自殺.周囲に唯一頼れる人間として存在し,かつキズキと仲の良かったワタナベくんと「誤って」結ばれてしまった直子がそのまま精神病を患い,結果,ワタナベくんが直子を正しくキズキの元に送る,つまり自殺させてしまうという物語だというのである.

ジャック・デリダによれば,手紙は「誤配」された時に最も効果的に読まれるという.結果,直子とワタナベくんは愛し合っていない,少なくとも直子は愛情を感じていないのにもかかわらず,二人の間では,ある種運命的とも言える程の効果的なつながりが結ばれることになったわけである.

なるほど.

文学という表現技法を映画という形で表現するのは,ある種の翻訳である.(たぶん)

表現技法が違うわけであるから,そこには映像化する監督の解釈が主体的に関わる.解釈の多様性を許す言語体系という文学とは違い,映像は視聴者に否応なく監督の解釈を見せつけることになる.

この力が強く,説得力があればあるほど,映画はより「強い」ものになり,弱いと,「はにゃ?」という印象を視聴者に与えてしまうことになる.

残念ながら,生者の存在する「こちら」の世界と,死者の存在する「あちら」の世界の橋渡しをする媒介の役割を果たす直子という存在がイマイチよく分からないまま話が展開されていったような感じがする.

草原で,直子がぐるぐる歩きながら自分の心情をワタナベくんに語る箇所といい,無意味に草原で抱擁する場面といい,なんだか性欲だけがやたらと増長して突っ走っている物語だなという印象がぬぐえない.

それこそ,アンチ・ノルウェイの森さんたちの言う,「あんなもん,会った女とかたっぱしからやるだけの話だろ」という表面的な部分だけを,ただ辿っていただけなのではないかという印象を与えてしまっていた感じなのである.

残念無念.

それと,この映画だけで登場人物の「魅力」をうまく描ききれなかったのは残念だなとつくづく思う.

永沢さん役を演じた玉山鉄二は,なかなかいい雰囲気を出していたのだけれど,正直,この映画だけを観ていたら,単に鼻につく人でなしのプレイボーイでしかない.

彼は,一本筋が通っている所があって,強い者にも物怖じせず,なめくじすら飲み込んでしまうというエピソードがあってこそ,その「凄み」が感じられる人物なのに,その描写がなかったのは非常に残念である.

それと,「天才」と言われる一方で,外国語学習など地味な勉強は欠かさず,かつワタナベくんと懇意になったきっかけのグレートギャッツビーの愛好者であるというエピソードが欠けていたのも個人的には物足りない.評価するべきものは評価し,なおかつ審美眼のある者(つまりワタナベくん)にシンパシーを感じるという部分が,流行に押し流される俗物達,つまり学生運動に走る若者とは少し違うのだというエピソードは欲しかったと思う.

まぁ,これは永沢さんが個人的に好きというか,シンパシーを感じている個人的感想に過ぎないかもと思われるのだけれど.

それと,ワタナベくんが,人と滅多に話さないようになった病床の緑の父親と,キュウリに海苔を巻いて一緒にボリボリと食べ,打ち解けたとかいう様子もちょっと映して欲しかったな.あれは,特別人に気に入られるという要素のない凡人のワタナベくんのよく分からない魅力を描くいいエピソードだったと思うのだけれど.

後,個人的に好きな小林緑ちゃんなのだけれど,フォークソング部の学生運動に混じっている人たちを評して,「こいつらみんなインチキだって.適当に偉そうな言葉ふりまわしていい気分になって,新入生の女の子を感心させて,スカートの中に手をつっこむことしか考えてないのよ,あの人たち」とか言っている部分も欲しかったですね.あれは,学生運動なんていう流行の胡散臭さを嗅ぎ取る嗅覚と,それに流されないワタナベくんに惹かれる理由になる大きなエピソードだったと思う.お互いに共感を感じている事実というか.

それと,緑の短い髪型だけを評して,ワタナベくんが「似合っている」というシーンがあるのだけれど,村上春樹小説は「耳フェチ」的なところがあるので,「きれいな耳だよ」という一説は抜かさなかった方が,原作好きの人たちにはよかったと思う.きれいな耳というのは,素敵な女性の「アイコン」として働くことが多いのです.この人の作品では.

最後に.レイコさんとワタナベくんが結ばれるシーンがあるのだけれど,これもなんか台無し.欲情したおばちゃんが,若い肉体を求めて盛っていただけのような感じで,「なんだかな」という感じがして仕方がない.まぁ,別にいいのかもしれないけれど.

あと,これ以降は単なる役者評だけれど.

ワタナベくん役をやった松山ケンイチくんは,なんか「こんなもんか」って感じでした.残念.飄々としているのはいいのだけれど,なんか生きる強さも,割り切るという感覚も,苦悩の様もイマイチ伝わってこなかった.それと,真顔で冗談を言うことは結局なかったんですよね(あえて言うなら「スエズ運河や株式市場のことを考えてマスターベーションする人はいないだろうね」の部分だけか).「やれやれ」の台詞もなかったし.撮影に入った時点では遅かったけれど,意外と佐藤健くん辺りだったらうまく演じたのではないかな,と思わないでもない.アップに耐えられるだけのマスクをしているし.って,ワタナベくんがあまりイケメンなのもよくないのか.

小林緑ちゃん役の水原希子さんは,顔はかわいくてよかったのだけれど,なんか身体が病的に細くてちょっと心配な感じ.あっけらかんとした元気な役柄.そして,運命に翻弄される直子と対極に,運命の中を強く生きる生命力の象徴として存在する緑としては,なんかはかなさだけが感じられる役者さんでした.それと,どうも「陰」が全面的に押し出される感があるのが微妙.どちらかというと,陽が前に出て,陰の部分が時折顔を覗かせる感じが欲しい役柄なので,なんだかな,という感じ.

直子役の菊地凛子さんは,ちょっと.なんか,時折,顔がごつく感じられるというか,あんまり儚さと美しさがあるタイプでもないですよね.濃厚なラブシーンが必須なので,事務所的にはNGなのかもしれませんが,宮崎あおいさんとか,蒼井優さん辺りを抜擢できたらおもしろかっただろうなと思うのですが,どうでしょう?

まぁ,そんなこんなで,「まぁまぁ」という感じの映画でした.映像の美しさを堪能できればいいやって感じで割り切れる人には「どうぞ」って感じだけれど,「これは観ないと」とまで言い切れる程のものでもないなというのが個人的な感想です.

そういや,昔,ノルウェイの森が好きな人がいたな.

2010/12/28

大学教員のおつむ

えと,鹿児島大学の教育学部准教授であらせられ,専門が英語教育,米文学,ジェンダー学,観光学,国際関係論と多岐に渡る大変博識な大塚清恵先生(博士でなくてよかった.そんでもって言語学も専門でなくてよかった)が大変革新的な論文を鹿児島大学紀要に発表されている(レビューのある雑誌なら掲載されていなかったところだ.よかった).

日本・イスラエル比較文化研究(2) 日本列島は誰が創った

しまった.こんなもん見つけてしまったせいで,朝から腹がよじれてしまいました.頭が完全にお笑いモード.ダメだ,論文読む気にならん・・・

引用するとこんな感じ.

「文字音読みが「ユウ、ユ」と「ホウ、ホ」である字、由・夕・有・湯・油などや鵬・法・峰・保・穂・浦なども全て宇宙船(UFO)を表わすと思う。これは私の考えである」

「月着陸船が興(コウ、おき)、輿(ヨ、こし)、鼎(テイ、かなえ)、只(シ、ただ)という漢字によく似ていることにも気づいてほしい。」 

「月着陸船が降下すると、回りの植物が枯れるのでカラスと呼ばれるようになったのだろう。」 

「三柱鳥居は月着陸船の三脚部分と考えて間違いないと思う。」 


さらに参考文献に,2ちゃんねるとwikipediaが含まれるという徹底ぶり.凄い凄い.


締めは


日本人とユダヤ人は遠くの過去から来た未来人である」と書き,「God bless Japan(原文ママ)」で結論づけられる.


さらに,参考資料では,法隆寺は送電塔をモデルに造っており,ヨーロッパの古城はスペースシャトルをモデルに造っていると断言している.


( ̄▽ ̄;)


よかった.うちの大学には,ここまでの人はいないです.


やっぱり,紀要は論文じゃないですよ.絶対.審査のない論文なんて,僕は認めないよ.


付記:
なんかいろんなサイトで数ヶ月前に流行ってたみたいですね.いろんな関連サイトがわんさか出てくる.

2010/12/27

保育士の資格

えと,うちの大学には幼児教育科があるので,必然的に保育士や幼稚園教諭の養成に力を入れることとなります.

正直に言って,私は幼児教育なんてほとんど知らんので(最近,実は知らないフリをしているだけという説もある),

「保育士に必要なものはなんぞや」

的な話をしている人たちを見ると,傍で「ふーん」という顔をして見ているだけにしている.余計なことを言うと,余分な仕事が増えるだけだし.

学科カリキュラムやら受験要項やらに,受験者に求めるもの,さらには保育士に求めるものなんてのを議論している人たちがいるのだけれど,彼らの言っていることが本当に事実なのか誠に疑わしいと思いながら聞いている.

私なんてのは,「あるべき姿」的な話は基本的に信用ならんと考えているので,幼児教育を志す動機なんて,元気で,社交的で,そんでもって幾ばくか子供が好きならそれでいいのではないかと単純に考えているのだけれど,なんかそういうわけにはいかないみたいです.理由はよく知らないのだけれど,

「元気で子供が好きだから」という理由だけで幼児教育を志されても,ねぇ.

という愚痴を先輩諸氏の先生方が宣ったりするわけですけれど,私には資質としてはそれだけで十分なような気がする.ダメなんだろうか.

そもそも,18歳という年齢で人生設計があれこれと決まるわけでもないだろうし,基本的にいろいろなものにアンテナを張っておいて欲しいし,とりあえず受験する段階で,

あ,これよさそう.

という感性が働いたのであれば,その感性を大事にしておいて欲しいと私は思う.それは言うなれば,第六感,自分の中の生存本能がそういう風に機能せいという指令を出したのだと肯定的に受け止めりゃそれでよいではないかと思うのである.

自分がある種の職業を選択するのに,必然性も何もないだろうと思うし,そういったざっくばらんさが保証されているのが,職業選択の自由を保障する資本主義のいいところなのではあるまいか.

何が自分に向いていて,自分の能力を最大限発揮できるのかなんて神のみぞ知る領域なんだから,自分の思い込みでガンガン突っ走ればそれでいいと思う.仕事なんてとりあえず「やってみない」と何も分からんもんだし.やる前からあれこれと議論したり,考えたりしてもたいして意味はない気がする.

そのことに関して,所謂,「教師」なる人たちがあれこれ口出しすべきではないと個人的には強く思う.

とは思うのだけれど,なんか,合格した受験生達に,新聞を読むことによって,昨今の子供問題や社会問題に関心を持って欲しいとか考える人たちが多いので,なんかスクラップブックを作らせるとかいう課題を課したりするそうです.

まー,好きにすればいいと思いますけど.

しかし,新聞やらメディアが伝える情報が「真実だ」と考える大学教員って意外に多いみたいですね.私個人としては

がっくり

としてしまうのだけれど.

そもそも,マスメディアが伝える情報というのは,自分たちの情報が売れるかどうか,そして自分たちが世論を作ってやっているのだという教条主義に支えられているので,論理もへったくれもない(ことが多い)のに,そんなものを後生大事にされても大学教育には百害あって一利なしと思うのだけれど.

そうではなくて,マスメディアの伝える情報も,ある種の観点から切り取られた情報の一部であって,それを肯定的ないしは否定的に分析する機会を与えることにこそ意味があるのであって,人様の情報を鵜呑みにして,それを「大学教育」と呼ぶのは随分と怪しいというか,場合によっては詐欺なのではないかとすら思える程なのですけれど.

まぁ,思考を相対化するという訓練を受けていない人たちが集まると,こういうことになるということなのかもしれない.

そもそも,自己を含めて,分析・相対化するという能力が決定的に欠けている人たちは,やたらと教条的なことを口にするものだなと(悪い意味で)感心してしまう.よくも,まぁ,あれだけ自分に自信を持って,自分はこれだけのことを知っている立派な教育者・保育者だから私の言うことに従いなさいなどと言えるもんだなと思う.

そういう人ってよく考えたら,小学校や中学校に多かったですね.だいたいが,彼らの頭の中には,「模範解答」なるものがあって,そこから逸脱することを考える人間を「変」だとか言って,小バカにしたりするのだけれど,こういうのって想像力の欠如って言うんだろうなと子供心にいろいろと考えていたものである.

大学に行って,周りの友人や少なくない大学教員がそうではないということを知って,自分は心地よい開放感を感じたのをなんとなく昨晩思い出していたのです.

保育者は,あれも知って,これも知って,それでいてこういう体験もしておいてetc etcと,自分は本当にそんなこと知っているんかえ?と傍から聞いてやりたくなることもよくありますけれど,せめて自分だけは,もっと肩の力を抜いて,気楽にやって,そんでもって,私の言っていること自体も,ある意見の一つに過ぎないということに気づいてもらって,それを客観的に評価できるような視点が養えるような機会を提供していきたいなと思っているのですけれど.

って,来年度の授業計画を考えながら思いついたのですが,でも,たかだか語学じゃな.志高くしてもしゃーないですしね.

難しいもんだな.

2010/12/26

アル中?

確か去年のこの時期は,本当に切羽詰まりながら博士論文の仕上げに入っていて,年明けの1月6日だか8日だかが締め切りだったので,直前まで論文書きと参考文献読みに追われていたのを覚えています.

おかげさまで,めっちゃ忙しくて,くたくたの年末年始だった.思い出したくない.

それで,論文をソフトバインディングにして,郵送後,1日か2日だけ休んで,そのまま去年の職場では大学受験対策真っ盛りだったので,ひっさびさにセンター試験を分析しまくって,教材を作ったり,なんかいろいろドタバタと仕事をして.

その後は完全ラストスパートモードで,平日は朝の7時(ないしは30分)から,夜は8時までひたすら働いて,解答見てくれとかいう人たちの解答を持って帰って,そんでもって,土曜も昼の2時だか3時だかくらいまで働いて.

土日は確か合間にクラブの面倒も見ないといけなかったのだけれど,何せ,3月頭に口頭試問(イギリスではvivaと呼ばれて,外部と内部の審査員によって厳重に,長時間に渡る口頭試験があるのです.20-30分で概要を発表すればOKのアメリカのdefenseとはちょっと事情が違います)を控えているので,それの対策もしたかったので,クラブはちょこちょこと顔を覗かせる程度で,自分の配属の部屋でひたすら関連文献を読みまくっておりました.

そんな感じの生活をずっと続けて,とりあえずめでたくdefence(イギリス綴り)に成功.ちょっとパリを散策してきて,帰国後,3, 4日くらい高校生さんたちと遊びまくって(いろいろお世話になりました.正直,みなさんは仲間って感じがします.もし札幌に来ることがあれば,なんか奢りますんで,連絡くださいね.北大に受かってもなんか奢ります.うちの大学だと,もっともっと嬉しいけど),1日で荷物をまとめて,そんでもって札幌に3月27日の夜に来て,それで,4月1日から勤務開始だったんだよな,確か.

いろいろあった2010年でしたが,無事にやるべきことを終わらせて,そんでもっていい職場に就職もできて,いい年でした.余りに幸運続きだったので,来年はちょっと怖いんですけど.(ちょっとした不幸が2, 3あった方が落ち着くんですけどね.いくらなんでもバランス取れてなさ過ぎな感じなので)

まぁ,ちょっとした不幸は長い海外生活のせいで,日本に居場所をなくしてしまったことくらいでしょうか.実は大阪にも帰る家がないので,年末年始は北海道にいる予定です.正月だからということで,別にご馳走を食べようとか,そういう気には特にならないのですけれど(お餅も食べないと思われる.カロリー高いし),お酒くらいは奮発してもいいかなと思って,最近,ちょっと買い気味です.

赤と白のワインはめちゃくちゃ揃っていて,ワインセラーがあった方がいいんじゃないかって感じだし(おしゃれなのがあれば買うのですけれど),ビールも,サミュエル・アダムズ(ボストン発祥の地ビール.アメリカのビールで唯一おいしい)があればいいなと思って,発寒のイオンモールの専門店に行ったのだけれど,目当てがなかった代わりに,ベルギーのシメイやヨーロッパ系エールがちょっとあったので,それらと,あとシェリーのアモンティリヤード,それと八海山なんかを買ってきました.

元々,ジンやウォッカ,ベルモットやアマレット,スコッチウィスキーなんかも置いてあるので,台所がちょっとアル中の人っぽい感じになっています.

ま,いっか.別に毎日お酒を飲んでいるわけでもなし.

それで,今日はなんとなくのアレンジレシピで,かぶのポトフなんてのを作ってみましたけど,おいしかったです.それにフランスパンとスモークチーズ,赤ワインを飲んだのですが,なんか日本人っぽくない食卓ですよね.

あ,でも最近食べた鱈の白子は(「たち」と言うらしい)とてもおいしかったです.「たちポン」と言って,白子をさっと湯がいて冷水に入れ,それからポン酢につけたやつです.

年末はちょっとホッキ貝で何か作ってみようかな.

2010/12/20

オーギー・レンのクリスマスストーリー

雪と寒さを連想させる(南半球は違うけど)クリスマスという季節は,外気が寒いせいか,心が暖まるようなセンチメンタルなクリスマスストーリーを聞いてほっこりとした気分になりたいと思う一方,なんかの作り話のような甘ったるくて幻想的な話なんて聞きたくないなという矛盾した心情になってしまう.

そんな,一見,無茶な要求に応えてくれるような短編小説があります.

Paul Auster著作のAuggie Wren's Christmas Story

作品が発表されたのは1990年の12月25日.New York Times.私は,大学の学部時代に翻訳夜話という村上春樹さんと柴田元幸さんの著作の中で,二人の翻訳を読んだことがあったのですが,記憶がうっすらとしか残っていなかったので,ちょっと趣味も兼ねて翻訳してみました.一応,大学の英語教材の一つとして使わせてもらったのですが.

昔ならいざ知らず,今は一応,北海道のちゃんとした国立大と私立大で教鞭を執っている立場なので,訳が下手くそだったら申し訳ないのだけれど,クリスマスシーズンだし,掲載してみようかと思います.

ちなみに,原文はこちらです.

Auggie Wren's Christmas Story-Paul Auster

それでは,雪の夜に酒の入ったグラスを揺らせてお楽しみください.






オーギー・レンのクリスマスストーリー

ポール・オースター

私はこの話をオーギー・レンから聞いた.オーギーはこの話の中で,あまりいい役柄は演じていない.少なくとも,彼自身にとっては願ってもない役とは言い難い.そういうわけで,彼は私に,彼の本当の名前は使わないように頼んだのである.それ以外は,この話の全体,なくなった財布や盲目の女,クリスマスディナーのことについては概ね,彼が私に語った通りである.

オーギーと私は,もう知り合って11年近くになる.彼はブルックリン繁華街のコートストリート沿いにある,一軒の葉巻屋のカウンターで働いている.何せ,私が吸いたいと思う小さなオランダ製の葉巻を置いてある店はここ一軒だけなので,足繁くここに通うことになる.長い間,私はオーギー・レンについてあまり気にとめてこなかった.彼は小さな風変わりな男で,フードの着いたブルーのスウェットシャツを着ており,葉巻と雑誌を売ってくれる,ちょっとお茶目な皮肉屋で,いつも天気やら,メッツやら,ワシントンにいる政治屋なんかについて何かおもしろいことを言う奴である.そんな程度のことだった.

だが,何年か前のある日,彼はたまたま店にある雑誌をざっと眺めており,偶然,私の本の一つの書評に目を止めたのである.彼には,それが私だと分かった.というのも,その書評には写真が添えられていたからである.その後で,我々の間の何かが変わった.オーギーにとって,私は単なる客の一人ということではなく,特別な人間になったのである.普通,人は本やら作家やらといったものには,気もとめないものだが,オーギーは自分をちょっとしたアーチストであると考えていたということが判明した.今となっては,彼は私の秘密を暴き出しており,私を自分の味方,親友,戦友だと思っているのである.実を言えば,これはちょっとありがた迷惑だった.その後,まぁ,避けようもなかったのだが,彼が自分の写真を見てくれないかと言ってくる瞬間がやってきた.彼の熱意と善意を考えると,その申し出を断る方法はちょっとなかったような気がする.

その後,私に何が見せられるかなんて,誰が知っていただろうか.少なくとも,オーギーが私に見せてくれた類のものは予想していなかった.店の奥の,小さな窓のない部屋で,彼は段ボール箱を開け,12個のみな同じ外見のフォトアルバムを取り出したのである.「これは,俺のライフワークなんだ.1日に5分とかからない」と彼は言った.ここ12年の間,毎朝,彼はきっかり7時にアトランティック・アベニューとクリントンストリートの交差点に立ち,全く同じ場所を一枚ずつカラー写真で撮っていたのである.そのプロジェクトは,今ではもう4000枚以上になっていて,11つのアルバムは異なる年度を示しており,全ての写真は11日から1231日まで列に沿って並べられており,写真の下に几帳面な字で日付が記録されてあった.

アルバムをめくり,オーギーの仕事をじっと眺めだしている間,何を考えればいいのか分からなかった.初めの印象は,自分が見てきた中でもとりわけ奇妙で,訳の分からない物だなというだけのことであった.プロジェクト全体は,気の遠くなるような繰り返しの猛襲で,同じ通りと同じ建物が何度も何度も現れ,容赦ない重複する写真の譫妄であった.オーギーに何を言えばいいのか思いつけなかったので,ただひたすらページをめくり,さもわかったようにうなづいていたのである.オーギー自身はなんだか落ち着いたような感じで,満面の笑みで私のことを見ていたのだが,何分かした後で,突然口を挟んだ.「速すぎるな.ゆっくり見ないと,何も分からんよ」.

もちろん,彼は正しかった.時間をかけなければ,決して何も見えないのである.私はもう一つのアルバムを取り出し,もっと丹念に進むように自分に言い聞かせた.細部に注意を払い,天気の変化に気づき,季節が過ぎる毎に変わりゆく光の角度を注意深く眺めたのである.するとじきに,交通の流れの微細な違いに気づけるようになり,異なる日々のリズムを予期することができるようになった.仕事の朝という周期的運動,それに比べての週末の静けさ,土曜と日曜の間のコントラストといったようなことである.それから,少しずつ分かるようになってきた.背景にある人々の顔,仕事に向かう歩行者たち.毎朝同じ人が同じ場所を通って,オーギーのカメラの中で,それぞれの人生の一瞬を生きている.

一度,彼らのことが分かるようになると,彼らの姿勢に注目した.ある朝から次の朝にかけての動き方を詳細に観察し,外見から彼らの胸の内を推し測ろうとした.まるで,私が彼らのストーリーを想像できるかのように,まるで,私が彼らの体の中に閉じ込められた目には見えないドラマが見通せるかのように.それから別のアルバムを取り出した.もう退屈ではなかったし,最初の頃のように戸惑ってはいなかった.私には分かった.オーギーは時間を,自然の時間,人間の時間,その両方を写真に撮っているのである.世界のほんの小さな片隅に根を下ろし,それをわがものにすべく自分の意志を注ぎ込み,自ら選び取った空間で,見張り台に立ち続けることによって.彼の仕事に夢中になっている私を見て,彼は上機嫌に微笑み続けていた.それから,まるで私の思考を読みとっているかのように,彼はシェイクスピアの一説を朗吟し始めた.「明日,また明日,また明日」息をしてつぶやき,「時間は小刻みな足取りで,一歩一歩を歩む」.そう,自分がやっていることの意味を,オーギーは完全に把握しているのだ.

それ以来,既に2000枚以上の写真が撮られた.その日から,オーギーと私は,彼の仕事について何度も語り合った.しかし,彼がどういういきさつでカメラを手に入れ,写真を撮り始めたのかということを知ったのは,つい先週のことである.それが,彼が私に語ってくれたストーリーのテーマであり,私は未だにその意味を分かろうともがいているのである.

その同じ週のこと,ニューヨークタイムズのある男が私に電話をかけ,クリスマスの朝に載せるショートストーリーを書かないかと尋ねてきた.最初は衝動的に,「無理」だと言おうとしたのだが,その男があまりに魅力的で忍耐強かったので,会話の終わりまでには,私はとりあえずやってみると彼に伝えた.しかし,電話を切った瞬間に,私は深いパニックに陥った.自分がいったいクリスマスについて何を知っているのだろう?私は,自問した.注文に合わせて,ショートストーリーを書くなんていう仕事について,私に何が分かるというのか?

私はその後数日を絶望の淵で過ごし,ディケンズ,O. ヘンリーやその他諸々のキリスト生誕の日を巡る著作の巨匠の亡霊達と戦った.そもそも私には,「クリスマスストーリー」という言い回し自体に不快な響きがあり,偽善っぽい戯言や甘ったるい話の恐ろしいほどの応酬が喚起される.どんなによく言ったところで,クリスマスストーリーなど所詮,願望充足の絵空事,大人のためのお伽噺に過ぎず,その手の類のものを自分が書こうなど,考えるだけでもうっとうしく思えてくる.しかし,一方で,誰がセンチメンタルでないクリスマスストーリーなど書こうと思うだろうか.そんなものは,完全なる自己撞着であり,不可能なことであり,紛うことなき難問なのである.足のない競走馬,翼のない雀を想像することの方がまだしも楽というものだ.

どうしようもなかった.木曜日に,私は長い散歩に出かけ,新鮮な空気に触れて頭をすっきりさせようとした.昼を過ぎたところで,手持ちの蓄えを補充しておこうと思って,例の葉巻屋で立ち止まると,いつも通りにオーギーがカウンター越しに立っていた.彼は,私に「元気か?」と聞いてきた.はからずも,私は気がつけば自分の思いの内を彼に打ち明けていた.「クリスマスストーリー?」私が話し終わると,彼は言った.「それだけのことか?もし,昼飯を奢ってくれるなら,そうだな.今まで聞いたこともないような最高のクリスマスストーリーを話してやる.しかも,一言一句,掛け値なしの実話ってやつを」

我々はジャックへと歩いて行った.そこは,狭苦しくて騒々しいカフェテリアで,パストラミサンドイッチが旨く,壁に古いドジャーズの写真を掲げてある.我々は奥の席でテーブルを見つけ,注文し,それからオーギーが話を始めた.

72年の夏のことだった」と彼は言った.「ある朝,一人のガキがやってきて,店から何かを盗み始めたんだ.年の頃は1920かといったところか.とにかくそれまでに,ここまでひどい万引きは見たことがなかったね.店の向こう端沿いのペーパーバックの棚の側に立っていて,レインコートのポケットに片っ端から本を詰め込んでいたんだ.ちょうどそのとき,カウンターの辺りが混雑していてな,それで俺も最初は気づかなかった.しかし,ガキが何をしようとしていたのかが分かると,俺は叫んだんだ.すると,ガキは脱兎のごとくその場を立ち去り,ようやくカウンターから出られたと思ったら,既にアトランティック・アベニューを這々の体で走っていた.半ブロック程追いかけたんだが,それで諦めた.ガキは道沿いに何かを落としていて,それにこれ以上走りたくなかったから,何だろうと思って,しゃがんでみた.

それはガキの財布だった.金は一銭もなかったが,3, 4枚のスナップと一緒に運転免許証が入っていた.警察を呼んで,逮捕してもらうこともできたんだと思う.何せ,こっちは名前と住所が免許証から分かっているんだから.だが,なんだか妙にこのガキがかわいそうに思えてな.どうせ,ちんけなくだらんゴロツキなんだろうし,一度この写真を見てしまうと,怒る気にもなれなかったんだな.ロバート・グッドウィン.それがガキの名前だった.免許の中の写真の一枚は,確かこのガキが自分の母親だか祖母だかに腕を回して立っているのがあったはずで,別のやつには,満面の笑みで野球のユニフォームを着て笑っている9歳か10歳頃のものもあった.なんか,気の毒でな.恐らく,今ではヤク中かなんかなんだろうし.ブルックリンの貧乏な家に生まれて,将来の見通しも明るくはない.それにゴミみたいなペーパーバックなんて誰も気にしないだろ?

というわけで,その財布はずっと持っていた.時々は,ちょっとこいつを返してやりたいなとも思ったんだが,ずるずると先延ばしにしてしまって,とにかく何もしなかったんだ.それでクリスマスがやってきて,俺はやることも特になかった.いつもは店のオーナーが,クリスマスは家に招待してくれるんだが,その年は家族で,フロリダにいる親戚に会いに行ってしまっててな.だから,クリスマスの朝は自分のアパートでじっとしていたんだが,なんだか自分が哀れに思えてきてしまった.その時,キッチンの棚の上にロバート・グッドウィンの財布が置いてあるのが見えた.そうだな,たまには何かいいことをしてもいいだろうと俺は考えて,コートを着て,直接この財布を返そうと出かけることにした.

住所はボーラム・ヒルと書いてあった.ほら,団地が並んでいる辺りだよ.その日は凍てつくように寒い日だってのに,目当ての建物を見つけるのに何度か迷子になってしまった.ああいう所って,なんか全部同じ感じに見えるだろ.どこか違う場所に行ってるんじゃないかって考えているのに,実際は同じ所をぐるぐると回り続けているとか.とにかく,まぁなんとか目当てのアパートにたどり着いて,ベルを鳴らしてみた.だが,何も起こらなかった.誰もいないのかと思ったんだが,まぁ,念のためって思ってもう一度鳴らしてみた.少し長めに待っていて,ちょうど諦めかけようかって時に,誰かがのそのそとドアの所にやってくる音が聞こえる.年のいった女の声で「どなたですか?」って聞くもんだから,「ロバート・グッドウィンを探しているんですが」って答えた.『お前かい,ロバート?』とその婆さんは言った.それで,15個近くの鍵を開け,ドアを開けた.

この婆さん,少なくとも80歳,いや,たぶん90歳くらいだったんじゃないか.それで,とにかくまず気付いたのが,目が見えないってことだった.『ロバート,きっと来てくれるって思ってたよ』と婆さんは言った.『クリスマスの日に,あんたがエセルお婆ちゃんを忘れるわけがないもの』それから,婆さんは両手を広げて,今にも俺に抱きつこうとした.

分かると思うが,考える時間なんてなかったんだ.とにかくぱっと何かを言わないといけない.それで,自分でも何が起こったのか分からない内に,その言葉が思わず口をついて出てきてしまった.『そうだよ,エセルおばあちゃん』と俺は言った.『クリスマスだから,会いに来たんだよ』なんでそんなことをしたんだとか聞かないでくれ.わけが分からなかったんだ.恐らく,婆さんをがっかりさせたくないとか,そういうことなんだろうが,とにかく分からない.とにかくそうなってしまったんだ.それで,この婆さんがそこ,つまりドアの前で突然俺に抱きついてきて,それで俺も抱き返したんだ.

別にはっきりと自分が婆さんの孫だって言ったわけじゃない.少なくとも言葉では言ってないし,まぁ,そういう含みを持たせたことは確かなんだが.でも,婆さんを騙そうとしたわけじゃない.それは,ちょうど俺たちが二人でやろうと決めたゲームみたいなもんだったんだ.前もってルールまで決めたわけでもないがね.つまりだな,その婆さんだって,俺が孫のロバートじゃないってことは知っていたんだよ.確かに,年老いてフラフラしてはいるが,でも赤の他人と血肉を分けた肉親を区別できないほどには,ボケちゃいなかった.だが,孫のフリをすることで,楽しい気分にさせられたんだな.とにかく他にいい方法があるわけでもないし,進んでこっちも話を合わせようってことにしたわけだ.

それで俺たちはアパートの中に入って,一緒にクリスマスを過ごすことになった.その場所は,こう言うのもなんだけど,本当にゴミ捨て場みたいだったよ.でも,盲目の女一人でちゃんと家事をやっとけなんて,どだい無理な相談だよな.その婆さんが,俺がどうしてるのかって聞くたびに,俺は嘘をでっち上げたよ.葉巻屋のいい仕事が見つかったんだ,だとか,今度結婚する予定だ,だとか,とにかく100くらいのかわいらしい嘘をついた.そうしたら,向こうもその一つ一つを信じるフリをしてな.『ロバート,そりゃよかった』って,頷いて,笑いながら言うんだな.『お前のことだもの,きっとうまくいくはずだってずっと思ってたよ』

しばらくして,俺はかなり腹が減ってきた.家の中にはあまり食いもんもないような感じだったから,近くの店に行ってきて,とりあえずいろいろ買ってきた.ローストチキン,野菜スープ,ポテトサラダを1バスケット,チョコレートケーキ,そんな感じのもんだ.エセルはベッドルームに2本ワインをしまってあったから,俺たちでなんとかまともなクリスマスディナーを揃えることはできたよ.それで,確か,二人ともワインでちょっと酔っぱらったんで,飯を食った後,リビングに行ったんだ.椅子の方がずっと心地よかったからな.そこで,俺は小便がしたくなったんで,ちょっと失礼して,廊下の方にあるトイレに行ったんだ.その場所で,また事態が変わった.エセルの孫のフリをするってのも随分とあほらしい冗談だと思うんだが,その次に俺がやったことってのは,もうどうしようもないくらいいかれてたと思うよ.ちょっとこれは自分でも許せないくらいなんだが.

トイレに行って,シャワーの隣の壁に,6つか7つのカメラが重ねてあるのを見たんだ.新品の35ミリカメラで,まだ箱に入ったままの最高品質のやつだった.本物のロバートがやらかしたことなんだろうなって思ったよ.最近,あのガキがせしめてきた獲物を置いておく保管場所の一つなんだろうなと.今までの人生で写真なんか撮ったこともなかったし,誓って盗みなんてしたことなかったんだが,こいつらを見た瞬間に,自分でも一つ欲しくなってしまってな.ただ,それだけなんだ.そんなこと考えるのもやめようとか思う間もなく,カメラの箱の1つを俺は脇の下で抱えて,それでリビングに戻った.

3分もリビングを離れていたはずはなかったんだが,その時にはもうエセル婆さんは椅子のところで眠ってしまっていたよ.たぶん,キアンティを飲み過ぎたんだろうな.俺はキッチンに行って皿を洗った.ガチャガチャ音を立てていた間も,エセル婆さんは赤ん坊のように寝息を立てて寝ていたな.起こすのも悪いと思ったから,俺はその場を立ち去ることにした.さようならって書いたメモも残していけなかったよ,何せ,婆さんが盲目なのは分かっていたからな.それで,とにかく俺は家を出た.ロバートの財布は机の上に置いて,またカメラを手にとって,それでアパートの外へ出た.これで話はおしまいだ」

「それ以降,婆さんに会いには行かなかったのか?」私は尋ねた.

「一度だけ」と彼は言った.「3ヶ月か4ヶ月かした後だ.カメラを盗んで悪かったと思っていたし,全然使ってもいなかった.なんとかかんとか,それを返しに行こうと決意したんだが,でもエセルはその場所にはもういなかったよ.何があったのかは知らないが,でも誰か別の人間がそのアパートに移ってきていたし,そいつも婆さんがどこに行ったかなんて分かるわけなかったしな」

「多分,死んだんだろうな」

「あぁ,多分,な」

「つまり,その婆さんは君と最後のクリスマスを過ごしたというわけだ」

「そうなのかもしれんな.そんな風に考えたこともなかったが」

「いいことしたんじゃないか,オーギー.君がやったことはよかったと思うよ」

「嘘をついたし,盗みもした.それなのに,なぜ君がいいことをしたなんて言えるのか分からないね」

「婆さん,幸せだったんじゃないか.そのカメラだって,どうせ盗まれたもんだったんだろ.君が取ってきたカメラだって,どうせ本物の所有者のものというわけでもなかったんだろうし」

「アートのためならなんだって,か,ポール?」

「そんなこと言ってはいないよ.でも,少なくとも君はカメラを有効に使っている」

「それで,今は君もクリスマスストーリーが手に入った,と」

「あぁ」と私は言った.「どうやら,そのようだな」

私はしばらくじっとして,オーギーがいたずらっぽく満面の笑みを浮かべたのを観察していた.確信は全然持てないのだが,彼の目の中はあまりにミステリアスで,密かな嬉しさで満たされていたので,突然,ここまでの話を全部でっちあげたんじゃないかという思いがふと頭をよぎった.私は,自分を騙そうとしたんじゃないかと問い詰めたかった.だが,まともな答えなんて返ってくるはずがない.私は,彼にまんまと騙されていて,そのことだけが意味のあることだったのかもしれない.でも少なくとも,信じる者が一人だけでもいるのなら,事実たり得ない話なんてないのである.

「オーギー,君は最高だよ」と私は言った.「ここまで力になってくれてありがとう」

「お安いご用」と彼はそう答えた.私を見る彼の目には,まだ狂気の光があった.「まぁ,何にせよ,秘密も共有できない友人なんて,どんな友人なんだってことなんだろうな」

「たぶん,私は一つ借りができたんだろうな」

「ないよ.君は単に俺が言った通りに書けばそれでいい.君は俺に何一つ借りなんてない」

「昼食を除いては,ね」

「そう.昼食以外には,な」

私はオーギーに微笑み返し,それからウェイターを呼んで,勘定を頼んだ.

2010/12/19

収穫

今回の京都訪問では,韓国系の言語学者と交流できたのが凄く大きかった.

特に,USCでも会ったのだけれど,キョンヒ大学のジョンボクは研究分野もけっこう重なるので(アプローチは違うのだが)生産的な話がいろいろできてよかった.(念のため書いておきますけど,相手はお偉いさんです)

ご飯を食べながら,そして温泉に浸かりながらいろいろと話をしていたのだけれど,人柄もいいし,ソウルに行くことがあれば飯くらいは奢ってくれるそうなので,ちょっと行ってみたいなと考えている今日この頃.

それと,朝鮮語のデータに関して,ソウル国立大のソンギョさんともいろいろ議論できたのがよかった.私が追っかけている日本語の細々としたデータと朝鮮語と一致することが多いので,今後,比較研究することはなかなか生産的だと思われます.

言語の祖先的には,日本語と朝鮮語がつながっているという証拠はないのだけれど,統語的には両者は非常に似通っているので,何が共通点で何が違うのかを分析的に観察することは,言語理論の発展にとって必要不可欠なことだと思います.まぁ,日本語と英語を初めとする西欧諸語とは違いすぎるくらい違いすぎるので,日本語と,英語と,朝鮮語とを比べてでてきた一般化はかなり汎用性が高い確率がある.

まぁ,3つとも対格言語で,能格言語なんかと比べるとまた全然違うことになりかねないのですけれど.

そもそも,私はワシントン大学で,フリッツとスーウォン・キムの2人に統語論の手ほどきを受けたので,韓国系の言語学者にはとても親近感を感じます.ヨークでも,サブアドバイザーのジョージの奥さんがクッキーという韓国人だったので,いろいろと世話になったし.

イギリスにいた頃は,ソウルなんて「遠いがな」という一言で全然目もくれていなかったのだけれど,札幌からだとソウルまで直通便もあるくらいなので,近い将来に行く機会はありそうな感じ.私は辛い物も好きで,別に韓国に違和感も何もないので,ちょっと行ってみたいですね.

ただ,ハングル模様がワケわかめなんですが.記憶力がある間に朝鮮語も勉強しておくか.

それと,フランス語と,ドイツ語も.(って,無理やがな...)

2010/12/17

出世街道を走る?

えと,職場総出のクリスマス会というのがありました.

教職員一同が揃って,大学の食堂で飲み食いをする会です.

ビール,日本酒,赤・白ワインにその他ソフトドリンクが飲み放題状態で,すき焼きを囲むとかいうものです.

しかも,肉なんて霜降りの豪華なやつばっかり.

さらには,会場で配布された番号札に従ってクリスマスプレゼントが用意され,札幌グランドホテル特製のクリスマスケーキを現物で,ないしは引換券が(以下の画像参照)配布されるとか至れり尽くせり.



なんか凄いもんですね.これが「普通」だとか「当たり前」だとか思わないようにしたいものですが.

実は冬のボーナスというもので,車のローンも支払い終わって,借金がゼロ状態で,今後の収入は全部貯蓄できるとかいう状態になって,別に貧乏でも何でもないのですけれど,やっぱり学生時代の貧乏気質は全然抜けない感じで日々を過ごしております.

何せ,値札が500円以上の食べ物なんて怖くて買えないですし(例外は仕事で帰りが遅くなって,半額で売りさばいている寿司を見つけた時くらいなものか),肉なんて最近「いつ食ったっけ?」って状態ですし,すき焼きなんて代物,一人暮らしなので作ったことがないとか,なんかそういう生活をしています.

そういうわけで,昨日はなんかご馳走攻撃で疲れてしまった感じです.

そんなクリスマス会だったのだけれど,座席は基本,自由なんですが,会場に着くや否や,座る場所を指定されてしまったのです.

6人テーブルで,私の他は,理事長,学長,副学長,学部長,懇親会会長という面々.しかも,理事長のすぐ前の席.

どういうことなんだ?

まぁ,厚かましくもそんな座席で飲み食いさせてもらって,二次会では元副学長の元気なD先生に近くの洒落た居酒屋に連れて行ってもらいました.

10人くらいで座敷を占拠して,生牡蠣やらなにやら,北海道名産の新鮮なシーフード尽くしで,飲み物は八海山をいただく.

その元気なD先生は,自称「注ぎ魔」で,次から次へとお酒を注がれて,とにかくたくさん(4~5本飲んだ)飲んできました.

気がつくと,12時半だか1時前だかの時間だったのだけれど,何せ私は家が大学から近いので普通に歩いて帰ってきました.

そんなこんなで,初年度から大学幹部の人たちの中に混じらせていただいたのだけれど,気後れせずに楽しい一時を過ごさせてもらいました.

今日からしばらくは,精進料理みたいな粗食で生きていこうと思いますが.

2010/12/15

どうにかしたいのだが

距離を取るべきだという見解があるのは認めるつもりなのだけれど,学生さんたちと近い距離で話していると,本音の意見がいろいろ聞けるのは大きなアドバンテージだと思う.

女性なんかだと,打ち解けすぎると,あまりに歯に衣着せぬ発言を連発してしまうので,少々おっかなびっくりな気分になることも多いのだけれど,でも,上辺のアンケートだのなんだのを見て自己満足に浸っていても別にいいことはないと思うので,私はこの距離感でやっていけるならしばらくやっていこうかなって思います.

教員同士の会議の発言なんかを見ていると,「学生が学ばない」だとか,「学ぶ姿勢がなってない」だとか,「能力がない」だとか,「言っても分からない」だとか,批判する発言は枚挙に暇がないのだけれど,なんだかどれにも釈然としない感覚がある.

確かに,少数のちょっと扱いにくい人たちがいるのも事実だし,最初から面を上げて積極的に全てを吸収しようとかいう姿勢の学生がいないのは事実だし,そういうのが理想なんだろなとも思う.

でも,日本全国というか,世界を見渡してもそんな大学ないと思います.

たぶん.

うちのような地方のちょっといい大学程度の水準だと,ついつい東大や京大,早慶上智に旧帝大なんかを夢想して,その手の名門大学にはそういった理想の学生が溢れていると考えている人たちがいるみたいだけれど,それは誤りだと思う.

この種のレベルの高い学生だと,まずインストラクターの水準をシビアに評価してくるし,それこそちょっとでもまずい授業をするようだと,全然話も聞かないで,インストラクターを見下してくるくらいのことはしてくるものである.

自分たちがそうだったので,それくらいは分かる.

最初から露骨に単位稼ぎのためだけに受講してくる学生はともかく,専門の授業になれば,基本は真剣勝負である.こっちがしょぼい授業をしていても目をきらきら輝かせて,「素直に」聴くような学生なんざいないと思われる.

でも,別にこれは悪いことではなくて,教員も常に試される立場にあるわけだから,その程度でちょうどいいと私は思います.プライドだけが専攻して,若気の至りで実は優秀な研究者をバカにする学生もいることは事実だけれど,この程度の弊害は人間と人間との関係なのだから別にあってもいいんじゃないかと思う.

視点を変えて.

読み書きのレベルからして怪しい,もはや「大学」という水準にない大学は,まぁ,「しゃーない」って感じはします.確かに.とりあえずは,社会にまっとうに出られるだけの訓練を施すことができれば御の字かなと思われます.

そんなレベルに比べると,うちの水準なんて高いもんだと思うし,素直でいい学生がほとんどだし,知的レベルも,現在の水準では確かに高くはないかもしれないけれど,ポテンシャルを秘めている学生さんはけっこうたくさんいるという手応えはある.

この大学で,学生さんたちに注目してもらえるような講義ができないとか,話を聞かせられないとかいう人たちは,正直,能力不足なのかなと思います.

果たして片手で数えられる程いるのかも分からないような,突出した研究能力を持った人ならまだしも.(ちなみに,うちで研究水準の高い人は,授業の評判もよろしいです)

なんか,うちの大学で教員が「素直な」学生が欲しいとかなんとか言っているのは,無条件で自分の言うことに付き従う奴隷を求めている人たちのわがまま勝手にしか聞こえないんだよな.

そんなことを考えることがちょこちょこあるので,うちの授業に絶望しているというか,達観した感覚を持っている学生さんたちを見ていると,ちょっと残念というか,申し訳ない気持ちになってしまう.もっと「ぐい」っと,引き込む感覚を与えられる機会を提供したいという思いがひしひしとしてしまう.

「授業なんて適当でいいし,学生の顔色を伺っているのなんて三流のやることだ」というのは,なぜか大学教員の間ではわりと主流を占めているかもしれない「常識」なのだけれど,なんだかなぁと思う.

うちの学部の,他の学科の教員さんたちで,いい評判を聞く先生はちょこちょこいらしゃいます.そういう話を聞くと,ありがたいというか,ちょっと嬉しくなるのだけれど,実はうちの学科の教員で「これ」という話って,ほとんど耳にしないんですよね.

まぁ,組織上の学科教員でしかない私がこんな考えを持っていてもなぁんにもならないんですけど.

2010/12/14

えと,雪がたーくさん降ってきました.

まぁ,実を言うと,まだ雪が降ってくるとテンションが上がってくるといいますか,なんか「楽しい」という気分になってしまう内地人間的気質が全然抜けないのですけれど,さすがにこれだけ雪が降ると「大変」という気分になってきますね.

気温が氷点下でも,雪が降っていると,なんとなく「骨身に染みる」寒さって気分にならないのだけれど,車のあちこちに雪が積もり出すとさすがに「やべー」という気になってしまいます.

前方と後方はなんとか雪を払えても,サイドミラーと横の窓ガラスが雪で視界を遮られてしまうと,さすがに怖いですね.しゃーないので,とことんゆっくり走らざるを得なくなってしまうし,車線変更はめちゃくちゃ気を遣うようになってしまう.

車線変更がこんなに怖いもんだとは,今まで予想だにしてませんでしたけど.

そんでもって,雪の中だからか,バカ道民だからか知らないのですが,普通に自動車道を横切る歩行者もいて怖い怖い.こいつら,横断歩道や信号まで歩くということを考えないのだろうか?と切実に思う.

そんでもって,雪の中で,バカタクシーやら(ここの「バカ」は非制限用法で使用されています)バカ車やらが近くに来ると怖いのなんの.よく,雪道の中であれだけ暴走できるものだと感心してしまう.(近寄りたくないっす)

それに加えて,マンション前の駐車場にバックで車を駐めるのもめちゃくちゃ難しいですね.うちはマンション前の道路から後方向きで車を止めないと仕方がないような作りになっているのだけれど,両サイドの視界がふさがれているので,まず駐車場の入り口に入るのが難しいし(ちょっとした段差が雪のせいで厳しくなっている),そんでもって私の駐車位置が一番奥(つまり最も建物寄り)なので,実質何にも見えない状態が作られてしまう.

しゃーないので,雪の中,ドアをちょっと開けながら無理矢理駐車することに成功しました.これからこんな感じでやっていかないといけないんだろうな.

ちなみに明日は最高気温でも氷点下,最低気温は−7度って話だけれど,通勤はけっこう大変そうですね.ちょっと早めに家を出ないといけないな.

自分も,そして関係者も無事に大学に着けるといいのだけれど.

ちなみに,2010年度は交通事故死亡者の数で北海道が1位を爆走中らしいです.まぁ,端から見て,「こいつは危ないな」という車が多いですからね.私も何度ドアから引きずり下ろして,しばき倒してやろうかと思ったことか.(歩行者の横断を待っていると,後ろからクラクションを鳴らされまくって,その後,煽られるとか,赤信号で止まっても鳴らされまくって煽られるとか,タクシーのバカどもの信号無視やら幅寄せやら,急なUターンに肝を冷やすとか,なんか珍しくない程度にそういう目に遭います)

2010/12/13

寒いけど落ち着く

朝の5時44分という始発に乗らねばならなかったので,温泉宿までタクシーに迎えに来てもらって,京都駅に着く.

それから,バスで伊丹空港まで行き,飛行機で新千歳まで.

朝が早かったので,乗り物では基本,寝ていました.なんか「気がつくと」着いたって感じだったので,なんか心地よかったです.

午後の仕事も無事に終了.車に積もった雪をかきかき,買い物に行き,ジムに行き,素朴な夕食(ちょっとご馳走が続いていて,疲れた)をいただき,ワインのボトルを開けてほっと一息.

なんだかんだで,ちょっと今は札幌が帰る場所になりつつありますね.地元は関西なのだけれど,今の住まいは札幌といった感じです.

ところで,週末の学会はなかなかハードなスケジュールだったのだけれど,楽しかったのです.フィードバックがとにかく多くて,生産的な学会で,また機会があるのなら(プログラムとしはこれが締めなんだけど)こういうのに参加してみたい.

それと,バカみたいな意見だけれど,日本だけじゃなく他国でもPhD持ちの人たちの水準って高いよなって気にさせられました.こういうことを言うと,「日本国内でも水準の高いものもあって,海外でもetc etc」とか言われるのだけれど,あくまで「傾向」です.

なんだかんだで,割合的に見て,というか,PhD持ちの人たちという肩書きがあると,外れがないという安心感がなんかあります.まぁ,今回は韓国の名門大学では名を上げている人たちが多かったので,当然と言えば当然なのかもしれないけれど.

閑話休題.

とにかく,久しぶりに会う人たちだとか,ピーターなんかとも久しぶりにいろいろ話せて充実した一時でした.しょっちゅうあるとなんか疲れてしまうのだけれど,年に1回くらいの頻度でこういうのがあるといいなって思います.って,なんか都合のいい意見.

でも,京都にはまた言語学抜きで遊びに行きたいですね.紅葉もきれいでした.

四条の小路.久しぶりに見ると,なんか探索したい気分で一杯になる.

 鴨川.見慣れた景色だけれど,なんか落ち着きます.いろいろあったな.
 夜の祇園.中国人観光客がすごく多くなってびっくりしましたが,それは全国的な傾向なのかもしれない.社会人になったけど,まだ祇園で遊ぼうという気概はないな.

近畿にいる

えと、今、京都、というか用事があったのは主に京都だったのだけれど、なぜか滋賀の温泉宿におります。明日は始発電車に乗って、札幌に帰って、午後から仕事なのだけれど、飛行機が飛ぶのかちょっと心配。

「だから、なんやねん?」って話ですよね。えと、周囲では聞きなれた関西弁が聞こえますし、電車も風景も見慣れているしって感じなのだけれど、今では札幌に帰属意識があるので、なんとなく「帰りたい」と思っている自分にちょっと違和感を感じる今日この頃。

北海道弁を聞くのも悪くないですよね。うん、悪くない。ちょっと今回帰ったら、しばらく引き篭もってようか画策中。

2010/12/10

ドサ回り

今週は,ちょっと学生さんにもいろいろあったけれど,私もいろいろいろいろ忙しい週で,なんか息をつく暇がありません.

今日は朝は大学で講義,来週の授業のプリントを用意して,午後からは,ご近所さんの高校まで出張授業.

最近は,大学の教員が高校で喋ってこないといけない機会もけっこう多いのです.

でも,高校生相手に喋るのは別に嫌いではないですし,けっこう楽しかったです.それに,他の教員(教育学のIさんとか(笑))のいい評判も聞いて,なんとなく嬉しくなる.やっぱり,自分の所属組織が褒められて,そんでもって学生さんたちに評価されるのは気持ちのいいもんです.

出張授業から帰ってきて,ちょっと週末のトークに合わせてハンドアウトを作成.別にbeamerでプレゼンテーションファイルを作るので,ハンドアウトなんていらないじゃないかとも思うのだけれど,トークの後にいろいろ見直したり,参考文献を見たり,発表者とコンタクトを取ったり,なんてことを考えると,発表後にハードコピーがあるかないかってけっこう重要だと思うのです.

大学の授業で使っている限りは,beamerをハンドアウトにまとめてくれるbeamerarticleというスタイルファイルで十分で,重宝していたのだけれど,なんか専門家集団を相手にするときには,いろいろ問題がある.

特に,言語学ではけっこう重要なtreeなのだけれど,beamerarticleでarticleにコンバートすると,なんか形がずれてしまって,うまく修正ができない.それと,参考文献リストをbibliography環境で設定する方法は分かっているのだけれど,めんどうくさいので,やっぱりbstで呼び出す形にしたいのだけれど,それがなかなかうまくいかない.

ちょっと今回はLaTeX userの多い会合なので,誰か対処の方法を知っているといいのだけれど.

そんなこんなで,破れかぶれのハンドアウトを印刷し,20時過ぎに家に帰る.なんか普通に社会人やっている人たちに怒られそうですが,こんな時間に帰るのは,月に2回くらいしかないです.すまない.

体が固くなっている感じがぬぐいきれないので,21時過ぎからジムで体を動かし,温泉に浸かってくると,やっぱり楽になった感じがしますね.頭と口だけが妙に疲れると,なんか身体のバランスが悪くなるんじゃないかって気がする.

そんなこんなで,夜になっちゃいましたが,明日からまた遠出します.冬休みは札幌でボケーっとするので,いいか,この際.そーいや,斎藤くんの入団会見.平日昼間なのに8000人集める集客力って凄いな.札幌ドームのチケット,買えないんじゃあるまいか.

2010/12/08

生きててくれてありがとう&簡単に断れない

と,思わず言ってみたくなる瞬間.

えと,火災被害にあった学生さんですが,ほどほどに元気な感じで,喋りに来てくれました.

なんか,目撃している被害者が否定しているのにも関わらず,「加害者は女性」という目撃証言のせいで,警察に犯人扱いされて連行されて取り調べを受けたとか,部屋を警察に土足で荒らされまくって,ぬいぐるみから何から泥だらけにされたとか,今日は午後の5時から警察に呼び出されているとか,弱り目に祟り目なのだけれど,なんとか乗り切る気力はありそうです.

健気である.

交番勤務の人たちでもなければ,警察なんざヤクザとなんも変わらん人も多いのだから,大いに同情してしまう.気質の人たちに被害を与えないということを考えれば,ヤーさんの幹部の方が,「弱気をくじき,強気を助ける」警察さんたちなんかよりましなのではないかと思う程である.(まぁ,こんな文句を言うようになったのにも,それなりの苦い思い出が関連しているのである)

まー,とにかく,(それなりに)元気で本当に本当に良かったです.毎日,普通に日常生活を送れているということは,幸福なことなのであるなと思った次第.

ちなみに,今週末はまたまたまた近畿に行く用事があるのだけれど,チョコ味の八つ橋をリクエストされちゃいました.二つ返事でオーケーしてしまいましたが,まー,今回くらいはいいでしょ.こんなんで元気になってくれるのなら,安いもんです.

ところで,今日は1年しか在籍したことがない(昔,阪大時代に全国大会をホストしたことがあったので,その年だけ)大きいのだけれど,私の分野とはあんまり関係がない学会さんからレビューを頼まれました.

学会に恩義があるわけでもないし,推薦者の名義が「編集委員」ってことなので,なんか匿名なのが気になるのだけけれど,でも,恩義のある人の推薦があったのなら無下にもできないですしねぇ.

まぁ,いい機会だと思って引き受けました.献本してもらえるし.でも,LanguageでもJournal of Linguisticsでも,レビューなんて数枚でおしまいってのが常なのに,10枚以上も書くのって,なんだかなって気がしないでもない.たくさん,太鼓持ちでもしてみるか.

人間,人から頼りにされている間が華ですしね.

心が狭い


交際相手のマンションに放火 容疑の女を逮捕 札幌・北区


7日午前4時55分ごろ、札幌市北区北38西3、マンション「ジェイエス麻生」(11世帯入居)1階、とび職吉岡竜太さん(23)方から出火、鉄筋コンクリート4階建て延べ400平方メートルのうち、吉岡さんの居室内部30平方メートルを全焼した。吉岡さんは足にやけど。他の住民は避難し、けがはなかった。
 札幌北署によると、吉岡さんは「女に火をつけられた」などと話しており、同署は現住建造物放火と殺人未遂の疑いで、現場にいた同市北区百合が原5、無職高橋理沙容疑者(24)を緊急逮捕した。
 同署によると、高橋容疑者は吉岡さんの交際相手。同署は同容疑者が合鍵を使って吉岡さん方に侵入し、灯油をまいて火をつけたとみて調べている。高橋容疑者は容疑を否認している。
実はこの放火されたマンションの2階に,私の受け持ちの学生さんがおりました.しかも,けっこう喋る子です.
今日は雪が降って,寒くなってきたというのに,早朝の5時から外に追いやられてしまった模様.泣きながら友人の携帯電話に電話をかけ,今日の1限の私の授業が欠席扱いされるかどうか心配していたということと,ひたすら泣いていて落ち着いて話ができないとかいう様子だったらしい.
もう,なんと言えばいいのやら.
欠席なんて,教務になんと言われようが公欠扱いで点数は処理しますし,また元気に大学に来てくれたらそれでいいです.それ以上の何を求めるというのだろうか.
大学教員なんて,所詮,学生一人一人の人生の責任を背負える程の存在じゃないし,妙な使命感は最近の教壇では白眼視されることはあっても,あまり肯定的に評価されることはない.
師弟関係というのは,幻想関係をその基本とする.
師というものは,往々にして弟子が思うほど偉大な人物でもなければ,頭がいいということはあまりないわけだけれど,それでもその幻想関係を信じている限りは,師を「先生」と呼び,無条件に慕い,師から,時に師が身につけている以上のことを学ぶものなのである.
我々,教員はその種の幻想を売って商売にしているわけである.なんともいい身分ではないかと常々思う.
この世の仕事の大半は,自分の尊厳を切り売りして生業としているのである.前途ある若者たちに持ち上げられるのが仕事なんて名誉なことではないか.
大多数でなくても,世の中には無条件で味方になってくれる他人の一人や二人いても罰は当たらないであろう.
なんて考えているので,私は基本,学生さんにはなるべく無条件で味方になり,頼みは断らないようにする主義にしている.
他はけっこうちゃらんぽらんなので(妙に真面目にするのは嫌いだし),せめてどこかは筋を通す所があってもいいのではないかと,そう思う.教員は信用していなくても,学生は信用していてもいいだろう.
そんなこんななので,歪んだ正義感だと思うのだけれど,この放火犯には,一片の同情もないし,人権がどうのとかいう話には耳も貸したくない.さっさと処分するか,収監して二度と娑婆には出さないで欲しいと祈るばかりである.痴話喧嘩が元で,うちの学生が死にかけたのである.私は絶対に許さない.
余談ですが,この学生さんに怪我はなく,一応,すぐに大学にも来られるみたいなので,今はだいぶ落ち着いています.でも,愉快な話では全然ないですよね.

2010/11/29

雪の中の運転

えと,ニュースでもやっていたのではないかと思いますが,北海道は雪に包まれました.

というわけで,第2の職場の北海道大学の様子.まだ,夕方の5時前ですが,もう暗い.

そんな状況になりましたが,仕事後はジムに行くためにこの雪の中を車で運転したわけです.

以前に2度ほど雪の中を運転したことはあるのですが,正直,大阪での降雪とたいした差があるわけでもなかったので,なんてことはなかったのですが,今日はさすがに地面も凍り,ところどころでアイスバーンが見受けられる本格的な北国の雪.

油断して運転するわけにはいきません.

なんて覚悟していったのですが,危険は感じませんでした.恐らく石橋さんところのGZというスタッドレスタイヤの性能がよかったのと,フォルクスワーゲンの走行性能のおかげでしょうか.

ゴルフは,その静粛性と(本当に静かです.スピーカーの音質もいいし),高速の安定性,そんでもって加速の良さをずっと体験していて,

「こりゃ,次の車もワーゲンだな.今の車も,10万キロ以上乗るつもりなんだけど」

と思っていたのだけれど,雪道の走行性能も確認して,とにかくここの会社は「走る」ということを真摯に分析して,本気で開発に取り組んできたのだなと感心させられます.伊達に本国のドイツだけではなく,雪と寒さの厳しい北欧での売り上げが高いわけではない.

それと,エアコン等の効きも非常によろしくて凄く快適です.事故に遭った時の安全対策も含め,ちょっと最近の国産じゃ,買う気になれない(ホンダもシビックの販売を日本でやめるらしいし,ホンダは金輪際,私の車の選択肢に乗ることはないのではないか).

雪道の運転ですが,走行車線とか意味をなさないくらい,なぁんにも見えなくなっていましたけど,こと車の運転にかけては「バカ」としか形容のしようのない北海道民のみなさんも,ゆっくりの安全運転だったので,周囲に合わせて運転していれば特に間違いはないような気がします.

後は,自分と車の能力を過信しないで,余裕を持って運転することかな.

2010/11/28

L'Arc~en~Cielと牡蠣のペペロンチーノ

邦楽では,実はラルクアンシエルが好きで,Duneのインディーズ版のアルバムも持っている程,昔からのけっこうコアなファンなのだけれど.



ラルク好きというと,当時はかなり異端で,高校の時にどんなバンド or 歌手が好きかとかいう話をしていたときに

「ラルクアンシエル」

と答えると,

「それって,どうやって書くの?」

と言われるので,

「L'Arc~en~Ciel」と書いて,

「えー,全然読めない.どういう意味?」

「フランス語で虹っていう意味らしいよ」

という会話をやっていて,イマイチ市民権を得られないでいました.

興味があるとかいう人には,アルバムなんかを貸したりしたのだけれど,当時は,所謂「ビジュアル系バンド(リーダーのtetsuは認めたくないらしいが)」だったので,女の子にはその風貌が

「気持ち悪い」

と専らの評判でした.

当時は(てか,今もたいして変わらんと思うが)私はけっこう「変わり者」と思われていた節があったので,多分,変な人が変なバンドの変わった曲を好んでいるみたいといったような認識を持たれていたような気もするのだけれど,時代は変わりましたね.別に,今,日本で「ラルク好き」と言っても全然珍しくないだろうし,それにフランスはじめ海外でも人気バンドになっちゃったってんだから,世の中分からんもんです.今の若い人たちに,初登場のラルクがミュージックステーションでぞんざいな扱いを受けていたなんて,言っても信じられないだろうな.

ということを,ちょっと今日はiPodに入れたDuneをシャッフルしながら車を運転していた時に考えていました.音楽って記憶が蓄積されるんですよね.最近は,BBCのWorld Newsばっかり聞いてましたけど.

えと,今日は久々(というか,bloggerに引っ越してきてからは初めてか?)にちょっとしたレシピを紹介します.

冬には重宝する牡蠣のペペロンチーノ.辛口の白ワインと相性がいいかと思います.

1. ニンニクを細かくすりつぶして,オリーブオイルを引いたフライパンに入れ,弱火できつね色になるまで焼きます.

2. 塩を加えた鍋で,パスタを煮ます.(たぶん,フェデリーニが一番いいかと思います)

3. ニンニクの入ったフライパンに牡蠣,赤唐辛子,マッシュルームを入れ,岩塩を適量と大さじ一杯分の白ワインを加えます.

4. フライパンはかるく火が通ってきたところで止め,牡蠣を裏返します.

5. パスタがゆであがる30秒前くらいになったところで,フライパンを加熱し,大さじ一杯ほどのエクストラバージンオリーブオイルを加え,茹で上がったパスタを混ぜてできあがり.

牡蠣は火を通さないと「当たる」のが怖いですが,かといって焼きすぎてもおいしくないので,火加減はかなり重要です.たぶん,両面を軽くフライパンが熱される程度に暖めるくらいがちょうどいい案配なのではないかと思います.好みで,仕上げに細かく刻んだ白髪ネギか水菜を載せてもいいと思いますが,今日は水菜を煮込みで全部使っちゃったので,こっちに残しておくの忘れていました.にゃは.

龍馬伝.最終回がよかったから,今までのは不問に付すか.

雪が降ってきました.外はだいぶ冷えてきた感じ.これから札幌も冬模様か.

2010/11/27

頭動かしてきた

えと,北海道ではめずらしいことなのだそうだけれど,ちょっとした言語学のワークショップに誘われていたので参加してきました.

木曜の午後と夕方からと,金曜の朝と夜という変則な時間帯だったのだけれど,けっこう楽しかったです.

うちの業界では有名人のセドリックとも会って,いろいろと喋ってきたのだけれど,向こうも私のことを知っていたみたいです.まぁ,実はちょっとemailのやりとりだけはしたことがあったのだけれど.

セドリックは,正直,言語分析の話で納得したことはないのだけれど,概念的な話はおもしろいですね.Linguistic Minimalismも興味深く読ませてもらったし,このまま概念的・抽象的な話でぶっ飛んでいただいて全然かまわないのではないかと思う.

本人はなんだかんだでハーバードに止まっていたかった(というか,ボストンにいたかった)みたいだけれど,新しい職場では研究だけしていればいいみたいで(事務とか教育とか何もしなくていいらしい)彼にはそういう環境が向いているのかなという気がしないでもない.どことなく,おとなしい感じだし.

それと,私見では,意外とチンクエの話がおもしろかったです.堅実な言語分析の話だったし,話してみると,けっこうわりきって記述やっている感じで,凄く好印象でした.人当たりもいいイタリアの好々爺だったし.

カートグラフィーだとか,すさまじい数の機能範疇とか言い出すのかな,と思っていたのだけれど,全然そんなことなくて,実にスマートな分析を話してくれました.やっぱり,地味な部分の力があってこそ,いろいろ好き勝手言えているのだな,と今更あほみたいな関心をしてしまいました.

それと,日本語学の話も刺激的というか,きちんと現象を捉えて分析している仕事は,やっぱり業界が違っていても受け入れやすいなと印象.

というわけで,概念的で大きな話と,地道で着実な言語分析という小さな話の両方をバランスよく聞いてきたので,頭がちゃんと活動してきたような感じです.職場の若くてかわいいお嬢ちゃんたちと喋るのも楽しいのだけれど,やっぱり頭は生きている間に使っておきたい.

関係者の皆様,ありがとうございました.それと,喉の調子が悪くて,喋りがおかしくてすみません.声が出るだけでも随分とましになったのだけれど.

2010/11/21

スポーツジムが潰れるっぽい

えと,ちょっと連絡をいただいたのだけれど,今,自分が行っているスポーツジムが近々潰れるっぽいのです.

はぁぁ.

3周年だとかこの前言っていたので,「経営はなんとかしばらくやっていけそうだな」という感覚はあったし,客はそれなりにいたし,スイミングやダンスなんかのお子様たちのスクールもけっこう繁盛していたので,ジム自体の経営は別に悪くなかったと思われます.

ただ,ハード面で問題があって,4階建ての慰労施設が1階から3階まであって,3階が天然温泉なんかがある施設で,4階がジムという構造で,ジムはその慰労施設に乗っかっているという感じの経営だったそうなのです.

それで,その施設の運営母体自体が,この施設の経営そのものを突然辞める決断を下したのだそうで,ハード施設がなくなってしまうスポーツジムも終了せざるをえない,とかいう話なのだそうで.

なんだかねぇ.

場所が家からも職場からも近いし,何より通勤経路の途中にあるし,200m近いランニングトラックがあって(最近,非常識なスピードでダッシュをやっていますけど),プールもけっこうきれいだし,檜の天然温泉ではとてもリラックスできるので,けっこう気に入っていたのですが.

まぁ,我々,消費者はセカンド・オプションといいますか,他にスポーツジムを探せばいいだけの話なので,それほど事は深刻ではないのだけれど,ここに勤めているスタッフには気の毒な話だと思いますね.

社員さんもバイトさんも,みなさん,気のいい人たちばっかりなので(やたらとちょっかいをかけてくるおねーさんも2人いるのだが),彼らが路頭に迷うのはなんともやりきれない感じがする.

学なんかはないのだろうけれど,仕事はちゃんとやっている風に見えたし,彼らがすぐに次の職場を見つけられればいいのですが.

しかし,まぁ,この施設の経営も本当にうまくいっていなかったのかどうか疑問である.

人であふれかえっているわけでは決してなかったけれど,閑古鳥が鳴いている雰囲気もなかったし,とんとんって感じだったんじゃないかって気がするのだけれど,何か新しいビジネスでも始めるつもりなのだろうか.

利益が出なければ,経営はやっていけないというのは重々承知なのだけれど,そこそこ利益の出ている業務があって,それによって地域の人たちに楽しんでもらって,ちゃんと働ける人たちがたくさんいるっていう状態は,むしろありがたいもんなんじゃないかと外部の人間が勝手なことを言ってみる.

単純な利益追求だけじゃなくて,いい雰囲気の職場を提供できる会社は,爆発的に利益を伸ばすことはないかもしれないけれど,コンスタントにその会社に利潤以上の物をもたらしてくれるもんなんじゃないかって思います.時代が違うかもしれないけれど,社員を大事にする気風で松下幸之助なんかは経営者として素晴らしい業績を残したわけだし.

しゃーないので,年明けからは別のジムに行ってみるか.(でも,ランニングトラックのあるジムってそんなにないみたいなんですよね.ルームランナーとか好きじゃないんだよな)

2010/11/20

評価される立場にあるということ

えと,今日は休日出勤でした.

所謂,入試ってやつですね.最近の私立大学の入試では,青田買いとでも申しましょうか,推薦でできるだけたくさんの学生を囲っておこうというのがけっこう一般的になってしまいました.

この時期から入試までの追い込み期間で,どれだけ学生の学力が伸びるのかというポテンシャルを考えれば,この種の入試制度の弊害やいかばかりかと思うのだけれど,そんなことも言ってられんみたいですね.

文科省辺りが強制的に,入学定員の何パーセントまでしか推薦で取っちゃいかんとかいう規則を,リーダーシップを発揮して制定してくれると,非常にありがたいと思うのだけれど.(最近の大学生の学力低下問題とやらに,一石を投じられる政策になると思う)

この辺は,大学も企業の就職活動について,あまり文句を言えた立場ではないなと自戒の念を込めて考えてしまうところである.

そんなこんなで,いろいろと面倒くさかったのだけれど,壮絶な自己矛盾を平気で主張する,大学教員さんたちも楽な商売やな,とちょっと突き放した目線で見るような機会があったり.

それはまぁ,別にいいのだけれど,自分のことは棚に上げて,学生さんをバカにする態度ってのはいかがなものかと思う.

自分が公表して恥じることのない学歴・業績を挙げている,立派なindependent researcherならまだしも,外部から批判・批評されることをずっと拒み続けているような人たちが,よくもまぁ,こんなに自分のことを棚に上げて学生をこき下ろせるものだと感心してしまう.

全然,批判されることも,評価されることもなく,年々なんとなくやっていれば給料が上がって,地位も安泰で,教育者という名の下に好き勝手やっていった成れの果てってやつなのだろうか.

「先生,先生」と持ち上げられていれば,そりゃ気持ちのいいものだろうし,自分が評価される機会がないというのが気楽なもんだというのは,分かる.正直,ずっとそういう状態でいたいという気分がないわけでもない.

しかし,自分が独り立ちした研究者という立場を与えられている以上は,自分の業績は常に人目にさらされ,批評され,批判されるべきだと思われるし,自分で自分のことを「俺はえらい」と思った時点で,生きていく価値はなくなるのではないか,と私は単純にそう思う.

それより何より,今の自分の知識や能力程度で高評価され,持ち上げられることの方にこそ危惧を感じる.もっとはっきり言えば,「気持ち悪く」思える.

自分がこれまで会ってきた多くの優秀なlinguistsを目の前にして,「俺は凄い奴なんだぞ」と言える気概なんて私にはない.自分には,かろうじて自分が「たいしたことない(バカだ)」と認識することができる程度の知能があるというだけの話である.

もっといろんなことを知りたいし,もっと賢くなりたい.

こういう気持ちが自分の中にある間は,自分にも生きるだけの意味があるのだと思うし,そう思えないようになれば,研究者としては「ジ・エンド」であろう.第三者の目から見て,今の私程度の実力で満足している奴がいたとすれば,誠に見苦しい.

話を戻して.

自分が評価されうる立場だということを忘れ,学生さんを罵るような言動は,せめて自分に関しては強く戒め,今日のできごとは他山の石としたい.

まぁ,自分はどの段階の学生さんを相手にした時にも,頭ごなしに見下すようなマネは,今までもしてきたつもりはありませんけど.

「アホ,バカ,こんなこともできない(わからない)のか」といった発言だけは,一度もしたことはないです.

2010/11/19

早稲田大学 明治神宮野球大会初優勝

だそうですね.正直,知らなかったです.(春の大学野球選手権大会は3回優勝したことがあるらしいですが)

決勝の相手の東海大学は,春の大学野球選手権でも準優勝の実力校で,締まったなかなかいい試合だったと思います.

しかし,なんだかんだで「ハンカチ王子」こと,斎藤佑樹くんはいい投手ですね.

大学に行って「しょぼくなった」「たいしたことない」とかいうネガティブな評価もされるけど,なんてことはない.

六大学で通算31勝.防御率が1.77の奪三振数が323.今回の神宮大会でも3試合で失点1,防御率0.75なのである.数字的にも,大学野球界で歴代最高レベルの成績を収めている.これで文句を言われるということは,一流の証以外の何者でもない.周囲の求めるハードルが高過ぎるだけのことである.

まぁ,マスコミが必要以上に持ち上げるので,それを「気に入らない」と思う人がたくさん出てくるんでしょうね.その感覚はなんとなく分からないでもない.

他にもプロサッカー選手のデイヴィッド・ベッカムなんかも,マスコミが持ち上げすぎるので,アンチを増やしている典型例だと思うけれど,どちらもすばらしい選手なので,正当な評価をしてほしいなと思います.

話を戻して.

早稲田と東海大の試合を見て,まず印象に残ったのが,斎藤くんの度胸の良さ.

監督によって「用意された」ような舞台で,決勝戦,最終回,1点差というプレッシャーのかかる場面だったけれど,涼しい顔をして非常にクレバーな投球をしていたと思います.

打ち気にはやる打者の心理を読み,ボールになるスライダーを軸にきれいに空振りをとるし.

空振りを狙って取れるだけのキレがあるのももちろんだし,スライダーの前にストレートをアウトローに決めてあるのも効果的.これで,打者からすれば,「いつでもストライクゾーンで勝負ができる」という状況が頭に作られてしまう.

この心理状況を作らせられた時点で,斎藤くんの勝ち.アウトローの球がストレートに思えるので手を出さないといけなくなってしまうし,実際,そこでストライクが取れるのだから,追い込まれる前に山を張らないと反応できなくなってしまう.

斎藤くんは,「王子」だなんて言われるけれど,とんでもない.めちゃくちゃ強気で,凄いクレバーな投手ですよ.かわいらしい顔をしているけれど,定型的な天上天下唯我独尊男です.この手の性格は,ピッチャー向き.プレッシャーに強いタイプで,見ていて楽しい.

あとは,よく言われるけれど,体重移動がちょっとぎこちない感じで,手先でボールをコントロールしている感じなので(たぶん,右足の蹴りがちょっと弱くて,リストの使い方が不自然なくらいうまいせいだと思う),この部分が矯正できれば,プロでも十分やっていけるでしょうね.日本ハムではダルビッシュという球の速い変化球投手といういい見本があるので,いろいろ盗んで,いい投手になってほしいですね.札幌ドームは近くなので,来年はぜひとも生で観てみたいものですが.

早稲田であと目についたのは,二番手で登板した大石達也くん.もう,とにかくストレートがすばらしい.

「糸を引くような」という形容がぴったりとくる抜群にきれいな球筋のストレートは本当にほれぼれします.「達也」という名前は,タッチの上杉達也を連想してしまいますけど,たぶん,上杉達也が実在していたら,こういうストレートを投げていたのではないか,と想像力を膨らませてしまいます.西武ライオンズは先発として育てるみたいだけれど,抑えでいいんじゃないかな,と思います.まぁ,先発でもいいと思いますけど.

それと,こっちもピッチャー向きの性格で,「飄々と」しているタイプだそうですね.緊張とかしないで,いつもリラックスしている感じ.

まぁ,こういうわくわくさせてくれるような選手が出てきてくれるのは楽しみですね.後は,野手でもこういうのがたくさん出てきてくれると嬉しいのだけれど.

2010/11/15

オフィス

えと,今の私のオフィスの壁紙はこんな感じになっております.

ジェイムズ・ディーンの雰囲気もよろしいし,アインシュタインの名言が並べられてあるのもいい感じです.一言一言が実に深い.言葉に「重み」があって,軽っちい偽善さみたいなものがなくて清々しい.

今はソファを買おうかどうか悩み中.

ところで,日系BPコンサルティングが地域別にブランド力がある大学なるものを調査したらしいのですが.

北海道がなくて,残念なような安心したような気が...

2010/11/13

掃除

えと,ひっさしぶりのお休みなので,朝はちょっとのんびりとして,それから部屋を抜本的に掃除する.

え,英語学会って何のこと??ちょっと札幌離れたくない.

ちょっと長期出張が重なって,掃除サボり気味だったので,久々にやってなんかすっきりしました.

それで,壁にはオードリー・ヘプバーンのポスターを貼ってみた.(大学のオフィスにはアインシュタインとジェイムズ・ディーンのポスターを貼ってある)

この人って,本当かわいいですよね.なんか生ものの人間って感じじゃなくて,神が作った芸術作品って感じがする.

2010/11/12

タイヤを履き替えた

えと,今日からスタッドレスタイヤに履き替えました.フォルクスワーゲンの純正ホイールなのだけれど,これだとトレンドラインと区別つかないようになってしまいますよね.コンフォートラインの軽快なホイールはけっこう気に入っていたのだけれど.って,ワーゲン保持者か,車好きでもなければそんなとこ誰も気づかないと思いますけど.

これで,雪が降っても安心,なんだろうか...雪国での運転は初体験なので全然分からない.まー,なんとかなるだろう,と思いたい.
ついでに,授業に行く途中の北大キャンパスにて.ロサンゼルスに行っていた間に,北海道は紅葉もピークを終え,落葉が始まっていたのでした.
冬は鍋がおいしい季節ですけど,一人身じゃな.「この際,結婚するか」って,いったいどういう動機やねん!

あ,いや,やっぱり職場環境上なのでしょうか,しょっちゅう「なんで結婚しないんですか?」だとか,「いつ結婚するんですか?」だとかいう質問が次から次へと来るもので.

すんまへん.まだ,もうちょっと結婚は勘弁してください.

2010/11/11

意見の取捨選択

学生さんたちから,他の先生の授業への不満を耳にすることが多々あります.

まぁ,自分もどっかでいろいろ言われている可能性は否定できないわけですが.

うちは,資格がいろいろ取れるということもあって,厚労省からの圧力だのなんだのがたくさんあって,確かに授業数は多い感じです.

漠然と授業数を増やせば,それで大学における教育水準が向上するとか考えている,脳みそ空っぽのお上と,そういったお上と連動しているマスコミさんの刷り込みで,授業にとりあえず参加しておけばいろいろ手取り足取り教えてもらえるとか思っている学生さんたちが増殖しているので,大学のアカデミズムの質の低下みたいなものは着実に進行している感じです.

大学生にもなれば,勉強なんてものは自分でして,授業なんてのはものを考えるきっかけでしかなく,教師の一言一句が誤りではないかと疑い,「教わる,教えてもらう」のではなく,同等の立場で議論し,あわよくばそれを乗り越えるとか,そういうことはないみたいです.少なくとも,うちのような中堅校レベルだと.(かと言って,旧帝大レベルではそうじゃないと断言できないような気もしますけど)

この手の,最近のよくある大学教員の愚痴めいた気分もないではないけれど,一方でなんだか,学生さんたちが「かわいそうだな」という気になることはけっこうあります.

正直に言って,自分だったらこんな授業まともに受けてられんな,という気分にさせられることが多々ある.

基本的に,自分のオフィスで何かやっていると,シングルトラックな私は自分の仕事以外はなぁんにも耳に入ってこないのだけれど,オフィスを出入りしたり,珈琲を入れていたりすると,オフィスの前の教室でやっている授業が聞こえてくるので,いろいろと考えさせられることになります.

『最近では,お年寄りが年齢を重ねることも発達と言います.発達とはいろんな場面で使われるんです』

だとかいう,政治の匂いを嗅ぎとれない発言だとか,

『こういった子育てのノウハウが積み重ねられて,私たちのDNAに受け継がれてきたんですね』

だとかいう,生物学・進化論の常識に真っ向から立ち向かう,獲得形質が遺伝するかのような発言や,

『ドイツで一番有名な収容所のアウシュビッツでは,いろんな悲劇が繰り返されてきたんです.あなたたちもちゃんと歴史に学ぶようにして,ドイツに行ったらアウシュビッツに行きなさい』

だとかいう,地理もへったくれもないお説教だとか.

まぁ,確かに私が理屈っぽくて,いろいろ細かい人間なのかもしれない.

しかし,知的能力と知識を商売道具にしている我々大学教員としては,知識の錬磨と情報の整理には細心の注意を払う義務があるのではないかと思うのである.

事実・データの吟味,そしてそれに基づく一般化・理論化は,全ての学問に共通する基礎体力であるはずである.

そして,それができないのであれば,大学教員としての基本的スキルがないわけであるから,さっさと辞表を書いて職を辞すべきであると思うのだが.

他にも,「小学生を相手にしているんじゃないのか,この人は」とか思わせられるようなこともけっこう多いのです.女子大だからなんだろうか.

そんなこんななので,学生さんたちには,

「一応,いろんな人の話だけは聞いておいて,自分が納得できる意見だけ心にとめておいたらいいんじゃない?」

と言っています.まぁ,いろいろ考えて悩むのもいい経験なんじゃないかと思いますけど.

それより何より,もうちょっと授業時間に余裕を持たせて,「あそび」の部分を大学教育にも導入できないものかと思います.なんでもかんでもギシギシ詰め込んで,

教訓・教育

なんてのを前面に押し出しても,柔軟でしなやかな思考能力は養成できないように思うし,いろんな人たちと,無目的に喋ったりすることも重要な経験だと私は思う.19世紀から20世紀にかけての多くの偉大な科学者や思想家は,パリのカフェでひたすら喋って,思考回路を刺激することによって,多大なアウトプットを出すこともできたわけだし.

上から下に押しつけられる座学なんて,程ほどでよろしい.

2010/11/09

ロサンゼルス写真館

学会途中だったのだけれど,Home coming dayというお祭りで,キャンパス内は賑やかでした.ちなみに,USCのアメフト部はこの日の試合では敗戦だったそうな.



地元の人たちに連れられて,とある有名な韓国料理レストランで.とてもおいしくて,野菜が多くてヘルシーで,10ドルちょっとですみます.すばらしい.一緒に行った韓国人の女性も,ロンドンの韓国料理はイマイチだけど,LAの韓国料理は素晴らしいと絶賛していた.


ハリウッドの中心街へ向かって歩く.さすがに道が大きいので距離が長い.車がないと本当に不便.


リトルトーキョーにも行ってみました.まぁ,日本製品を買いたいと思うほど長期滞在でもなかったのですが.


最後のホテルはこんな感じです.けっこうきれいで,こういうとこなら,新婚旅行に使ってもいいのではないか,と思います.って,別に結婚する予定はないですけど.


バスルームはこんな感じ.実際の物もなかなかきれい.


ホテルが吹き抜けになっているので,部屋の前はこんな感じなのです.夜中は涼しいので,ちょっと空を見ながらビールを飲んでみました.快適.


カリフォルニアで有名なバーガーショップ.In-n-out(イナナウトと発音します)にて.確かに客は多くて,繁盛していた.


まぁ,バーガーキングやマクドよりはおいしいと思いますけど,私にとっては「こんなもんか」って感じ.基本,ジャンクフードは食べない人間でして.


Hollywoodの文字が見えますかね?iPhoneだとちょっとズーム機能がないもので.って,アプリ入れてるんですけど,あんまり使わない.


どこまでも空は綺麗です.


ジョージ・クルーニーと手の大きさ比べ.さすがにジョージ・クルーニーの手は大きい.


意外とマット・デイモンの手は小さかったですね.もしかすると,背が低いのかもしれない.って,小さい人だとシンパシーを感じる悲しい性.


ゲイシャと言うと,やたらと妖艶なイメージがつきまとっているのですが,いったい何の店だったのでしょうか.開いてなかったので,入れなかったんですけど,やっぱりそれ系の店か??


UCLAの前にて.きれいなキャンパスです.


Bookstoreでファンキーなポスターを数点と,ちょっとほしかった本(FitchのEvolution of Language)を買ってきました.後で,アマゾンと値段を比較すると,ちょっと高かった.なんかショック.気楽に読める本なので,ベッドサイドにおいて,寝る前にウィスキーでも飲みながらゆっくり読むことにします.

帰宅

えと,大阪から帰ってきて,たった今の今まで息つく暇もなく仕事が山積みでした.

ちかれた.

まぁ,大阪では基本遊びほうけてきたので,文句は言えないんですけど.

半年ぶりの人たちとちょっとご飯食べてきて,翌朝にはキタを歩いて(いろいろ建設中の建物がありますね,今),はがくれで生醤油うどんを食べ,懐かしの阪急宝塚線で,今年3月に退官されたT先生と久々に再会し.

同窓会というか,うちの大学の学会でちょっと喋ってきましたけど,阪大も設備がきれいになりましたよね.こういうところで勉強できる学生さんたちは,恵まれているなと思います.

なんか,短期留学も簡単にできて,お金もたくさん出るようになったみたいだし,奨学金も成績が優秀なら返さなくてもいいとかいう制度になったそうだし.(私の世代はちょうど過渡期だったので,免除規定も何もなかった時なので,私は一切合切学生支援機構のお世話にはなっておりません)

それより何より,久々に恩師のK先生の話が聞けたのはよかったです.

古希のお祝いと,現在お勤めの大学の退官記念(来年の3月だけど)を兼ねていたので,まぁ,「行かないといけないかな」と思って行ったのだけれど.

K先生と言えば,知る人ぞ知る,永遠の「青年」って感じの人で,60歳前後でもめちゃくちゃお元気な人だったのだけれど,さすがに今はちょっと白髪も増え,髪の勢いもなくなり,肌も老いたか,と思わざるを得なかったのだけれど,いざ,トークを始めてみれば元気元気.

まるで水を得た魚のように,「シャキーン」といった雰囲気になり,ガンガン突っ走った講義を展開してくれました.

やっぱり,この先生はこうでなくてはいけない.

そんでもって,講演中に私にやたらとアイコンタクトを取ったり,同意を求めたり,いろいろちょっかいを出されたり,と学部時代を懐かしく思い出す瞬間も多々ありました.

そーいや,こんな感じの授業を受けてたな,学部時代.

もう10年以上前の話.いやはや.

人間,あんまり変わらんもんやな.

懇親会の後,石橋駅近くの学部1年の頃からの行きつけのバーにも顔を出す.マスターもけっこうなお年なのだけれど,けっこう元気で未だに若いガールフレンドを作っていらっしゃるらしい.

懐かしい.

久々に若い女の子の関西弁を聞いた時も,「懐かしい」「いいもんだな」と思ったのだけれど,なんだかんだで,今はなんか札幌に来ると「帰ってきた」という気分になりつつあります.

ま,当分,北の大地でゆっくりしていたいものですが.

2010/11/05

帰ってきた

ロサンゼルスのホテルから空港へは,シャトルバンで行く予定だった.

だった...

ピックアップの時間が10時40分から55分の間ということだったので,チェックアウトして,ホテルの前で40分過ぎから待っていたのだが,待てど暮らせど車は来ない.

...

時間は既に11時.

予約番号を確認し,ホテルの前でラップトップを開き,自分のシャトルのステータスを確認すると,

「48分に目的地到着.見つからなかったので,出発」

という記載があるのを目にする.

一応,電話でも問い合わせてみたのだけれど,

「予定通り目的地に到達した」

というメッセージが流れる.

...

無視していきやがった.

まぁ,推測するに,そんなメジャーホテルではなかったので,ディフォールトでシャトルバンの会社に登録されていたわけでもなかったし,ホテルの看板があまり大きくなく,ホテルの前の木で看板が多少見づらいという点もあったので(もちろん,一抹の不安を感じていたのだが),見つからなくて,さっさと無視して行ってしまったのであろう.

証拠が残るわけでもないので,ドライバーは「ちゃんと目的地に行った」と言い張るであろうというのは容易に想像がつく.海外なので,安い賃金ですませられるところでは,まともな人材がいるわけではないのである.

Your Responsibility

You can take risks

なんか,この手の言い回しって,ストレス感じるし,嫌になりますね.

しゃーないので,ホテルの受付のお姉さんに頼んで,タクシーを呼んでもらい,タクシーを待っている間に,Supershuttleという会社に,「金を返せ」というメールを送信しておく.(クレームの行き先に電話番号が表示されていなかったのが,また腹が立つのだが)

ホテルのお姉さんも私がチェックアウトした時間は分かっているし,何せ受付からガラス越しにホテルの玄関は見えているので,

「何も来なかったよね」

という証言というか,確認は取れている.

現時点で,まだSupershuttleとかいうゴミ会社から返信は来ていないが,クレジットカードの請求(前払いなのだ)を止めようかちょっと考え中.裁判になったら容易に勝てるのだけれど,何せ私が日本に帰っているので,何も出来ないで,クレジットカードに妙な傷をつけられたら,今後,アメリカに入国しづらくなるというのもジレンマである.

ちなみにSupershuttleとclaimとかreviewといった言葉をかけあわせてグーグル先生に問い合わせてみたのだけれど,評価は随分低いですね.やっぱり,安かろう,悪かろうのゴミ会社だったようである.

「空港からホテルへ行く分には使えるが,ホテルからのピックアップは期待できない.タクシーを使え」

というコメントがあったのに妙に納得.なんか,この手のトラブルはたくさんあるみたいだな.さっさとカードの請求を止めるのが吉か.こんなカス会社には1ドルだって払いたくない.まぁ,私も度量の狭い人間だなと思う.

てなわけで,出だしはちょっと困ったことになったけれど,

『ロサンゼルス→成田→羽田→新千歳→札幌』

というジャーニーを無事終了.翌朝は1限から授業で,午後に臨時の教授会があって,そこから別キャンパスに移動して,入試問題の校正をして,ジムに行ってから就寝.

気のせいか,まだ頭がフラフラするし,耳がなんか痛いし(ずっと乗り物の騒音の中だったので),今朝の夢もまだ英語だし,で旅が終わった感じがしないのですが,今日からちょっと大阪です.

というわけで,同窓生の方々,よろしくお願いいたします.

LAの他の写真は,また機を見てuploadしようかと.

2010/11/03

ビバリーヒルズ青春白書

えと,学会が無事に終了しました.

学会自体はよかったのだけれど,なんでアメリカって国は暖房も冷房もめいっぱい効かせてるんでしょうかね.みんな「寒い寒い」って言ってるのに,がんがん冷房がかかっていて寒い寒い.

私を個人的にご存じの人は,私が寒さにめっぽう強くて,シャツ1枚で過ごしているところを見ていらっしゃるので,「え,あの変態が?」と思われるかもしれませんが,そうです.その寒さにめっぽう強い私が「寒い」と言うのだから,事情は推して知るべしです.

普通に日陰に入ったら,涼しくて快適だってのにね.

学会と言えば,人といろいろ出会えるのが醍醐味の一つだと思うのだけれど,今回はけっこう目当てにしていたUSCの過激派で鳴らす先生(これだけで業界関係者にはすぐに分かるのが,すごいところですが)ともたくさん話せて楽しかったです.

ってか,なんか,「吸い付かれて,離れてくれない」ような状況と言った方が的確だったような気もしますが ^_^;

そんなこんなで,ちょっと三日間遊び過ぎていた勉強し過ぎていたので,ちょっと昨日は疲れてしまいました.

今の職場はけっこうのんびりとしていて,気楽でいいのだけれど,気がついていたら脳みその一部が糠味噌にでもなっていたんじゃないかってくらい,とろけていたのかもしれない.

まぁ,今回の鍛錬で糟が取れたのなら,よかったんじゃないかとも思うのですが.

最終日は観光日に当てていたのだけれど(何せ,日本では祝日だし),ちょっと朝はゆっくりして,インターネットで飛行機のチェックインを済ませ,そんでもってシャトルの手配をする.

市街地からロサンゼルスへは,移動手段の基本が車なので,タクシーかシャトルバンの相乗りが一番ポピュラーなんですね.シャトルは連絡しておけば,ホテルまで迎えにきてくれるし,だいたい20-30ドルで空港まで行けるので楽でいい.

学会期間中に泊まっていたホテルは,いわゆる「エコノミーホテル」で,泊まれればいいやって水準の所だったのだけれど,最終日はちょっと朝もゆっくりできるし(フライトは午後2時過ぎ),ということで,ウェストウッドのビバリーヒルズの外れにある中級ホテルにしてみました.

ちょっとお金を出してみると,待遇が随分と違いますね.設備がいろいろ綺麗で手はずが整っているので快適です.1泊160ドルなのだけれど,アメリカなので,基本2人分でもこの値段ということを考えれば,パートナー連れの旅行だとこれぐらいのホテルでちょうどいいのではないかと思います.

ウェストウッドからハリウッドは距離的には近くて,車があればUniversal Studiosにも30分もかからないで行けるのだけれど,バスだと乗り継ぎやら何やらで何かと大変ですね.結局,ハリウッド中心街に午後1時前に着いちゃったので,Universal Studiosまで行くのは諦める.

まぁ,テーマパークなんてのは,自分が楽しむと言うよりは,一緒に行っている人が楽しそうにしているのを見て楽しむって感じなので,別に行かなくてもいいんですけど.

あ,その割には「ジェットコースターに乗れないのはなんでですか?」だとか,「観覧車に乗るのに長時間の説得を要するのはなんでですか?」とかいった質問はやめてください.もう,ほんと無理なんです.勘弁してください.

高いとこきらい.

そんなこんなで,なんか時差含めいろいろアメリカモードに体がセッティングされてしまいましたが,今から日本に帰ります.

成田に行って,羽田に行って,新千歳に行って,札幌に行って.

長い旅路だわ.

そんでもって,週末はまたまたお出かけ.気が重い.

2010/10/29

サンタモニカ

時差ぼけのせいか,朝の5時に起きる.

これ以上,寝られない.

てなわけで,シャワーを浴びて,仕事にとりかかる.

10時まで急ぎの用事をいろいろとして,発表のデモもしてみたのだけれど,5分オーバーするような配分.本番では多少早口になったとしても,ちょっとオーバーするかな.ま,早く終わりすぎるよりはいいや.ライブなんてのは生ものだし.

地球の迷い方を見て,なかなかおいしそうなカフェもあるし,ということで,今日はサンタモニカまで行ってから,途中いろいろ寄り道して帰ってこようというプランを立ててみたのだけれど,けっこう楽しかったです.ロサンゼルスって,正直,ダウンタウンは見栄えがしなくて,

「なんだ,この街,おもしろくない」

とか思っていたのだけれど,近辺の方が活気があって,明るくて,ファンキーでいいですね.こりゃ,人を惹きつけるわ,と妙に説得された感じです.

ただ,とても魅力的な街なのだけれど,車がないときついですね.移動の手段が限られていると,行ける場所も限られてしまう.公共交通時間だとやっぱり時間がかかってしまうし.今度来ることがあれば,サンタモニカビーチの近辺のホテルを抑えて,レンタカーを借りた方がいいかと思う.できたらクーペかオープンのスポーツカーの方がいいかもしれない.日差しが気持ちいいので,なんか普通の乗用車だともったいない気がしてしまうのである.

最高気温が30度だってのに,こんなに快適なんだ,とちょっとびっくりしてしまいます.日差しの下のUCLAキャンパスも大きくて綺麗でした.

なんか妙に惹かれたので,ハックルベリーカフェ (http://www.huckleberrycafe.com/index.html)かいうのに行ってきました.すごくきれいで,おいしかったです.なんかサンフランシスコの人気ベーカリーで修行してきた人がオーナーなのだそうで.カプチーノは絵が描いてあるのも楽しいし,豆乳とチョコを混ぜて作ってもらった泡がきめ細かくてすごく気に入りました.ケーキはパンプキンで,アメリカですけど,甘さ控えめでびっくりするくらいおいしかった.
 草食系(?)男子としては,ご飯はこういうのが好みです.サラダも有機野菜のセレクションなのだそうだけれど,すごく美味.赤ワインビネガーのドレッシングは酸味がきついのだけれど,ハニーローストしたナッツをまぶすとすごくすごく合うんですね.これはちょっと自分にとっても勉強になりました.帰国したら作ってみよう.
 カフェの前の風景.開放感があって,きれいな街です.
 椰子の木が並ぶ道.
 ちょっと歩いて,サンタモニカビーチまで散歩.
 ビーチも風が心地よくていいのだけれど,とにかく広くてでかいですね.この国は.
 自転車専用の道ってなかなか気持ちよさそうです.ローラーブレードでもいいのだけれど.海岸沿いの家は監視カメラ付きで,なんか金持ちばっかりがいてそうな感じです.
この並びのホテルとか,中級ばっかりだけど,なんか雰囲気よくていいです.夜風とか気持ちいいんだろな.
 ショッピングモールなんかもあります.ちょっと服は秋物系しか持ってきてなかったので,バナナリパブリックで運良く処分セール対象だったシャツを2枚と,短パン1枚を買いました.なんせこっちは,25~30度近くなもので.
 中は吹き抜けを利用してあるんですね.そりゃ,こんなきれいな空があるんだから見えないとちょっとつまらないですね.雪の降る札幌じゃないんだから.
 ここは,The Grobeというショッピングモール.Farmers Marketとの並びにあります.小さなスプーン(こっちで使う.スーパーで買った物をホテルで食べられるので)と,シェーカーを買ってみました.円高なもので,物を買うのに勇気がいらない.安い.

2010/10/28

Welcome to the hotel California

えと,というわけで,ロサンゼルスに来ています.空が綺麗で,日差しがまぶしい.家を出たときは,雪の積もった中をスーツケース引きずっていたのに.

中央に噴水がある.なんかきれいな感じがしますけど,実際に見たらなんかそーでもない.
 作業机があるのはいいですね.無線もちゃんと飛んでるし,それに仕事しないといけない.
 ベッドはこんなんです.
行程の東京でも思いましたけど,大都市ってスカイスクレーパー多いですね.まぁ,ロンドンは違いましたけど.
 ワールドシリーズを見るために(?)さっさと夕食を済ませちゃいました.後ろで映っているのは長髪で分かるように,ティム・リンスカム.ここ2試合は疲れからか,球のキレがちょっとない感じですね.
 シーフードのグリルにリングイネがつく(with linguine)ってことで頼んだんだけど,ごっちゃにしてますね.さすが大味,大雑把なアメリカ.味はなんか懐かしい感じ.シアトルにいた頃を思い出すからか?
ところで,アメリカに入国するのに90日以内ならヴィザも何にもいらんはずだが?と高をくくっていたのですが,ESTAってので渡航認証を受けとかないといけなかったんですね.そんなこと全然知らなかったので,けっこう直前に処理したのでかなり焦りました.(ESTAって札幌駅前のショッピングモールかい!とローカルなネタでつっこんでやりたくなりました.これで私も立派な北海道民か?)14ドル取られるんですけど,なんかめんどっちいですな.まぁ,こうやってテロと戦っているという姿勢を見せることで,雇用も創出できるし,支持率もアップできるしいいことづくめなんでしょうか.そろそろオバマちゃんも中間選挙ありますけど.

めんどくさいと言えば,入国手続きもめんどくさいですね.あれやこれや根掘り葉掘り偉そうに聞かれるので,こっちもついついきつい口調になる.

「どうして言語学なんてやってるんだ?」

「おもしろいからだよ(他に何の理由があるってんだ?金にもならんのに)」

だとか,

「どうして学会で発表しなきゃいけないんだ?」

「研究者なんだからアウトプット出して当たり前だ(バカか,こいつは)」

という消耗するだけのやりとりをこなす.周りを見ていると,「ワタシ,エーゴ,ワカリマセン」といった感じのお兄ちゃん,お姉ちゃん,おばちゃん方がさっさと入れてもらえていたのを見て,ちょっとうらやましく思う.

私もそんな感じで「観光だ」ってやりたいんだけど,UKのエントリークリアランスがあって,航空券の敬称が「Dr」で,あちこちに入国履歴があって,アメリカにも長期滞在した記録があるんだから,そんな風に振る舞ったらかえって怪しまれますわな.まぁ,常識的に考えて諜報活動をするにはそれなりのことができないといけないので,仕方ないと言えば仕方ないのかもしれないけれど,なんか段々この国に来るのがめんどくさくなってくる.日本もあまり他国のことは言えた義理ではないのかもしれないけれど,閉塞感という空気が徐々に重々しくのしかかってきているような感じがしてしまう.

ところで,航空会社はシンガポール航空だったのだけれど,快適でした.それと,大学のオフィス用に買ったMacbook Proを買ったときに付いてきた(キャンペーンやってた)5代目のiPod nanoってけっこう重宝してます.飛行機内で,iTuneUも見られるし,コンパクトだし,要領おっきいし,ビデオも撮れる.

ちょっとまだ,頭がふらっとしてるな.

2010/10/27

初雪

えと,まだ10月なんですけど

もう,雪が積もってしまいました.

いきなりの雪で,タイヤを履き替える機会がなかったせいか,交通量も凄く減っています.

とうとう来たか,この時期が.

2010/10/24

スタッドレスタイヤを買う.女子大への幻想?

えと,なんか週間天気予報を見ていると,今週の火曜から雪降るらしいという情報を得たので,スタッドレスタイヤを購入しに行く.

とうとう来たか,この時期が.

実は雪道を車で走ったことは全くないので,今から戦々恐々としている.何せ,いろんな人たちに脅されているし.

スタッドレスは,おかげさまで随分と性能も向上した,というか1年単位で向上しているみたいですね.なんだかコンピュータ業界みたいな感じです.

一応,ネットなんかでいろいろと情報収集してみたのだけれど,やっぱり雪道装備ってのは命預けているわけだし,こんなところでケチっても仕方がない.自分や同乗者に怪我をさせる,ないしは命を落とさせるだとか,飛び出してきた歩行者を跳ねてしまうだとか,そういうリスクには前もってできるだけの準備はしておきたいものである.

通販で一番安いのを買って,ホイールとタイヤをうまく組み合わせて,自分でタイヤをはめてしまえば,ちゃんとしたタイヤでも8万程度で収まるみたいなのだけれど,何せ自分の車は外車なので,日本の規格と合わないという可能性もあるし,それに合わないホイールを買って金を溝に捨ててしまうのももったいないし,それにパチモンを掴まされてもかなわないな,と思ったので,札幌の平岸にあるディーラーさんまで行ってきました.

純正ホイール付きで,フォルクスワーゲンが推奨している(何せ,現在進行形でCMで流しっぱなし)ブリジストンのBlizzak Revo GZってのを買うことにしました.(今,一番性能がよくて,一番評価が高いみたいです.日本だけじゃなく)

もちろん,このタイヤはネット検索でもよく話題になっていたやつで,「これでいいか」と思っていたものなので,納得の提示.

気になるお値段は,ホイールとセットで締めて16万4000円.

高いですね.

でも,大学の同僚さんもやっぱり15, 16万円したって話だったので,想定の範囲内.

同じ純正ホイールのセットをネットでも出してますけど,やっぱり同価格ですね.純正じゃないやつで,やたら安い(10万切ってる)のもあるけど,大丈夫なのか?

相手はディーラーさんで,営業の人も感じのいい人だったし,来年の車検でもお世話になるだろうから,ということで,一応,いい態度は見せておきたい.

でも,うまく値切りたいところですよね.

というわけで,初めに,ちょっと勉強してもらって(たぶん,普通にしている程度だろうけど),そんでもって,

「あ,そういえば,冬用のワイパー(雪をかき分けられるやつ.2万円する)も購入したいんですよね」

と言って,結局,ワイパー分も差し引いてもらっちゃいました.

というわけで,ワイパーとスタッドレスのホイール付きのセットで締めて16万円.

悪くないか.

そんでもって,勤め先を聞かれたのだけれど,「やっぱりか」って感じ.なんかネタにされちゃうんですよね.北海道じゃお嬢様女子大で通っているので,仕方がないのかもしれませんが.

でも,正直に言いますけど,そんなどっかの小説だか空想だかみたいな世界ってありませんからね.

2010/10/23

卒業式は欠席

えと,せっかくPhD/DPhilを取ったのだけれど,卒業式は欠席することにしました.

仕事あるし,お金ないし...( ̄▽ ̄;)

出席しようがしまいが,ちょっとwebで手続きをしなければいけないのだけれど,ガウンってホンマいろんな種類ありますね.てか,学位の種類が凄いですが.(さすが階級社会)

http://www.york.ac.uk/students/studying/graduation/before/academic-dress/

ここまで,いろいろ大変でした.

2010/10/22

気を遣う

えと,ちょっと来週は海外なのだけれど,予約していたホテルの経営母体が変わったらしく,

「以前の経営母体を通して予約したホテルは,できる限り継続していく予定ですが,保証はできません.予約が取れているかは各自ご確認ください」

とかいうメールが来たので,仕方なく電話して予約の確認をする(email addressが分からなかった).何せ,日本じゃなく「Your responsibility」の世界なので,ちゃんと証拠の残る形で保証を取っておかないとめんどくさいことになる.

iPhoneアプリのスカイプを使ったのだけれど,便利ですね.私は家も大学のオフィスも無線を飛ばしているので,今後は気軽にスカイプできるということが分かっただけでも収穫でした.

ところで.

大学で,学生さんとお喋りをするのは珍しくないのだけれど,一応,自分の受け持ちの学生(授業を受講しているとか)相手にはけっこう気を遣います.

何せ,ある意味では教員の方が立場が下というのが昨今の大学業界なものですから.

「フツー,そんなん言わへんやろ」

ということなら別にどうってことないのですが,

「おいおいおい,こんなんもセクハラになるんかえ?そのうち言葉を発すれば全てセクハラと言われるんじゃないか」

なんて発言もあるので,ややこしいのです.

昨日,

「先生,見てください.髪型変えたんですよ.どうして何も言ってくれないんですか?」

とけっこう問い詰められたのだけれど,確か,たとえ高評価の言葉を述べても,髪型に関する発言をしただけでセクハラになるという話をどこかで聞いた記憶があったので,

「ごめんな.外見に関する発言はでけへんねん」

と言ってきました.(でも,髪型変えたアピールはこれが初めてじゃなくて,けっこうあるんですよね)

今,google先生に聞いてみたのだけれど,やっぱり,ありましたね.ここ.

http://matome.naver.jp/odai/2128435979099938301?page=3&viewCode=WP&grid=false

でも,セクハラの公理である

「当事者が不快感を感じればセクハラ」

という原則に則れば,髪型の変化に気づきながら,そのことについて言及しないという態度もセクハラ認定されるんじゃないかという話になる.論理的に考えればそうなるけれど.

どないせいと?

2010/10/20

気の利いた会話

「どんな女性が好きですか?」って聞かれることがある.

まぁ,男性であれ女性であれ一度は聞かれるような話題ですよね.できれば,ありきたりのものじゃなくて,ちょっと気の利いた返事を返したいなと思うわけだけれど.

今日,ちょっとアメリカ関連のことを調べていて,クリスアンヌというアメリカ人の女性のことを思い出していました.

bloggerに引っ越してくる前のブログには,写真付きで紹介したこともありますが,クリスアンヌは私がイギリスでコレッジにいた時のフラットメイトで,かわいくて,思いやりがあって,頭が良くて,自立心と向上心があって,いつも笑顔で穏やかな,どんな育て方をすればこんな人間が育つのだろう?と,思わず両親に会ってみたくなるような,そんな人でした.

彼女とは生活サイクルがよく一致するということで,朝食時,夕食時,そして就寝前と,よくキッチンで一緒になって,いろいろと会話していたのですが,そういえば,彼女との会話って楽しかったな,ということを覚えています.

人間的にできているというのもありましたが,修士の学生でちゃんと勉強しているということもあって,知的好奇心も旺盛だし,それに何より,気の利いた会話が出来ていたよなということがひたすら懐かしく感じられます.

就寝前に私がお酒を飲もうと,ウォッカ,ベルモット,それにレモン汁と氷を入れて,それを軽くかき混ぜながら,

「Vodka Martini」と言えば,

すかさず

「Shaken, Not Stirred」

と切り返してくれたり(注:007でJames Bondが使うキャッチフレーズみたいなもんです.まぁ,シェーカーがないので,ステアで飲んでいたわけですが),

ジンにライム果汁を搾って飲みながら,

「They don't know how to make gimlets here.」と言えば,

「A real gimlet is half gin and half Rose's Lime Juice and nothing else.(確か,実際にクリスアンヌが言った台詞はちょっと違ってて,「ちゃんと覚えられてないんだけど」って話をしていたのですけど)」

と返事してくれたり(注:Raymond ChandlerのThe Long Good-Byeが出典),とまぁ,風流が分かるというのでしょうか,気の利いた人だったと思います.

平安時代の貴族の恋愛において,気の利いた和歌の返答が出来る女性が好評だったようですが,その気持ちがなんとなく分かるような気がします.なんかね,気を利かした言い回しをしているのに,理解してもらえないと寂しいもんですよね.

「えー,わかんなーい」

なんて返事もらっても,別に楽しいとも何とも思わないし.

自分は,死の間際になっても,ジョークを言える余裕と,くだらないことで笑っていられる人間でありたいと思っています.

2010/10/18

ホームラン賞取ってきた

えと,時々バッティングセンターに通っているんですけど.

ホームラン賞取ってきました!

野球がしてぇ.

2010/10/15

噂話だよ

そんな話は嘘さ〜♪(参考映像)



って,なんか懐メロというか,服装が時代を感じさせますね.

えと,職場のオフィスなんですけど,セクハラ対策(?)のためにドアは基本的に開けています.部屋をいつも開けていると,怪しまれたときに否定の状況証拠として使えるらしいので.

まぁ,そのせいでたまに(しょっちゅう?)学生さんたちにちょっかいをかけられるんですけど.(暇なときなら,楽しくていいのですけれど)

そんなこんなでドアを開けているせいで,学生さんたちの噂話がダイレクトに聞こえてくることがけっこうあります.「ちったぁ気を遣えよ」と言いたいところなのですが,女の口に戸は立てられぬってやつなんでしょうか.(性差別発言か?)

何か仕事に没頭しているときは全然気にもならないんですけど,珈琲を入れてボケーッとしていると,さすがに何を言っているのかが聞こえてくることがあります.

例えば,今週なんぞは

「○○○(注:私のファーストネームが入る)って細いけど,腕太いし,脱いだら凄そうじゃない?」

だとか,

「関西弁...口説き文句...(注:この2つの単語しか聞こえなかった)」

とかいう声が聞こえてきたのだけれど,でも,私の名前はかなりありきたりだし,北海道にも関西出身の人は多いし,単なる思い込みというか,自意識過剰という可能性も大いにあり得るわけですよね.

うん,きっとそうだ.そうであってほしい.

そんでもって,今日なんぞは,ベールだとかオブラートなんかへったくれもない,グログロの下ネタトークを展開していらっしゃったんですけど.

ちょっと用事があって,下ネタトークを展開していらっしゃる中を通過しなければならなくなったのだけれど,そんなところで目が合って,

「あぁーん,先生,もう,やだー(猫なで声で)」

って言われても,とりつく島も何にもないですよね.

「これでも昔は純粋だったんですよー(再び猫なで声で)」

とか仰っていましたけど,

「ほぅでっか(竹内力の声で)」(再び参考映像)



って感じですよね.全く,女に対する幻想を抱く機会を打ち砕いてくれる奴らです.まぁ,別にどうでもいいんですけどって言いたいところなんですけど,せめて男の視線を躱す配慮くらいしていただきたいもので.

もし,私が三浦春馬くんのような風貌だったら,ちょっとは気を遣ってもらえていたのかな,と思わないでもない.

てなわけで,明日はうちの職場に三浦くんがやってくるそうです.1000人以上入る講堂でトークショーをやるらしいんだけど,チケットはなんと2時間で売り切れ.初めの方の列の人たちは始発電車に乗って来て,チケットの販売を待っていた程の人気なのだそうで.

トークショーの開始の瞬間だけでもちょっと覗いてみたいですね.地鳴りのような黄色い声援ってやつを一度生で聴いてみたい.

2010/10/11

尊敬される方法

って,発明されないんだろうか.

えっと,ちょっと学祭に参加してきました.

実は公開講座委員というものをやっておりまして,それが学園祭と共催なもので,午前中はそれのお仕事.

大学の地域貢献というものも重視されるようになってきたということで,都市開発を専門にしているM先生を中心にして,学部長,元副学長(うちは学長が神父さんなので,教員関連の人で一番上の地位になる)と私の4人でいろいろやってきました.

うちのキャンパスのある場所は,札幌と石狩の境目ということで,ちょうど石狩市の端っこに位置しています.

札幌とは違って,石狩市は存在自体もけっこう地味なので,華々しいというか人目を引くようなものもないのだけれど,まぁ,それでも探して見れば何かあるんじゃないかと.

探して見たところ,富山から移住してきた人たちが持ち込んできた望来の獅子舞というのが伝統行事として存在しているということが分かったので,地元テレビ局のいしかりテレビと,獅子舞の保存会の人たちの協力のおかげで,獅子舞の伝承についてのワークショップを開催することとなりました.

関係者なんかがけっこう来てくださったので,来場者はそこそこあったのだけれど,残念ながら女子大生の気を引くことはできなかったですね.正直,タイトルからしてあまり「キャッチー」じゃないなということは自覚していたのだけれど.

話題自体はわりと地味で,どうなるかと心配したのだけれど,コーディネイターのM先生が卓越した知識と話術で見事にまとめてくれました.

しかし,この先生は話の引き出しが広いし,話題の出し方も適切で,本当に刺激を受けました.

頭のいい人というのは,だいたいが,ある種のシステムの概要をぱっと頭の中に作ってしまえるので,話を2, 3聴くとだいたいどういうことを考えているかが分かるんですよね.

この種の先見性というか,知識の視界の広さを感じさせられると,凄い快感が得られる.話の糸口が,それこそ地平線へと続く大きな道路のように一本筋が通っている感じがするのである.

フォーラム後,ちょっとお茶をしながら長話をさせていただいたのだけれど,とても楽しかったです.またこの先生とは,新たな企画を立てていく予定なので,けっこう楽しみである.厚別辺りには昔からのアイヌの集落や,そこと交易する和人街なんかが安土桃山の時代からあったらしいので,その辺りを調査してみたり,アイヌ語の伝承や明治以後のアイヌと和人の融合なんかをやってみようかと,漠然とですが計画中です.なんか科研費が取れそうな企画だな.

話は戻って.

そんでもって,学祭モードに移ったのだけれど.

基本的には楽しかったですけれど,なんかいろいろやらされて大変でした.

うちには,幼児教育科があるので,子供たち向けの企画「どんぐり広場」ってのがあるんですけど,そこではいじり倒されました.

バイキンマンのお面や,ドラえもんのバッジ,装飾したヘアピン,様々なアニメキャラクターのメダルやブレスレットをつけられ.

10歳以上年下の女の子たちに,「○○○くーん(注:私のファーストネームが入る)」と呼ばれ,オモチャのごとき扱いを受けてきました.

学祭終了後.

そのどんぐり広場の片付けを手伝い,その後,大規模な力仕事に駆り出される.

サークルつながりで,近くのH海道工業大学の男の子たちが数人手伝ってくれたものの,それでも大多数のスタッフはもちろん女性なので,椅子やら机やらをたくさん運ぶのは大変なんですよね.

朝から仕事して,そんでもって昼は遊んでたので,体力的にも疲れていたのだけれど,どーにも断れなくて肉体労働をたくさんしてきました.

しっかし,こんな雑用させられる大学教員って,日本全国でどれくらいいるんだろう?日に日にうちの女子大生ちゃんたちの私への扱いがぞんざいになっていくような気がするのは気のせいなんだろうか.

開放されたのは午後の8時前.

そんでもって,終バスの都合があって帰れなくなった学生さん2人を手稲駅まで送ってから帰宅して,家ではフラフラ.腕に力が入らない.

翌日.やっぱりきたかの筋肉痛.(まだ2日後にくるということがないだけましか)

午前中はちょっと同僚の母親が亡くなられたので,葬式に参列してきました.

なんかいろいろあった連休でした.ちょっと今日はジムへ行くのやめとこ.

2010/10/07

年を感じる

見た目が若いとよく言われるのだが,中身は年食ったなぁと思うのは,やはり遠出をするのが面倒くさいと思うようになったことだろうか.

確か,初めて一人で遠出して,宿泊したのは受験で慶應を受けた時だったと思う.

もちろん,あの頃は遠出するというと,わくわくして仕方がなかった.

後は,大学4年で初めての海外,シアトルに行ったとき.そんでもって,冬休みにニューヨーク,春休みにメキシコに行って.

えらく元気だったな.

イギリスにいた頃も,ヨーロッパをあちこち動き回るのはもちろん楽しくて,目的地近辺をネットで散策するだけでも楽しかったのだけれど.

なんか今月と,来月と,再来月とあちこち行かなきゃいけないんですけど,なんか今から面倒くさいという思いが先に立つ.

来月のホテルを予約するのも億劫な感じです.まぁ,来週にはやります.勝手知った土地だからどうとでもなるという気分でいるのも本音なのだけれど.

北海道は10度から20度の間で,大変快適です.実は,北海道人は「寒い」とか言って,もうストーブを焚いているらしいんですけど.

北海道の人たちは環境に優しくない,って言おうとしてみたのだけれど,とうとうNASAも地球温暖化と人間活動との間に直接の関連はないって公式見解を発表しましたね.まぁ,この種の議論はいろいろとあって,最近の入試問題では,地球温暖化はサイクルの問題だとする見解を紹介する題材も英語でとりあげられていました.(阪大と神戸大)

私もエコ商売には懐疑的なんだけれど,省エネの電化製品,燃費のいい車,それとゴミが減る方向性は評価していいんじゃないかって思ってます.

そんなこんなで,今週末は学祭です.「先生,来てくださいね」と今からいろいろ誘ってもらっているので,なんか自分がモテるんじゃないかと錯覚できるいい機会なのではないかと思います.

2010/10/03

すすきのを歩く

えと,ちょっとすすきのにある韓国料理専門店に行って参りました.

基本,豚の焼き肉系が専門で,脂を落とすために斜めに設定してある鉄板なんかがあって,なかなか興味深かったです.

カリカリに焼いた豚肉を,焼いたキムチや,レタスや白ネギを細かく切ったのやらキャベツやらで包んで食べるんですけど,すごくおいしかったです.

ただ,韓国系の料理の宿命と言いますか,ニンニクとネギを食べまくったので,翌日もなんか口臭が残っている雰囲気がする...( ̄▽ ̄;)

オーラルケアはこまめにしておかないとあきませんにゃ.

二軒目ではスパニッシュバーを狙っていたのですが,ちょっと人気過ぎて入れませんでした.とってもいい感じの店なんですけどね.

ということで,ホテルのバーでワインなんかを飲んでいたんだけど,よく考えればグラスワイン程度で1000円するなんて高いですよね.学生時分にはこんなところに入るのにはけっこう気合いが必要で(それでもたまに行っていたのだが),阪大の下にある石橋のオルガンの300円カクテルを飲んでいましたけど,なんかそれなりに金持ちにはなったんだろうか.

実感はないのだけれど.(って,車を買っているというだけでも十分,証左にはなるな)

ていうか,夜遅くまで飲むと,翌日に疲れが残る気がする.

これが老いというものか...

2010/10/02

謝られなれてない

えと,ちょっと北大さんとこで,事務の手続き上,やんなきゃいけないことをやってくれていなかったので,1ヶ月程不便することになっちゃいました.

なぜか,本件と関係ない,窓口の若いお姉さんに恐縮して謝られたのだけれど,何も自分に非はないのに,そんなに申し訳ないという態度を取られても,とか思う.

てなわけで,お姉さんにはやたらと愛想良く,「いえいえ,あなたには関係のないことですから」と愛嬌を振りまいておく.

阪大でも慣れていたことだけれど,国立大学の事務の仕事に最初からそれほど期待していないというのもあるし,それに「いい加減,適当」で慣らすイギリス生活が長かったので,なんかこの手のトラブル対処にも慣れたような気がする.

とりあえずやっておかなければならないことは,

「責任のありかの確認を,感情を出さないでやっておく」

こと.

「てめぇ,コラ!」と怒鳴っておいたら,感情的にすっきりするのはよく分かるのだけれど(認めたくないけど,この手の人たちは大学教員に多いみたいです.すまない),そんなことをしても自分の一時の気が紛れるだけの話で,今後の仕事に「しこり」が残るだけの話でよろしくない.

機械的に,「私はやるべきことをやっておきましたよね?」ということを確認しておいて,それによっていかなる不利益が自分にもたらされるのかということを「困ったなぁ」という感じで淡々と説明し,急いでやっておいてねということを柔らかく依頼しておく,と.

人間,怒鳴ってくる相手には自分に非があっても反感を持つものだし,理性的に冷静に頼まれると,挽回しようとして必死に仕事をしようとするもんだと思う.それで,お互いに仕事がやりやすい雰囲気ができるなら安いもんだと思う.感情にまかせてもいいことってのはあんまりない.

てなことを午前中に考えていて,さらに夕方.

オフィス用に買っていた時計がどうにも調子が悪いので,保証書を持って修理に出かける.

行った先でもやたらと謝られたのだけれど,でも,悪いのは不良品を作ったメーカーさんであって受付のお姉さんではない.

なんだか日本にいるとよく謝られるので,恐縮してしまう.「いえいえ,そんな謝らなくても」って,帰国してからよく言っているような気がする.立場が弱い若い人(男女問わず)に怒鳴るようなことなんて,そんなことしませんがな.

iTunesの不正請求

なんか,iTunes Storeに登録していないmail addressになりすましと見られる請求書が届いた.

billing addressも違うし,credit cardの番号も書かれておらず,単に「Your Credit」と記載してあるだけである.

ちょっとあやしかったので,ハイパーリンクも見てみると,全然つながらないサイトのアドレスが登録されてある.

さっぱり分からない.

一応,不正請求はないかクレジットカードも調べ,iTunes accountの購入履歴も調べてみたけれど,特に不正請求が行われたとかそういう形跡はない.

また後日調べてみるけれど,フィッシングなんだか,アップルへの攻撃なんだかよく分からない.

てか,変に早く寝たので,こんな時間に起きてしまった...