2010/09/08

語学カリキュラムの構築

えと,単なる新米教員に過ぎないはずなのだけれど,実は大学の語学教育のカリキュラム構築のチーフをやっとります.

実は全権を握っていたりする.プレッシャー.

正直,大学における外国語教育というのはなかなか難しいところがある.

それなりの水準にある外国語学部や英文学科の人たちは,何も悩まずともオーケー.(そーいや,OKの語源って分かってないそうですね)

専門科目の足腰になる鍛錬だし,学生もそれなりに意識がある人たちが集まっているので,どんどんぶっぱはなしていけばよろしいのである.

問題は中堅に当たる,普通の大学で,外国語学部とは関連がないような多くの大学である.

ここはちょうどボリュームゾーンに当たるわけだし,教員の裁量でどうとでも転ぶ可能性があるわけである.責任は重大である.

まずもって,語学の授業を受講する学生の気分になってみたい.

正直,語学と教養は

「楽して単位取れればそれでいいや」

というのが,偽らざる本音であろうと思われる.

私自身も,大学生の時の語学授業に対する期待はそんなところであった.

実はフランス語の教員陣にはけっこういい印象があるのだが(特にいつも笑顔のM藤先生と,渋い雰囲気のK村先生は文法関連の解説もうまく,なかなか楽しめたし,ためになった),英語の印象というのがあまりない.

せいぜい,デッカというネイティブの先生の授業が楽だけど,時々興味深い話も交えてあって楽しみだったということくらい.後は,眠気を誘う口調で適当に喋ってた人たちが多かったということ.あ,でもジェリーの授業もよかったな.

そんなこんなで,学生の気分に合わせて適当にやってればいいじゃないかと思う反面,やっぱり勉強した人たちにはそれなりに見返りがあって,受講者には,「やってよかったな」と後で思えるようなこともやりたいなというのがプロとして譲れない線でもある.

というわけで,今のところ,自分なりにやっているのはこんな感じの授業である.

・予習は前提としない:基本,準備などしてこない(これない)ことが多いわけだし,授業時間もそれなりに長いので演習の時間も取ってやればよいのである.

・演習に当たって,解答のヒントになるプリントを配布し,演習中に机間巡視をしながらアドバイスして回る:1対集団の形式とは違って,個人個人の能力が分かるし,それに経験上,女性は1対1で話をしたことがあるという人に好意的になって,心を開いてくれるという傾向があるように思う(今更ですけど,うちの勤務校は女子大ですねん).実際,授業中に話をした後で,オフィスに話をしに来る,作ったお菓子を持ってきてくれる,おみやげを持ってきてくれるとか,なんかそういうことはよくあります.

・チームを組んで発表させる:講読の授業なんかではできないけれど,「実用」や「コミュニケーション」と銘打った授業では簡単な資料をまとめさせて,分析させ,それで原稿を作ってもらって,発表してもらってます.やっぱり自分たちで作業をしている方が授業中も眠たくならないし,それに英語を使うという一番重要な作業ができる.それに「分析」という学問の足腰を養成することもできる.

・コンピュータの使用:1学期では2,3回程度だったのだけれど,2学期は本格的にやります.パワーポイント(もちろん私はキーノートの方が好きだが.個人的に一番使っているのはLaTeXのbeamerだけれど)で発表スライドを英語で作ってもらったり,サーバースペースに配置した教材を課題にする,とか.

パソコンを利用した英語教育は,CALL (Computer-Assisted Language Learning)といって,熱心な大学もけっこうあるのだけれど,うちはまだまだその水準ではありません.Listen to meのようなソフトウェアがあると,インストラクターもすることが少なくなって便利なのだけれど,その手の既存のソフトウェアはうちには全くない.というわけで,教材は著作権を侵害しないようにして,けっこう自作しています.podcastを使って,ランディ・パウシュのLast Lectureを切り貼りして,重要な箇所の字幕を作ってみたり,マイケル・サンデルのJusticeも加工したりしました.後は,Hot Potatesには凄くお世話になっています.CALLはうちでも,そして非常勤先の北大さんでも使用するので,どちらでも使えるような教材をちょこちょことため込んでやろうと思っています.この辺りは,コンピュータを使用できる利点をフルに活用してやりたい.

今後は抜本的な改革というのは難しいかもしれないけれど,カリキュラムにぐっと背骨を食い込ませるようなことはしていきたいなと思っています.

その手の会議は明後日.

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