2010/08/13

頭が痛い

異性意識は年長児から・見た目も大切...「初恋」研究より

『だれもが経験し、心の奥にしまい込んでいるもの。山口芸術短大(山口市)の中尾達馬准教授(発達心理学)が、「初恋」をテーマにしたユニークな調査研究をまとめた。アンケートで、幼児期に約半分の人が初恋を体験し、好きになる相手は「見た目」も大事――との結果が出たという。文学的なテーマや映画にも取り上げられてきた初恋。あなたはいつ、どんな人を好きになりましたか?

 調査は2007年11月から1カ月間行い、今年春、学内の研究紀要に「初恋についての探索的研究」として結果を載せた。山口県内の幼稚園の男女年中児計32人と年長児の計29人を、中尾准教授のゼミ生が個別面談。同短大1年の女子学生110人にもアンケートした。

 園児の個別面談では、まず「好きな子いる?」と質問。年中児27人、年長児28人と、いずれも大半が「いる」と答えた。「誰が好き?」と聞くと、年中児では27人中25人が同性の名前を挙げたのに対して、年長児は半数以上の16人が異性を挙げたという。

 一方、短大生には初恋の時期を選択式で質問。約半数の57人が「幼稚園・保育所」、49人が「小学校」と答えた。中尾准教授は「幼児期の初恋の出現率は約50%。年中児では少数だが、年長児になると上昇する」とみている。

 では、初恋相手のどこが好きなのか――。「好きな子」に異性を挙げた園児と、幼稚園・保育所と小学校で初恋をしたと答えた短大生を対象に、初恋の「ウラ側」も探ってみた。

 園児では、格好いい、かわいい、顔がいいなど「容姿」を挙げた子どもが35%でトップ。家が近い、通園バスが一緒などの「近接性」が21%で続く。短大生の初恋の決め手も「容姿」が33%で最も多く、「優しさ」(19%)や「近接性」(11%)を引き離した。他に「運動神経」(10%)、「面白さ」(8%)といった理由もあった。

また、園児の調査を詳しく見ると、男児では年中児は相手の「容姿」を重視する傾向がみられたが、年長児は「分からない」と答える子が多かった。女児の場合、年中児は「面白さ」を重視するが、年長児になると「容姿」を選ぶ傾向があった。

 今回の調査は、ゼミ生が幼稚園に実習に行った際、園児が「好き」「結婚したい」と口にしていることに関心を持ったのがきっかけという。中尾准教授によると、大人の恋愛についての研究は数多くあるが、幼児期の初恋をテーマにしたものは少なく、日本心理学会で発表し、おもしろがられたという。

 中尾准教授は「見た目重視という結果は大人の恋愛とも似ていてシビアだった」と苦笑。自分の初恋も5歳だったと打ち明けるが、今後は年中児から年長児になると、急に異性に恋心をいだくワケを探りたいと思っている。』

「単にアンケートをとっただけの調査を『研究』って,あーた」ってつっこんでみたくもなりますが,なんだ「短大の先生か」とか,なんだ「発達心理」の専門か,とかいう差別意識が自分の中にあることに気づく.

でも,これと同じレベルのものを「調査」と称して東大がやっていたら,きっとバッシングをする人は多いのではないかと思う.やはり組織の人間は所属組織という看板を背負っているのだから,それなりに責任というものがあるはずである.

それで,自分の組織に目を向けてみたのですが.

えと,うちの大学の4年生さんたちが,卒業研究ということで,なにやらいろいろと調査しているのです.

それで,私もアンケートなんかの協力を頼まれたり,ちょっとした相談にのったりすることがあるんですね.

テーマは,雪国にいない人の雪に対する感覚,ディズニーについて,相談できる人はいるか,結婚について,子供の頃なりたかった職業etc etc

やっていることといえば,アンケートを集計して,それをまとめて報告.

データの切り方,集め方,分析,統計処理,仮説検証,その他,「リサーチ」の基本みたいなものが決定的に抜けていて,単に

「アンケート集めてきました.そんでもって,こんなことが分かりました」

という報告をするだけのことを「調査」だとか,「研究」だとか思っているみたいなので,データの切り方の基本だとか,因果関係の検証だとか,ごくごく当たり前のことはちゃんとやっておきなよ,みたいなことを一から言わなきゃいけないことが多かったので,ちょっと一部の先生と「ダメですね」という話題で先週,おしゃべりしていたんですけど.

それこそ,こんないい加減な調査を許容していたら,

「児童虐待やネグレクトをする親の90%以上がパンを食べていたことが分かりました,ここから,パンは親を無責任なものに変えてしまう悪しき食べ物であるという結論が導けます」

なんとかいう,とんでも理論が出てきそうなので笑っていられません.

うちは一応,まだちゃんとした大学だし,何しろ4年生大学なので,卒業研究くらいはやっぱりそれなりに光る部分があるものを残してほしいなぁと思うわけです.

でも,よく考えてみると.

同じ学部の中でも学科,というか専門ごとに違うんですけど,この手のリサーチスキルの基礎をちゃんと教える学科もある一方で,一応,私の所属している(正直,私は組織の関係上所属している,という以上の意味がない教員なんですけど)学科はこの手の基礎をたたき込む機会がありません.

カリキュラムを変えて,基礎を取り込むようにしたいと考えている教員は少ないながらもいるのだけれど,何せ,資格・免許を授与させる必要があって,厚労省が「あれも入れて,これも入れて,あれもやりなさいetc etc」とド厳しい縛りを入れてきて,カリキュラムに柔軟性を持たせられないので,制度上,どうしようもない状態です.

「こころの教育をたくさん大学で学べば,こころの豊かな幼稚園教諭や保育士が育ち,親もこころが豊かになり,明るい未来が開ける」

あぁ,もううんざりだ.「こころの教育」だとか,「こころ」と平仮名で書かれるとぶっ壊したくなってくる.

「豊かな人間性,にんげんってすばらしい,子供ってすごい」

と,内容のない発言をひたすらリピートすることに何の意義があるのかさっぱり分からないが,言霊の精神みたいなもんがあるんでしょうね.そんなもん,アカデミズムの世界に持ち込んでくるなよ,と声を大にして言ってやりたいのですが.

そういうわけで,制度上,リサーチの基礎をトレーニングする機会を与えられないし,うちの学科は短大上がりで,やはり実習関係など,実地専門の教員が多く(短大を出て,幼稚園教諭,それから大学へ就職,というルートが多い),また芸術関係など一芸専門の教員も抱えているので,正直なところ,学生さんたちにリサーチというものを考えてもらう機会が提供できないでいます.

ただの短大で,免許だけ出せばいいやってところならこういうのでもいいのだろうけど,四大なのだから,実習と理論をバランスよく学べる環境を作れればいいんですけど.

上下のレベルが激しいのは事実ですが,優秀な学生さんたちはそれなりにいるので,何か残念だな,と思います.

0 件のコメント:

コメントを投稿