2011/12/28

空気を読む能力

最近,「空気を読め」だとか,「コミュニケーション能力が重要」だの何だのと言われている.

ふと,この種の言葉を英語にどうやって翻訳したものかと悩んだのだが,いい訳語が思い当たらない.

少なくとも,communication skillsではないと思う.

英語圏の人たちがcommunication skillsと聞いて思い浮かべる能力と,「空気を読む能力」とは似て非なるものである.

間違いない(って,この言い回し古いんだけど...).

友人がいるので,多少複雑な気分だが,例えば,世の中を賑わしているオリンパスと東京電力という会社がある.

粉飾決算と,原発事故で一躍有名になってしまった会社であるが,この種の企業で要求される「空気を読む力」とはいったい何であろうか.

ケーススタディーとして,クビになったマイケル・ウッドフォード社長について考えてみよう.

彼は,自社の粉飾決算を発見し,それを会計事務会社に依頼して調査し,そして問題を解決しようと考えた.

これが原因で,「独断的な経営を行い,他の取締役との乖離が生じた」として解任されることとなってしまう.

単刀直入に言えば,彼は日本社会において決して犯してはいけない,空気を読まないという行為によって廃絶されてしまったわけである.

これが「和をもって貴しとなす」国の特徴である.

自社の問題点を発見しても,それに目を閉じ,臭いものに蓋をするという行為こそが日本という社会で求められるコミュニケーション能力なのである.

自分の所属組織に問題があるはずがないし,あってはならないのである.

問題が露見した後で,遡及的に

「どうして,あのとき,問題がわかっていたのに解決しようとなさらなかったのですか?」

と言われようが,そのことによって未来に渡って,自己の所属組織だけではなく周辺の人たちに甚大な被害が及ぼうがどうしようが,問題を解決しようという行動は取ってはいけないのである.

問題が生じれば,ひたすらに頭を下げ,75日ガマンし,禊ぎを済ませ,水に流せばそれで問題はなくなるとされるのが,この国の特徴なのである.

こういう風に考えれば,世間の人たちの言う「空気を読む能力」という言葉の意味も合点がいく.

要するに,所属組織に染まり,上司の命令には黙って従い,問題点などネガティブな要因を発見しないこと,または見つけても黙って見過ごすことのできる能力こそが「空気を読む能力」の本質なのである.

断言するが,ウッドフォード氏がオリンパスに復権できる可能性もなければ,原発の危険性を指摘していた学者や危機管理の必要性を説いた東電社員が陽の目を見る機会は今後もないであろう.

彼らは,関連会社だけに留まらず,日本に存在する全ての組織から和を乱すトラブルメーカーとしてブラックリストに名前が記載され,多くの支持を集めることもなく,後ろ指を指されながら生きていく不都合に耐えていかねばならない.

言うまでもなく,かような現状は雇用者からすれば非常に有利なことであり,「空気を読む能力」にオブラートが包まれ,さも肯定的なものとして今後の若い戦力が身に付けるべき能力として推奨されることは願ってもない話なのである.

こういう理由で,私は「空気を読め」という発言をする人間は信頼しないことにしている.

2011/12/27

美人の集まる大学

実は一般企業への就職活動というものを,ちょっとだけやったことがある.

2戦2勝.

と本人は思っている.

1つは学部時代に「商事」と呼ばれる某財閥系商社で,もう1つがイギリス留学前にやった某公共放送である.

前者は,4年の秋からアメリカに留学することになっていたので,秋入社可のところを記念みたいな感じで回って,後者は欧米のPhD課程に入れなければこのまま大学院をドロップアウトしようと思っていたので,修士終了後に回ってました.まぁ,前者は相談の上,辞退させてもらって,後者はシカゴからまず合格通知が来たので,最終の身体検査(実はここで落ちることもあるらしいので,「内定を取った」とは言い難い)前に辞退の連絡をさせてもらった.

Doctorを取ってくるということは,大学4年次にシアトルから帰ってきてから,自分の中では確定事項だったので,この予定を変更するつもりはなかったが,商社とテレビ局で働くのもそれなりに楽しそうだったとは思う.

まぁ,今でも大学教員という職業の方に魅力があるかなとは思いますが.

実は商社さんの方で「惜しいことをした」と思っているのが,受付のお姉さんとデートできなかったということ.

就職活動をする学生さんは,飲み物が常備してある控え室で待っているのだけれど,そこの受付のお姉さんが1次面接から最終までずっと一緒で,それで面接が立て続けに(たぶん,5日くらいで全部終わったような気がする)あったので,すっかり顔馴染みになってしまっていたのです.

普通,就活中の学生さんは緊張でガクガクって感じなのだけれど,どうもその手の緊張感を楽しむ節のある私は,受付のお姉さんと気楽にいろいろと喋っていたのである.

今,思い返してみても,随分ときれいな人で,年もたぶん20代半ばくらいだったのではないかと記憶するのだけれど,他にもこの商社さんの女性社員の顔面偏差値が高かったのは印象的です.

たぶん,きれいどころを集めているということもあるのかもしれないけれど.

しかし,この手の,知的でしかもきれい(「かわいい」ではない)な女性っていったいどこにこれだけいるのであろうか.

私の記憶が確かならば,阪大は基本的に童顔な女性が多くて,かわいい人はそれなりにいたような気がするのだけれど,「きれい」な人ってそんなにいなかったような気がする(この傾向は北大さんでも見られる).

とか言った手前,応援団の赤い口紅のお姉さんだとか,姉御肌のショートカットのお姉さんだとか,一般教養で一緒だった薬学の女の子2人とか,きれいな人もいたか.

まぁ,でも,数としては少ないわな.

関西で,「おしゃれ」な大学とか言うと,ついつい男の子がかっこいいetcの話になる傾向があって,美人が集まる大学ってあんまり話題にならないような気がする.

関東だと,上智や慶應にきれいな人が集まるイメージがあるのだけれど(そして,慶應は実際そうだったと思う.惜しいことをした←併願かけていたのだ).

関関同立など,私大ならきれいな女性もたくさんいるのか?と言われれば,特にそんな気もしないのだけれど(すまない.「かわいい」人はけっこういるような気がするんですけど,「きれいな」人ってあまりいないような気が).

もしかして,お嬢様系の女子大なんかに隠れているのであろうか.

しかし,自分の勤務校を考えてみても,かわいい学生さんはたくさんいると思うのだけれど,「おぉっ」と思うようなきれいな学生さんって,いたか??(まぁ,いない方が働く側としては健全でよいのですが).

思いつかん.

たんに自分が年を食って,若い女の子はみんなかわいく見えるようになってきたというだけのことなのかもしれん.

まぁ,いいか.

話を戻して.

それで,商事さんとこの女性とは,「内定を取ったらデートしてもらえませんか?」と言って,嘘か愛想か,OKをもらっていたのだけれど,ついぞ,会う機会を持てませんでした.電話番号聞いておけばよかったです.残念無念.

ちょっと思うのだけれど,女性って,顔馴染みになって,ある程度話が盛り上がってくるとガードが下がりますよね.

超絶イケメンが声をかけるとか,よっぽど暇だとか(街中の女子高生とか),旅先だとかそういうのでもなければ,初対面の男性にひょこひょことついていく確率は,それほど高くないのではないかと思う.

と考えれば,ナンパの成功率が低いのも頷ける(成功者はだいたい,数を打っている).

しかし,できれば,「これは」と思った人を確実に仕留めたいとか,そんなことを考えていた時期が私にもありました(遠い目).

店員さんとかはベタだし,だいたい,失敗したら次に店に行きにくくなるのでアウト.

となると,やはりここは電車の通勤・通学でよく一緒になるとかいうのが一番アリなところではあるまいか.

いつも電車で時刻と車両が同じの気になるあの人.

うむ.

間違いない(この言い回し,古い).

ドラマや映画でもよくある出会いのパターンだし(北の国からで蛍ちゃんがそうでしたね),それに無難である.万が一失敗しても,所詮,電車で乗り合わすだけの関係である.それに女性も,この種の劇的な出会いにロマンを求めている人は少なからずいるはずだ.

しかしながら.

この手の出会いというのもなかったですね.

地元の駅からの電車の本数はある程度決まっていたので,時刻も車両もけっこうパターンが決まっていたのだけれど.

まぁ,よく見かける会社員だとか,なぜかよく出くわす中学時代の同級生なんかはいましたけれど.

後は,せいぜい女子高生さんたちとたまに喋っていた程度か(注:私から声をかけたのではない).

今は,普通に自動車通勤ですから,こういうのはないですね.

というわけで,ちょっと昔の映画を観ていたら,昔のことを思い出すようになっていました.

さーて,仕事仕事.

2011/12/18

北の国のクリスマスストーリー

私はこの話を藤川綾花から聞いた.彼女は話の中で悪い役柄というわけではないのだが,自分の名が知れ渡るのは困るというので,本当の名前を使わないで欲しいと頼まれたのである.それ以外の,彼女が保育士を目指しているとか,早逝した姉がいたとかいったことは,概ね,彼女が私に語った通りである.

彼女は大学の2年生なので,知り合ってからおよそ1年半が過ぎたことになる.彼女は,教室内の学生の顔が認識できるようになってから考えれば美人という程度の容姿で,成績も1番や2番ということではないが,上・中・下の3分割をすれば間違いなく上に分類できるという程度の成績で,いつも教室の窓側の席から教壇を眺めている,優秀だがあまり印象に残らない学生である.

長い間,私は彼女のことはあまり気にとめてこなかった.単位認定に苦労するというわけでもなく,特別目立つわけでも,学内一の美人というわけでもない.ほうっておけばそつなく課題をこなしてくれる,教員からすれば手のかからない,ありがたい少女Aとでも言うべき存在であったからである.実を言うと,彼女の顔と名前が一致するには半年以上の月日を要した.その程度の認識であった.

だが,事態は急変することとなった.ある冬の吹雪の強い日の午後,空き教室にある「ババールとサンタクロース」という絵本を眺めていると,突然,彼女に話しかけられたのである.

「何を読んでいるんですか?」

私はふと読みかけのその絵本の手を止め,彼女の方に視線をやった.私は,この大学にいるきれいな学生の一人かとなんとなく思った.

正直に言えば,自分が受け持っているクラスに彼女がいたということを,その場で即座に思い出せなかったので,私はまた,関わりのない学生に話しかけられたのだと思った.この大学にいると,自分が知らない学生にふいに話しかけられることがよくある.

しかしながら,彼女が,私が現在授業で扱っているニューヨークのクリスマスに関する話を切り出したのを聞いて,ようやく自分が彼女を受け持っているということがわかったのである.

「先生の話を聞いて,ニューヨークに行きたいねってみんなで話をしていたんですよ」と,彼女は私の側に来て,私が手を取っていた絵本をじっと眺めていた.

ぞうのババールというシリーズは,私が幼少の頃に好きだった絵本で,幼稚園内にあったシリーズを読破したことがあったのである.そのことを,私はこの日までずっと思い出すことがなかったのだが,なんとなく懐かしくなってこの絵本をパラパラとめくっていたのである.

細部についての記憶はないが,ババールのフットワークの軽さと行動力はなんとなく覚えていた.彼女もこのシリーズが好きであるらしく,この日はそのまま絵本とお互いの幼少時の頃の他愛のない話をしてそのまま別れた.

それ以来,彼女と学内で顔を合わせることがあると,他愛のない会話を交わす学生の一人となった.今日は寒いねとか,今日転びそうになりましたとか,そういったことである.しかし,彼女がどういういきさつでぞうのババールのシリーズを好きになったのかということを知ったのは,つい先週のことである.それが,彼女が私に語ってくれたストーリーのテーマである.

その前の週のこと,北海道新聞のある女性が私のオフィスを訪ねてきて,クリスマスの朝に掲載するクリスマス・エピソードを書いてくれないかと依頼してきた.最初は,手間だし,難しそうなので無理だと言おうとしたのだが,会話の終わり頃に,ついつい調子に乗って引き受けると言ってしまったのである.その女性がスラリとした感じの美人で,なんとなくもう一度話をする機会を持ちたいという邪心が働いたということは否定できない.

しかし,その日の夜,私は自分が要らぬ仕事を引き受けてしまったと思った.自分がクリスマスについて,いったい何を人より知っているのであろうと.

その新聞社の女性は,イギリスやアメリカのクリスマス事情でも何でもおもしろいことを書いてくれと言ったが,私が知っている情報は,旅行ガイドブックや,Wikipedia・Googleを検索すればすぐにでも出てくるようなことばかりである.せいぜい,ニューヨークではクリスマスでも営業している店が多かったとか,イギリスでは友人が実家に帰るのは退屈だが,仕方ないしねと愚痴っていたとか,公共交通機関もほとんど走らず,店のほとんどが閉まって街がしんと静かになるとか,1つ2つのエピソードを付け加えることができる程度のことである.

この女性は,イギリスで博士号を取った大学の先生ならではのおもしろい話を書いてくださいと,冗談めかしながらハードルを上げてきたのだが,このままでは気の利いたエピソードの1つも書けそうにない.そう考えると,少し申し訳が立たないような気がしてきた.この際,クリスマスにロマンチックな思い出なんかできたことがないと開き直って,ウケを取りにいく話でも書こうかと,少々気が滅入ってきたのである.

その後数日,授業の準備や論文を読む合間に,クリスマスエピソードについても少しづつだが,確実に自分の中でプレッシャーとしてのしかかってくるようになった.空き時間に図書館のクリスマスにまつわる図書を眺め,でっち上げでもおもしろい話はないかと探したが,何もひっかかる情報は見あたらなかった.

外が真っ暗になった水曜日の夕方,私は翌日の講義資料を学生の人数分印刷した後で,学内に飾られたクリスマスツリーが点灯されてあるのを見て,ちょっと立ち止まってツリーにそっと手をやっていた.学内にもう学生はいないかと思っていたのだが,ふいに藤川綾花が現れ,私に話しかけてきた.はからずも,私はクリスマスエピソードの執筆について彼女に思いの丈をぶちまけていた.「クリスマスの話ですか?」私が話し終わると,彼女は言った.「もし,今度,私にお菓子を作って来てくれるんだったら,いい話がありますよ」.

翌日,私は家に残っていた早めに食べなければならない状態にあったバナナを使って,パウンドケーキを作った.残り物で簡単なのだが,それなりにおいしくできるのである.

焼いたパウンドケーキをアルミホイルに包み,金曜日の午後,彼女に私のオフィスに来てもらった.しっとりとしたパウンドケーキによく切れるペティナイフを入れ,2切れを皿に載せて,ケトルで沸かしたお湯で紅茶のマルコポーロを入れ,彼女の前にそっと差し出した.部屋の中は,マルコポーロ特有の優しい香が充満していた.

「高3のクリスマスイブのことだったんですよ」と彼女は言った.「受験勉強の息抜きを兼ねて,ちょっと家の中とクローゼットを整理していたんですよね.ほら,ずっと椅子に座っていると気が滅入るので,何かを整理したり身体を動かすと,ちょっと気分転換になるじゃないですか.それで,いつもは大掃除の時にも整理しない場所なんかもわざわざ開けてみたりして,いろいろと片付けていたんですよ.そうしたら,子供の頃に読んでいた絵本なんかも出てきて.それで,クリスマスイブだったので,ババールとサンタクロースという絵本を手にとって,ぺらぺらとめくってみたんですよ.絵本ってたまに読むとなんだかおもしろかったりしますよね.それで,絵本の最後のページにちょっとした書き込みと,子供の字で書かれた手紙を見つけたんですよ.もしかして,私が小さかった頃に書いたものなんじゃないかなって思ってその煩雑な文字を読んでみたんですけど,『あやかとケーキが食べたい』とか,『あやか,だいすき!』とか書いてあったんですよ.確かに私,自分のこと嫌いじゃないですけど,ちょっと何か変ですよね.だって,自分の名前を書いて一緒にケーキが食べたいとか,自分大好きって何か変な子じゃないですか.でも,そのときに思い出したんですよ.私が物心つく前に亡くなったので,私には全然記憶がないんですけど,私には姉がいたということを聞かされていたことがあったんですね.姉は小児性脳腫瘍という病気で5歳で亡くなったそうなんですが,僅かばかりの写真でしか見たことがなくて,それで自分に姉がいたということがどうも実感できなかったんですよね.だって,姉が亡くなった頃,私は1歳になるかならないかという時分だったみたいなので.それまで亡くなった姉のことを意識したことはほとんどなかったんですが,それでもそのときには,ちょっといろいろと考えちゃいましたよ.このとても小さな姉は,きっと私の成長を楽しみにしてくれていて,それで一緒にクリスマスパーティーをやりたいとか,そういうことをいろいろと考えていてくれたんだろうなって.その手紙を持って,母の所に行ったんですが,母はその手紙を見たのがどうも初めてらしくて,それでとてもうれしそうにその『あやか,だいすき!』という文字を眺めていたんですよね.そこから初めて詳しく,亡くなった姉のことを聞きました.活発で,元気で,男の子の中に混じって遊んでいたということ.お絵かきがとても好きで,幼稚園と幼稚園の先生と,そして家族がとても好きだったということ.お父さんが帰ってきたら,玄関にあるボールを転がしてもらって,それをキャッチするのが日課で,うまくできた日はとてもうれしそうにしていたということ.そういう話を聞いて,私はやっと自分にも姉がいたということが実感できたんですね.単なる小さい女の子でしかなかった姉の写真にも,ようやく現実味が沸いてきました.自分と関連した人間の一人だったんだって.そんな姉はいつもお風呂上がりに,私の所に来て,幼稚園の先生のまねごとをしていたという話も聞いたんですよ.幼稚園の先生が好きで,それでよくマネをしていて,それで自分でもいくつか実践してみたかったんでしょうね.それで,小さくて,布団の中で寝ているだけの私を見て,たぶん自分が先生で,私が園児という形の幼稚園ごっこみたいなのをしていたみたいなんですよ.『これ,何だ〜?』とか,隣で絵本の読み聞かせなんかをしてくれていたみたいなんですけどね.その話を聞いて,私は姉が幼稚園の先生になりたかったんだろうなって想像するようになったんですよ.自分の中で,もし自分に大学生の姉がいたとしたら,きっと保育士の資格が取れる大学に行って,きっと元気に幼児と走り回る活発な女子大生をやっていたんじゃないかって想像するようになりました.

それから,私は志望校をここに決めたんですよ.それまで,こんな外れにキャンパスがある大学なんて大変そうだし,女子大みたいな女ばっかりのところなんてなんかめんどくさそうだし,ここって校風からして堅そうで大学生活が楽しくなさそうだし,それまでこの大学を受験するなんて全然考えてもいませんでしたよ.でも,それまで特別受験したい学科があったわけでもなかったし,北大は絶対に受かるという程でもなくて,ちょっと勝負を賭けないといけないようなレベルだったし.人前で話したり,人を扱うのは得意じゃないので教員になりたいと思っていたわけでもなかったので,教育大は全然考えていませんでしたし,それに小樽まで通うのは大変そうなので,樽商も考えていませんでした.正直,どっちつかずの中途半端な受験生ではあったんですけどね.でも,自分が幼稚園の先生になろうというのが,なんとなく直感的な部分で適合する部分がありました.大変そうだし,給料もあんまりよくないということもわかっているんですけど,でも,とりあえずやってみようと思ったんですよ.亡き姉がもし保育士になっていたとして,彼女ならどんな先生になっていたんだろうとか,姉には負けたくないなとか,とにかくそういう架空のライバルが自分の中でできたような気がしたんですよね.」

「その,自分に当てられた手紙ってどんなのだった?」と私が尋ねると,彼女は自分のカバンのサイドポケットに入れてあった手紙を取り出した.手紙は,ハート型に切り取られていて,裏面にはケーキの絵が描かれてあり,表には,確かにようやく判読ができそうという文字で「あやか,だいすき!」と書かれてあった.

「保育士を目指すようになって,それで時々,姉に話しかけられた気分になることがあるんですよ.『えー,それ,もうちょっとちゃんとしなよ』とか,『私だったら,こうするな』とか,『あー,それいい!』とか.なんか嬉しくなっちゃうんですよね.写真の中の姉は,幼稚園の先生というよりは,もちろん幼稚園の園児って感じなんですけど,それでも時々大人になった姉と会話ができるようになったと,本当に思うことがあるんですよね」

「それで,この大学に来てよかった?」

「正直,通学は大変ですよね.それに楽しくない授業も多いですよ.そんなことしてどうなるんだとか,友達とよく話してます.先生が,私たちのことを子供みたいに扱う授業もけっこうあって,正直,嫌になることもあります.でも,先輩の話とか,幼稚園・保育園に関わるようなことをやっていると,やりがいも感じるし,基本的に楽しいですよ.いい先生ももちろんいますしね」

彼女はそう言うと,フォークでパウンドケーキを突き刺して,おいしそうに口に運び,「あちっ」と言いながら紅茶に口を付けていた.

「借りができちゃったね」と私は笑って話しかけた.

「これで十分ですよ.おいしいです」と言って,彼女はケーキを平らげた.「あ,でも,今度ティラミスを作ってきてくれたらもっと嬉しいです」.

「ま,今度ね」

「その『今度』というのは,英語で言う『sometime』ですよね.楽しみにしてます」

私は彼女に微笑み返し,皿とマグカップを洗った.

2011/12/17

世の中が嫌になる

冷温停止宣言の裏に潜む「ずさん工事」の現状

東電関連の記事です.

なんか,東電と民主党は知れば知る程,嫌になってくるな.

本当に評価する点が一つもない.こんな組織,日本にもあるんだな.

2011/12/13

アカハラ予備軍

子供の珍名・痛名

爆走蛇亜 (ばくそうじゃあ・男) くん
幻の銀侍 (まぼろしのぎんじ・男) くん
僕 (しもべ・女) ちゃん
心中 (ここな・女) ちゃん
美空 (びゅあっぷる・女) ちゃん
星 (あっぷる・女) ちゃん
土人 (つちひと・男) くん
愛と夢 (あとむ・男) くん
今鹿 (なうしか・女) ちゃん
桃っ子 (ももっこ・女) ちゃん
神 (かみ・男) くん
神王 (ぜうす) くん
飛哉亜李 (ひゃあい) くん
光宙 (ぴかちゅう・男) くん
一愛和 (ちわわ・女) ちゃん
苺苺苺 (まりなる・女) ちゃん
奈々安寿絵里 (ななあんじゅえり・女) ちゃん
カス美 (かすみ・女) ちゃん
美姫ルジル (みきるじる・女) ちゃん
百歩 (ももっぽ・女) ちゃん
ハム太郎 (はむたろう・男) くん


すんません.自分の学生にこんな名前がいたら初見で読む自信ないですし,笑い出す可能性も高いです.

人の名前をみて笑い出すのはマナー違反だとは思うのだけれど,この種のDQNネームを見て笑ったからといって,「アカハラ」扱いするのだけは辞めてほしいなと思う.

世の中,理解できない人って多いですね.

追伸:
「晩ご飯,何を食べたんですか?」という質問が立て続けにきたので,今日の夕食.

鰤の照り焼き
田舎汁(要するにけんちん汁から里芋抜いたの)
人参とマイタケ・シメジのナムル
キャベツと厚揚げの煮浸し
ご飯(最近,発芽玄米を入れている)

鰤は切り身が半額で売ってあったのと,後は残り物で作りました.

2011/12/08

ギャー

ダルビッシュ有オフィシャルブログ

この度、ダルビッシュ有はポスティングシステムを利用する事を決めました。

一番にファンの皆様へ伝えたかったのでここでの発表になりました。

北海道日本ハムファイターズ球団には本当に感謝してます。

ただ、まだポスティングの手続きをとったばかりなので、今の段階で詳しいことは話せません。

全てが決まってから会見させて頂きたいと思います。
ギャー.

とうとう,この日が来てしまった...

2011/12/07

防備録

要請があった某所の論文原稿を提出した.

編集委員会から,参考文献にtypoがあったのを指摘してもらった.

いつもLaTeXで論文を書いているので,そのミスはbibファイルの参考文献のデータベース上にあるミスである.

bibファイルの大本は,基本,各パソコンの不可視領域に入れてあるので,訂正がある場合は逐一,パソコン内のデータをアップデートしておかないといけない.

1番目の原稿をMacBook Proで修正し,bibファイルを書き換えておいた.

その後,提出間際になって,原稿を家のiMacで確認して提出したのだが,bibファイルの書き換えを忘れていた.

というわけで,オリジナルの間違いが修正されないまま訂正原稿を提出する運びとなってしまい,再度,ありがたいことに修正要求の連絡をいただいた.

誠に申し訳ないことである.

編集委員から論文執筆を依頼してもらったのに,このような単純な間違いを繰り返すということは,期待に応えられていない無能な人間であるということを意味している.

己の無能を深く恥じる.

金輪際,かような単純ミスをしないよう,ここに記述して防備録とする.

2011/12/05

牡蠣が食べたい

午前中は吹雪の中,自宅で仕事をし,午後の猛烈な吹雪の中,H大さんまで出かけて講義をし,帰宅してからジムに行き,帰りがけにちょっと小さなスーパーに立ち寄った.

そこでは,サロマ湖産の牡蠣が半額で売ってある.

ゴクリ.

牡蠣は軽く湯通ししてから,旭ポン酢に漬け込んで食べてもおいしいし,フライパンにオリーブオイルとニンニクの微塵切りを入れ,一気に加熱させてから牡蠣と白ワインと塩を少々入れて,アルコールを飛ばしながら軽く加熱させてから食べるととてもおいしい.

しかも,栄養価も高い.

「半額」という言葉にめっぽう弱い私なのだけれど,しかしこの忙しい時期に食中毒で倒れるわけにはいかない.

牡蠣にあたったことはまだないのだけれど,幼い頃から父親より牡蠣による食中りの恐ろしさは何度も聞かされ続けている.

それにgoogle先生に聞いてみても,牡蠣にあたったという人たちがたくさんいるということだけはよくわかる.それに,牡蠣の食中毒のメカニズムを知れば知る程,牡蠣にあたるかどうかという賭は,ほとんどロシアンルーレットをやっているようなものだということがひしひしと伝わってくる.

講義に穴を空けると,もう補講期間を探すのも難しい時期になってしまったし,それに家で一人で倒れていても,薬一つ買いに行けないかもしれないのである.そんな生活まっぴらごめんである.

というわけで,牡蠣を食べるという選択肢は泣く泣く断念し,同じく半額になっていた鶏モモ肉を見て,これを香草焼きにするということで手を打つ.

自己管理というのも大変である.サクッと休める大学に勤務できるといいのだけれど.

2011/12/04

日本の組織論といじめについて

えげつなすぎる「いじめ」

いじめ問題に関する議論は尽きないが,同記事によれば,文部科学省の調査により,いじめはここ5年で4割減っているということになっている.(事実であるとすれば,素晴らしいことだが)

ホンマかね?

単に,いじめの件数としてカウントしていないだけなんじゃないの?

最近,日本という社会に関して,嫌気が差すほど実感させられているのだけれど,自己の所属組織に対して,それがいかなる問題を抱えていようが,その問題を指摘したり,克服しようとしたりする人間は常に「トラブルメーカー」として認識され排除される社会なんだなと思っています.

それは,例えば,福島県の現状に関して,決して楽観視できる状況ではないと言えば,

「被災者の気持ちが分かっていない」

「風評被害」

と罵倒される世情ともリンクしてくるし.

あれほど卑劣で愚鈍極まりない行為を繰り返してきた東京電力を否定するような言説も封じられているし,原発を考え直そうとしている人たちも「変な運動家たち」として認識されている現状からも伺える.

相撲協会でも,八百長を告発した力士や講談社が追い詰められた後はどうなったの?って感じだし.

一体,いつの間に「禊ぎ」とやらは終わったのだろうか?(ちなみに,私個人は相撲の八百長自体にはそれほど否定的ではない)

オリンパスの粉飾決算を解決しようとした社長も,会社を追われることとなった.そもそも告発などということをした人間は,今後の日本社会から排除されることになるのだろう.(彼はイギリス人だから,それもいいのかもしれないが)

いじめの件に関しても,それを指摘する人や,被害に遭ったないしは加害者の側の告白も,まず担任教員が取り合わないことが多いのだろうし,仮に取り合っても校長やら教育委員会のレベルで握りつぶされて「なかった」ことにカウントされているだけのことなんだろう.

人が集まれば何かトラブルは起こるし,そういったリスクをどうやって少なくして,それでどうやって対処していくかということを考える能力が,日本人には決定的に欠けているように思われる.

それは,その手のネガティブな結果について考察するということが,「縁起でもない」という名の下に忌避され,問題を解決しようとする姿勢が「和を乱す(和をもって貴しとなさない)」と認識され,毛嫌いされることになる社会の反映でもある.

この手の傾向は,海外体験がなく,より狭い自分たちの世界に閉じこもっている地方の人間に多いような気がする.

単に自分の所属組織が,そうだというだけのことなのかもしれないけれど.

海外にいると日本のいい点もよく見えたけれど,いざ帰ってきてみると,けっこう息苦しい社会だなと思う.

2011/11/28

2011/11/13

日々の雑用

私大はどこでもそうだと思うのだけれど,この時期はいろいろと立て込みます.

入試問題の作成だとか,推薦入試だとか.

しかし,うちの業界の学会はこの時期に大きなのが日本でも2つ,海外でもいくつかあるんですよね.

物理的に参加できないとかいうの多いんですよね.講義も穴を空けると,無理矢理補講入れないといけないですし.

なんか,北海道にいるとディスアドバンテージって多いですね.やっぱり首都圏,関西圏,名古屋近辺じゃないといろいろと厳しい.

それと,急追,車にスタッドレスタイヤを履かせました.明日からいきなり降雪で,気温もぐっと下がるらしいので.

嫌な季節だね.

ところで,うちの同僚さんから連絡をいただいたのだけれど,来週,大きなワークショップをうちで実施するらしい.スピーカーが,パリ国立工芸院やヘルシンキ大の教授(google先生によれば,その道の大物らしい)だったり,その他共催に領事館やら札幌市やらが加わっていたりと,なかなか楽しそう.

はっきり言って,全然専門外の分野なのだけれど,なんか楽しそうだし,刺激になるのでちょっと顔を出してみようか迷い中.

やっぱり周囲にできる人がいるといいですわ.

とりあえず,自分は目の前の締め切りと戦います.

2011/11/05

大学はキャリア支援教育を推進するべきか

お上(要するに文科省)の通達により,2012年度からうちの本務校でも「キャリア支援教育」なる授業を,正規のカリキュラムに導入させられることになった.

現場の大学としては,拒否権だの何だのが一切ない形で,お上の意向を受け入れねばならないという事情がある.(何せ,私学助成金と大学設置基準の認可というのが握られているのだ)

この種の授業の実施をお上が求めるということに関しては,2つの理由があると思う.

1つは,昨今の大学生の就職状況の悪化を受けて,自分たちは状況改善のために尽力を尽くしていますよという証拠作りをするということ.

とりあえず,何かに取り組んだという実績らしきものが目に見える形で提示できればそれでいいわけである.

もう1つが,昨今の大学生が就職できない状況は,教育カリキュラムの屋台骨を作っている文科省の責任ではなく,人材教育を怠ってきた学校(特に大学)にあるのだという責任の所在を明らかにすること.

要するに体のいい責任の押しつけである.

断言させてもらうが,大学生の就職率が悪化したのは100%社会の経済状況のせいであって,大学教育のせいではない.

仮に現在の日本の経済状況が1980年代のそれであったとすれば,現在の大学生の大半はそれなりに希望の職種に就けるであろう.

大学の3年の終わりから,早ければそれ以前から対策をし,企業の説明会に出て熱心に企業研究を行い,面接では自腹を切って企業の定めた時間帯に万難を排して駆けつけるということを何件もやってようやく就職にこぎ着けることのできる現在と,履歴書を送れば交通費の他にお小遣いが支給され,高級ホテルでご馳走によるもてなしをされたバブルの時期とを比べられても困る.

就職率のよさは,全て経済状況のせいであって,1980年代の学生が優秀で,21世紀の学生がバカになったからというわけではない.さもなければ,企業のあちこちで,「バブル世代は使えない」という陰口をたたかれている現状が説明できない.

大学の本分はこの種の世間の荒波,移り気の激しい世間様やお上の攻撃から学生を守り,世間と自分という人間の立ち位置を定め,知識を吸収し,自分の生き方を定めるというモラトリアム期間を提供するということにあると思う.

2年後,3年後には言うことが変わるような世間様の言うことなど,

「くだらん」

と一蹴するくらいの気概が大学には必要であると思う.

そういうわけで,お上の申し出と現状とのすりあわせをするためには,この種のお達しを形骸化してやるくらいのことが必要であると思う.

それが大人の対応というものである.

実際,今でもキャリア支援何とかかんとかというものが大学で開催されているが,その中身たるや「?」と首を傾げるものばかりである.

単に自分の講義のプリントや会議資料の用意をオフィスでしていた間に,オフィスの前の教室で開かれていたキャリア支援の内容を適宜見聞きしていただけのことなのであるが,キャリア支援だの何だのといったところで,やっているのは自己啓発セミナーの延長でしかない.

学生さんたちをグループに分けて,大学と教員の悪口で盛り上がって(経済学や数学なんてくだらんとか,大学の講義なんておもんないとか,大学教員の生態についてだとか),単にみんなで雑談していただけである(最近盛り上がったイベントだとか,彼氏さんの話だとか,性格診断だとか).

だいたい,この種のセミナーに呼んでいる「講師」自体,胡散臭い「人材コンサルタント」なる口先だけの人間なのに,こういう人たちに話をさせて一体何が得られるのであろうか.

言って悪いが,学歴も職歴もたいしたことのない人間に,企業の論理が分かるのであろうか.どうせなら,企業の人事部の人たちに来てもらった方が,いくらか得られるメリットはある.

そもそも,「キャリア支援」だの「企業が求める人材」なるスローガンも甚だ怪しいものである.

単刀直入に言えば,この種のスローガンを述べる人たちの本音は,「いくらでも替えの利く,若くて安くて使い捨てのできる人材が欲しい」というだけのことであって,要するに体のいい奴隷が欲しいというだけのことである.

さらに女子大で,エリート養成校でもないうちのような所だと,上司の愛人のような扱いができればいいなという邪心と,営業で文字通り身体をはってくれたり,自分の所の男性社員と体よくくっついて子供を産んで,家族毎会社に忠誠を誓ってくれる男性社員を送り出してくれる女性が来ればいいとしか思っていないという可能性も高い(たぶん,そうだと思うが).

そういう彼らの本音をくめば,見栄えが平均以上の学生さんたちをきれいに着飾らせて,露出の多い格好をさせて,愛想笑いを絶えさせず,セクハラまがいのことをされてもホステスのごとく対応させ,必要最低限の事務仕事さえできればそれでいいということになる.

当然のことだが,大学という機関はその種の使い捨てになるコマを大量生産する必要などない.

むしろ,「キャリア支援」だの「使える人材」だのと声高に叫ぶ人間とのつきあい方には用心せよと忠告する必要があると思う.

そういった現状が見えていない間は,この種の一見説得力がありそうだという言説には特に注意を促す必要がある.

要するに,大学には文科省や厚労省には口を出させないようにする義務があるように思う.

2011/10/28

グローバリズムは世界を破壊する

日本がTPPに参加するべきか否かの議論が活発である.

いろいろな議論があるが,私は端的に言って,TPP参加には反対である.

理由は簡単で,「グローバリズムに参加し,世界に開かれた国家へ」というスローガンは,端的に言えば「アメリカさんのお役に立ってくださいね」という言説に等しいからである.

TPPに参加したところで,日本の相手は実質アメリカであり,アメリカのTPPの主要ターゲットは日本である.不況だろうが,震災に見舞われようが,日本にはまだまだ経済的利潤がたくさん隠されているのである.

まず,農業が主要なターゲットになっていることについて考えたい.

TPP推進派は,TPPが導入されることによって,消費者はより安く食品が手に入れられる.現在の農業は既得権益に縛られていて,不等に高い農作物(特に米)を買うことを消費者が強いられている.自由競争を繰り広げることによって,消費者はより安くよりよい製品が手に入れられることになると主張する.

だが,よく考えて欲しい.

食品は口にし,体内に取り入れるだけに,より高い安全性が求められる.

当然だが,安全性の確保にはお金がかかる.

問題は,その安全性というものは,目に見えないということである.

農作物にどんな化学肥料を使おうが,家畜にどんな餌や薬を注入しようが,食べ物になって市場に並んだ物を,消費者が適切に判断することはできないのである.

何せ,その種の安全性は目には見えないのであるから.

産地偽装といったその種の「かわいい」レベルだけではなく,直接人体に悪影響が及ぼされるような質の悪い製品が市場に並び,安全性確保にお金を費やした製品は自由競争によって駆逐されることになる.

安全性を確保しようという倫理観の高い企業を保護しようと思えば,ある程度の出費を消費者は受け入れねばならないと思う.

また,主食である米のことについても考えねばならない.

例えば,カリフォルニア米が豊富であれば,きっと各地のスーパーで安価な米が並べられることになるであろうが,仮に飢饉にでもなれば,米の品不足になることは目に見えている.

TPPを推進することによって,食糧自給率が激減し,経済的な体力もなくなった将来の日本がどんな末路を辿るのかということを想像してみて欲しい.

飢饉がたとえ10年に一度であろうが,20年に一度であろうが,食糧自給率はそのまま生殺与奪の権利を譲渡することになるのである.

あえて,そのようなリスクを背負う必要はない.

農作業という仕事を日本国民に提供する機会を奪う必要もないし,これ以上の米の値下がりを要求する必要もないだろう.今払っている金は,リスク回避のためであると考えた方が賢明である.

それに,日本人の米好きは今に始まったことではない.昨今のカリフォルニア米の質の高さは認めるが,それでも現在の日本の有名どころの米にはまだかなわないと,私は思う(味覚にはけっこう自信がある).

もちろん,問題は農業だけではない.医療や保険制度についても問題は山積みである.

日本医師会に暗部があるのは認めるが,総じて日本の医学体制は素晴らしいと思う.日本の保険制度が機能していることによって,日本の大多数の平均的な庶民は安心して病院に通い,必要であれば容易に手術を受けることができる.

日本ではちょっとした手術(例えば盲腸)にかかる費用はせいぜい5-10万円程度であるが,アメリカではこれの10倍することも珍しくない.アメリカでは金持ちだけが世界最高の医療を受けられるが,平均的な庶民が水準以上の医療を受けられる国ではないのである.こんな制度に追従する必要はない.

この医学体制や保険体制,さらには郵貯や共済年金にも狙いを定めていると思われる節のあるTPPなるものに参加する理由はない.アメリカは,早い話が,日本に経済的植民地になることを要求しているのである.

思うに,我々は自由競争と経済原理,特に見えざる手を信奉しすぎたのではあるまいか.

能力があり,努力をした者だけが利益を独占でき,成功者でない者は努力を怠った無能者なのであるから現状を耐えるべきだという神話は,ある程度までは受容するべきではあると思うが,自国の富を1-5%の人間が牛耳るという現状は,この神話の行き過ぎを示しているに他ならない.

バランス感覚と平衡性を保つよう,富を再分配し,普通の人間が報われる方向に舵を切ることが現在の為政者に求められていることであると考える.

アメリカという国が「グローバリズム」という言葉を口にする時は,特に注意が必要である.

2011/10/26

気のせい?

気のせいか,最近,若くてきれいな女性が3人以上いるのを見ると,なんだかしんどくなってきます.

動悸と息切れがしそうといいますか(いいこと,好きなことは仕事にしちゃいかんです).

ですから,AKBだとか,Perfumeだとか,なんか苦手です.ソロで出てくれるといいのに.あ,でもソロだとこの人達はあんまり...

一方で,ちょっとした問題児系をけっこう上手に扱っているらしいということもわかりました.

個人的には,もちろん,普通のお嬢様系の学生さんたちや,ちゃんとやる活発な人たちの方が扱いやすいと思っているんですけれど,相対的に他の先生と比べると,ということなんでしょうか.

てか,一部の学生さんたちに「ギャル好き」とか思われているんですけど,そんなこと全然ないです.単に扱えるというだけのことです.

それと,今日はまた女のトークを聞かされてしまいました.

けっこう勉強する,頭も良くて,素行もいいお嬢様系の学生さんの話だったのですが.

「○○,勉強好きだし,お金好き」

「女性って,男性じゃできない仕事でけっこう高額なお金稼げるんですよ」

(∩ ゚д゚)アーアーきこえなーい

2011/10/22

たかが教員が

えっとオリンパスの危機が凄いですね.

まぁ,世の中,「正しい」ことを言おうが,実力を発揮しようが,そういった人たちを守ろうとしようが,権力者のご機嫌を損ねたらアウト.クビになるっていうことなのかもしれない.

中日ドラゴンズも優勝しようが何しようが,球団社長のご機嫌を損ねたらクビですもんね.私は落合博満という人がけっこう好きなので,時期日本ハムの監督になったらいいのになって思っていますけど(栗山じゃちょっとねぇ...).

その参考ニュース.一人でビールかけ

こんなこと言ってますけど,私も人ごとじゃなかったりするので,適切な喧嘩の仕方を心得ておかないといけない.まぁ,大学なんていう組織も,腐っている部分は多々あるのが通常だろう.どこかで妥協はしないといけない,と.

ところで,オリンパスは友人が勤めているんだよな.大丈夫なんだろうか.

2011/10/18

北海道民チェック

えと,話し言葉以外はすっかり北海道民が板についてきたと思いたい今日この頃であるが(でも,冬になるとさすがに大阪に帰りたくなるな).

そういうわけで,ご当地の踏み絵の北海道編をやってみた.

自分が該当すると思われる項目は以下の通り.


● 道産子なのに知らない市町村がある。
● スタッドレスタイヤのCMのすぐ止まるは嘘だと知っている。
 冬の交差点でけつを振りながらコーナーを曲がっているFR車をみたことがある。
● ムツゴロウ氏のことはあまり好きではない。
● 鈴木宗男氏もあまり好きではない。
● 札幌駅前で、『どさんこワイド』にうつったことがある。
● 北海道銀行、北洋銀行、札幌銀行のいずれかに口座を持っている。』


えっと...


やっぱり,大阪の項目の方が当てはまるのが圧倒的に多いですね ( ̄▽ ̄;)

2011/10/14

こんなテキストあったらいいな(言語学・統語論)

学部の3年生,4年生を対象に統語論の講義を受け持っています.

生成文法というのは,どうもその考え方からしてとっつきにくいところがたくさんあるらしく,「大学で分からない講義科目」のワースト投票をやれば,かなり上位にいくのではないかという程,人気がない科目でもあります.

アメリカンジョークでも,「チョムスキー」といえば,分からないことを言っている著名人の代表格に挙げられてしまっているし.

一方で,少数の熱烈な支持者を集める力もあるので,それはそれで存在意義があるのではないかとも思う.

一向に「大学教員」という雰囲気が出てこない私ですが,講義スタイルにも日本の大学教員のプロトタイプとは違う部分があるのでしょうか,どうもわからない学生が大半という状況で講義をしたくないというのがあります.

やっぱり,大半の受講生が頭を上に上げて,それで,「わかる」という実感と快感を感じて欲しいという欲求が常にあるもので.

高校や予備校という現場に立つ教師の視点が抜けていないのかもしれません.基本は,受講生の下から2番目辺りの層に話を合わせて,適宜ちょっとハイレベルなことも交えるという水準で話をしようと心がけています.

これは別に講義の水準を落としているとか,学生に媚びているとか,そういうことではなく,インストラクターが自分の話したいことを好き勝手に話して,自分の知的有意を学生に示して優越感に浸るということにたいして教育的意義がないと思っているからです.

この種の講義スタイルは,東大や京大のトップ層には効果があるかもしれません.彼らなら,プライドが高く,自分が分からないという状態に耐えられないので,自分で調べるという態度を身に付けていることが多いからだと思います.

そういうわけで,受講生の顔を見ているということも大きいのかもしれない.

話を戻して.

統語論(統辞論?)の話を理解してもらうためには,まず,英語や日本語といった対象言語を分析する力が必要なのですが,昨今の,といいますか,わりと昔からだと思いますが,日本の大学生の大半は,英語の文構造を分析する力を身に付けることなく,大学に入ってきているのが現状なのではないかと思う.

所謂,伝統文法の知識が元々ないので,まっさらな状態からいきなり「分析」ということを始めてしまうので,頭の中が混乱し,生成文法が毛嫌いされるという現状もあると思います.

それと,考え方と理解の基本というものでしょうか,ごくごく簡単な仮説演繹という思考法や経験科学の基礎というものができていないので,単に自分の思ったことを述べてそれで「考えた」と思っている学生さんが多いような気がします.

実際,高校の大半でそのようなことは習えないので,現状を嘆いていても仕方がないと思いますが.

こういう現状を踏まえると,以下のような条件の揃った統語論のテキストがあれば理想的なのに,というのを羅列すると.

(1) 分析・解説の前に,対象とする文の簡単な伝統文法的解説がある.

(2) 仮説と検証,仮説の破棄・修正という経験科学の基本的な解説がある.

(3) 適当な(多くの)練習問題がある.(やっぱり,実際に頭を動かして自分で考えて始めて身につくと思う)

(4) いい加減,ミニマリスムが中心の解説をしてもいいと思う.(1990年代前半に出たんだから,もうだいぶクラシカルだと思うし,句構造にしてもいつまでもXバーをやっていても仕方ないんじゃないか.むしろ,初学者にはBare Phrase Strucutreの方が直感に合っていてわかりやすいんじゃないでしょうか)

という条件を揃えたテキストというのがなく,カーニーのModern Syntaxはコンセプトがよかったのですが,語彙論フレームワークに色目を使いすぎたせいか,ごちゃごちゃし過ぎでかなり使いにくい(一部は抜粋して使えるのだけれど).これなら,前のバージョンの方がすっきりしていていい.

そんなわけで,毎回,自分で詳細なハンドアウトを作成していますけれど,今年の講義が終わっても講義ノートとして使い回していければいいなと思っています.

2011/10/12

セクハラの手前

人は失言ということをしてしまいます.

フロイトさんによれば,失言は自分の深層心理の願望の反映ということになります.

それで.

実は.

昨日,ちょっと失言しちゃいました.

講義中.

「〜に記入しなさい」という印字があったのですが,下が滑って.

「きょにゅう」

と言ってしまった...(くしゃみを連発した後で,喉の調子が悪かったのです)

( ̄▽ ̄;)

ばれてなきゃいいが.

なんか,妙な願望でもあったのだろうか.

セクハラにならなきゃいいけど.

いいじゃんね,別に小さくても.

2011/10/11

気分の起伏が激しい日

休み明けのおかげで,講義が3コマあっても体調がすこぶるよい.

やっぱり,ちゃんと睡眠が取れているといいみたいである.

ところで.

「他人の価値観を批判するな」とかいろいろと言われそうなのだけれど,今日,うちと他の大学の学生さんが,夏休みに短期留学をしたというレポートがあったので,読んでみた.

どちらもロンドンを堪能されたみたいで,それはそれでよい.

しかし.

どうも,お金を払っただけで行けるお手軽語学留学を

「留学してきました」

と言われたり,

「異文化を理解することができました」

とか言われると,

「ちょっと違うんじゃないか?」と思ってしまう.

しがない貧乏人の僻みかもしれないけれど,がむしゃらに,それこそバイトと大学の講義の合間を縫って,図書館にあったありったけのTOEFLリスニングの問題集を全てウォークマンに入れて,電車内で暇を縫って勉強した結果,なんとか国費留学ができたとかいう自分の立場からすると,どうもこの手のお手軽海外体験を「留学」と読んで欲しくないという気分になってしまう.

語学留学はちゃんと「遊学」と読んで欲しい.語学なんざ,現地に行く前にある程度身に付けてから行くものだと思っているからである.

一時的にでもいいから,留学はやっぱり正規留学をしてなんぼだと思うのである.

なんか,お手軽旅行を「留学」と呼ばれると,平凡な知能しかない自分が,それこそ必死の思いで勉強してきた経験がコケにされているような気がしてならない.

心が狭くてすまない.

でも,本当に,若い学生さんたちには積極的に貪欲にガンガン勉強してもらって,単なる語学留学以上のことをしてきて欲しいと思うのである.

理想論なのかな.

それに関連して,どうもうちの本務校の年配教授さんたちの,

「博士号を持っているからといって,必ずしも偉いというわけではない」

「論文を書いたり,研究発表をしていなくても,きちんとした研究はしている」

「成果が出るものだけが研究ではない」

とかいう言説も,傍から聞いていてため息が出てしまう.

人文系が成果の出にくい学問であるということは重々承知しているのだが,それにしても60代になっても未だかつて何にもアウトプットを出したことのない人たちが口にしていい発言ではないと思うのである.

まぁ,気にしないにこしたことはないな.

一方で.

ちょっと自分のイギリスの母校からメールがあったので,新学期のリサーチスタッフを見たのだけれど.

いやー,充実してるな.

去年から聞いていたけど,ヘッドはピーターだし.

今更ながら,アウトプットは素晴らしいものがあるし.

それに,来年1月からは,ランカスターから社会言語学のやり手も来るみたいだし.

従来のスタッフと合わせて,バランスの取れたいい学部になりつつありますね.

自分もちゃんとやっていこうという刺激になる.インディペンデントリサーチャーとして,自分はまだまだ恥ずかしい水準にありますが.

後日談:

うちの大学で,正規留学の学生には,派遣先の大学とうちの大学の授業料の差額を奨学金として支給することがほぼ決定済みのようである.グッドニュース.いい派遣先も多いし,学生さんたちにはこの機会をぜひ掴みってほしい.

2011/10/10

自分の価値

できるだけ好き勝手に,天上天下唯我独尊的に生きていきたいのだけれど,時々,この大学にとっての自分の有用性ということについて考えることがある.

身近に,業界では有名な建築の専門家がいらっしゃるのだけれど,仕事の手際の良さ,フットワークの軽さ,人当たりのよさ,そして頭の回転の速さと知識に感心させられることが多々ある.

ちょっとしたイベントの企画と前後の雑用も実に巧みだし,人の扱い方もなかなか見事である.

それに学生さんたちをあちこちに連れ回したり(アフリカとか,トルコとか),院生さんには国際会議で共同発表をさせて業績を作ってあげたりとか.

研究・教育・課外活動の3拍子揃っていて,何ができないのか?と聞きたくなるくらいである.

しかも,震災後の仮設住宅建設の仕事なんかをしておられて,被災者のサポートにも貢献されている.(今日のNHKニュースでその模様が)

まぁ,いろいろとアドバンテージになる存在だと思う.(来年以降,下手に学科長やら学部長やらに推薦されて,研究に支障が出なければいいが)

こんな人に比べると,私なんぞ毒にも薬にもなりはしない.

専門的に何かを追求するわけではない人たちに,申し訳程度に英語を教える実力とやる気があって.

あとは,細々とした雑用をそつなくこなせる程度の器用さがあるとか(ある方面では,既に主力である).

それに,特に問題を起こすこともなく,元気に予定通りに講義を消化する健康さがあるとか.

まぁ,そんなもんか.

でも,組織にとって,こういう存在はたくさんいた方がいい.

いなくなったら回らなくなるほど必要不可欠というわけではないのだけれど,一応,いた方が有用だという人材は割に重要であると思う.

かけがえのない存在なんかになってしまうと,それこそ移籍なんかもできなくなってしまうし(この業界では大学を替わることは珍しくない),病気なんかになったら,組織に甚大な被害を与えてしまうことになる.

組織を回すためには,自分の担当のビジネスをする,余計なことをしないということはけっこう重要である.

少数の人たちを必要不可欠な存在にしてしまうと,「もしも」の時のリスクを回避できなくなってしまうからである.

生物学的な分布のあり方を組織に当てはめると,この手の,だいたいの用途に合って,いれば便利で,いなくなってもたいして損失にならないという存在が多数存在するということは,大きなアドバンテージなのである.

というわけで,今日はちょっとだけ自己弁護(誰に対してだ?)をしてみました.

最近,大学教員の多くが有している能力は,

「自分のことは棚に上げて,他者を批判すること」

なんじゃないかとちょっと思ったこともありましたが,まぁ,いいか.

2011/10/02

週末とか

突然だが,私は体毛が薄い方(要するに女性ホルモンが多い)で,そんでもって,いい年して独身で,家事もわりとちゃんとするのですが.

それで,前日の夕食メニューなんかを聞かれて,


「鰤大根.それとキャベツ・マイタケ・人参と炒り卵の炒め物,たたきゴボウ」


と答えたところ,とうとう私にもかかりました.


ゲイ疑惑.


なんでやねん ( ̄▽ ̄;)


因果関係がわからへん.


まぁ,どうでもいいのですけれど.


ところで.


金曜はちょっとうちの業界の有名人が来られたので,そのトークと飲み会に参加.充実した週末でした.ま,土曜は雑用に駆り出されてしまったのですが.


トークはZさんとFさんの話で,Zさんはテクニカルに日本語の格の問題.Fさんは人間言語に共通する言語能力の基盤(要するにUG)があるとすれば,なぜ人間言語のバリエーションがこれだけ豊富なのかという哲学的な議論.ローマン・ヤコブソンに関わる雑談なんかもあって,いろいろと興味深かったです.ベストシナリオとしては,パラメータの大部分(全て)がソシュール流の恣意性に換言できれば,UGの負担は随分と軽くなり,語彙範疇と機能範疇の差というものがそもそもなくなるかもしれないというお話.


まぁ,ミニマリストの本質としては,言語データはそもそも分析の対象にはならないのではないかとも思います.最近,細かいディバイスだけがやたらと発達しているみたいですけれど.


再来週はバイオのお話があるので,それもお楽しみ.北の僻地では,有名どころのスピーカーでも人が集まらないので,気楽に交流できるというよさもありますね.それだけ,研究に興味も関心もない大学の先生さんたちも多いという証左なのかもしれませんが.

2011/09/29

チャリティー

氷室京介さんがチャリティーライブの収益,6億6900万円を被災地に直接寄付したというニュースがありました.


以下,リンク先より一部引用.

『集まったこの収益金は、当初の予定通り、今回の災害で特に大きな被害に遭われた、岩手、宮城、福島、東北3県の方々に、寄付金または義援金としてお渡しする形をとらせて頂きます。本来なら自分の手で各県の代表の方に直接手渡しする、その最終行程までを責任の元に遂行したかったのですが、こちらに住んでしまっている事情もあり、なかなか直接に出向く事が叶いません。そこで今回、同じ  "志"  の元に、このプロジェクトに深く寄り添ってくれた信頼出来るパートナーとして、NEWS ZEROの皆さんにもう一度協力して頂く事になりました。

震災から約半年が過ぎ、被災地とそれ以外の地域の方々との間にも、徐々に意識のズレが生じてくる頃かと思います。これからもマスメディアの皆さん方を中心に、コメントを出せる立場にいる僕らも一丸となって、両者の距離を縮める役割を担っていけたらと思っています。』

直接出向いてお金を渡すということがちょっと照れくさかったんじゃないかとか,お金にはいろいろ面倒くさい人たちが群がってくるのが嫌だという潔癖症な部分なんかが垣間見られて,そういう氷室京介という人の人間くささが伝わってくるので,個人的にはとても気に入ったニュースです.

私はこの世代では珍しくありませんが,この人のわりと(かなり?)熱狂的なファンなので,未だにかっこよくて渋いというところについつい憧れてしまいます.

個人的にですが,被災地とそれ以外の地域の人たちとの意識のズレ,それに為政者や東電を初めとする権力者の本質みたいなものが露見されてきて,本当に援助を必要としている人たちが二次被害に遭っているじゃないかという感覚がしている今日この頃です.

自分も,祈るだの,お見舞い申し上げるだの,何だのと偽善的な言説だけで何もしないのは好きではないので,時間的に余裕が出来たらまた何か率先していきたいと思います.それで,まだ活動している人間がたくさんいる,それで多くの人間が先を見ているという状態を保つ一助になれるのであれば,きっと事態はよくなるはずだとナイーブに信じていければいいなと思います.

2011/09/24

金が動く地位

原子力賠償審の2委員,電力系研究機関から報酬

『東京電力福島第一原発事故による損害賠償の指針を定める政府の原子力損害賠償紛争審査会の委員2人が、電力会社とつながりのある研究機関「日本エネルギー法研究所」(東京)から報酬を得ていたことがわかった。
 同審査会は4月11日に設置。文部科学省によると、委員9人のうち学習院大の野村豊弘教授と、早稲田大の大塚直教授がエネ法研から月20万円の報酬を得ていた。野村教授は4月にエネ法研の理事・所長に就任。大塚教授は研究部長だったが、6月末に辞め、4月以降の報酬を返納したという。文科省によると、エネ法研は、各電力会社が出資している財団法人「電力中央研究所」(東京)から研究委託を受け、部課長には東電社員が派遣されている。(2011年9月24日08時50分  読売新聞)』

えーっと...( ̄▽ ̄;)

鉢路議員の失言問題から,そんでもって様々な東電絡みのニュースが流れていますが,原発に関して素人の立場の人間の私に分かっていることが1つだけあります.それは,

東電に対して,否定的な行動を行う影響力のある人物は確実に社会的制裁を受けている

ということ.

最近,田宮二郎版の(つまり最初の方の)白い巨塔を見ているのだけれど,大学教授も金と権力が絡むとややこしいですよね.きな臭いというか.

この程度のことなら公言してもいいと思いますが,幸か不幸かうちの大学の教授選も,新たな教員人事も,金やら政治やらの問題はほとんどありません.ていうか,ない.

まぁ,別の学部では,足の引っ張り合いというか,既存の教授同士の罵り合いやら,自分より業績や学歴が上の者は入れないとか,そういう話が...

私は,なんかめんどくさい話に時間と労力を取られるのが嫌という理由もあって今の職業を選択しているので,これはこれで満足しています.

理論言語学に金や権力なんて,あってもたいしたことないです.

まぁ,これでいいです.基本,うちの業界の権力者は似た者同士なので,クリーンな人が多いです.そりゃ,きな臭い話も多少はありますけど.

ところで,今日はオープンキャンパスに行って,予備校の先生に入試問題を評論してもらいました.

まぁ,年配の方なので,推薦する参考書が古いとか,説明がちょっと下手というか(今時,分析抜きに「熟語」で済ませちゃあきませんよ)多少問題がある部分もあったし,英語の発音もかなり問題ありでしたが,少なからず首を縦に振る部分もありました.

まぁ,基本的にはそれでよかろう(威張りっ).

来年は,もちろん,公開できる情報は入学案内や大学ウェブページに載っている情報だけですので,それ以上のことは言えませんが(って,うちの入試にそこまで気を遣ってくれている業者はそんなにない...).

しっかし,高校生は,まぶしいというか,キャピキャピしているというか,キラキラしているというか,何というか.

ま,かわいい子たちが多かったですね.自分も高校生だったらよかったのに(って,女子大のオープンキャンパスに行っても意味ないんですけど).

曖昧であることの利点

Islaeli-Palestinian talks must resume Midest Quarterを見て思ったのだけれど.

要するにパレスチナが国連に加盟しようとしているのだけれど(かいつまんで言うと,パレスチナが国連を通して,自分たちの立場を明確にしようとしている),アメリカが拒否権を行使する方向になりそうだという議論.

よく考えると.

幸か不幸か,日本は常任理事国ではないので,拒否権を発動することができない.

なんかこれはこれで便利なような気がする.

仮に拒否権があったとして,いつものようにアメリカに追従して拒否権を発動,ないしはアメリカの拒否権発動を支持する声明を発表すると,中東からそっぽを向かれるようになる.

つまり,石油を買うのに苦労することになる.

かといって,拒否権を発動しないと,自分たちのボスであるアメリカに

「おい,こら,われ,どういうこっちゃ」

と,すごまれることになる.

いつもの調子で,日本独特の「どっちでもありまへん」という魑魅魍魎的な態度で煙に巻くというのも国際社会の中ではなかなか難しい.

今は立場を明示しなくてもいいので,アメリカには

「パレスチナにも困ったもんですな」という態度を取って,

中東には,

「まったく,アメリカは傲慢ですな」

と,ご機嫌を伺うこともできる.

実に便利である.

経済力と,それなりの影響力があれば,八方美人で都合良く立ち回れるので,こういう立場の国家があるのは国際社会を機能させるという観点からも都合がいいし,それにどこも敵に回さなくてすむので,おいしいところだけを持っていくということも可能である.

日本という政治的立場には,それなりのアドバンテージもあるのではあるまいか.

ま,ちょっと思いついただけの浅い話なんですけどね.

2011/09/21

また気を揉む

一応,うちの本務校は,

「地方中堅私立大学」

に位置するんじゃないかと思います.

そんなところでも.

EU,ユーロ,ポンド,ポルトガルのことを知らなかったり.

United Kingdomって何のこと?

イギリスの首相?イギリスって大統領いないの??

という質問が来たり.

16世紀に種子島に鉄砲を伝えたのが「ペリー」って,あーた.

英語の授業だったんですが,日本語でも知らない,分からないとかいう話を進めることなんてできやしませんよね.

今日はやたらと,

「え,知らんの??」

と驚きながら発言しまくってしまいましたが,たぶん,今頃は

「知らないんだから,優しく教えてくれたらいいじゃん」

「ムカつく」

とか言われてるんじゃないだろうか.

はぁ...

しっかし,物事を知らなすぎという大学生が増えているという現実はどう受け止めればいいのでしょうかね.

知りたいけど,勉強したくない,調べたくないという人たちを導く必要は大学教員にはあるんでだろうか.

価値観の相違,か...

2011/09/18

気を揉む

本務校では通常営業が始まりました.

夏休みが終わって,憂鬱な気分でしたが,通常モードに戻って感じた印象.

講義は,人前で喋るのは体力要りますけど,けっこう楽しい.(度を超えるとしんどいのですが)

その他,会議とかはやっぱりめんどくさい.それと,大学教員は(小学校の教員ほどでもないような気もしますが)精神がガキっぽい人がけっこういるので,なんとなくため息をつくような疲れが出る(自分一人で勝手に持ち込んできた仕事を投げ出して,「もうめんどくさーい」,「やだー」,「誰かやってー」,「だってー,私ー,分からないしー(全て原文ママ)」とかいう発言を会議の席で聞かされる).

あと,テストも返却したのだけれど,そこでも気を揉むようなことが.

って,早い話が,どう考えても単位出せなさそうだなって人たちのことなんですけど.

相手が全て女性なものですから.

きっと,とにかくなんでも単位を出せば,

「いい人ー」

「めっちゃ好きー」

etc etc

と褒め称えられるのでしょうが.

落とそうもんなら,

「え,あいつきもい」

「絶対,調子にのってる」

「うざいよね」

「えー,もうムリムリ」

etc etc

と罵られるのであろうということは,想像に難くない.

単純に自分の嘘偽らざる思いを言わせてもらえれば,誰も若い女の子たちに不要な恨みは買いたくないし,陰で(下手すりゃ目の前で)ぐちぐち悪口を言われたくもない.

どうせなら,称えてもらいたい(キッパリ).

しかしだね.

出席満たして,テストでは講義で言ったことしか出さなくて,そんでもってレビューだの,テスト出題範囲の予告だのあれこれ手取り足取り説明をして,実際,平均点がだいたいどのクラスでも70点前後っていうんだから(60点取れば単位は出る),こと単位認定に関しては,私は神のごときレクチャラーであるはずなのである.しかも,授業態度がよければ,ちょっと色をつけてやろうというのである(単純に指名した時に発言するとか,それだけのことである).

この最低限やるべきことをやっていない人たちを落とすのに,ためらいを持ってはいけない,と思う.

しゃーないよね.別に人気取りやってるわけでもないし,教員なんてのは学生に嫌われてナンボの商売ですもんね.評価する立場ってのも,存外つらいもんです.

本当は専門科目でバリバリやって,成績悪いのはガンガン落とすくらいでいいのかもしれないけれど.

2011/09/13

ご注意を

先日,言語関係者の知り合いのGmailがハッキングされて,スパムメールが届きました.

他の人からのスパムも報告されております.

Gmailのハッキングなので,けっこうコンフィデンシャルな情報も掲載されてあり,もっともらしいのが難儀ですが,まずは本人と自分とでしか分からない情報を共有するなど,十分に気をつけてください.

自分に振り込め詐欺が来るとけっこうびっくりしますが,あくまでも冷静な対処を心がけて.

しかし,Gmailのハッキングなど,クラウドサービスに重要な情報を置いておくのは怖いですね.他のサービスですが,とりあえず自分も流出したらやばいファイルを引き上げておきました.

参考までに私に届いたスパムの文面はこちら.メール相手と滞在先,家族情報,自分たちしか知らない情報のやりとりをして,私も「おかしい」と気づきましたが,やりとりの途中で過去のメール内容を踏まえるなど,ちょっと巧妙な犯罪組織か個人でやっている可能性が高いですね.

Just hoping this email reaches you well. I'm sorry for this emergency and for not informing you about my urgent trip to Spain but I just have let you know my present predicament. Though everything was fine until I was attacked on my way back to the hotel. I wasn't hurt but I lost my money, bank cards, mobile phone and my bag in the course of this attack. I have immediately contacted my bank in other to block my cards and also made a report at the nearest police station. 

Meanwhile, I have also thought it expedient for me to confide this in you and I will be glad to have it confidential between us.  I'm physically ok and fine but I'm urgently in need of some money to complete my major aim of being here and to balance my bills till my departure next weekend. Can you please lend me a sum of 2600euros [approximately $3500 us dollars] or any amount you can afford to lend out?  I will refund you even with interest upon my arrival next weekend. 

Kindly let me know if you would be able to help me out with the money or any amount you can afford, I can then forward you the details require for a wire transfer via the western union money transfer service. I don't yet have a local phone (still gathering my bearings and such), so email is probably the best form of contact for now. I will expect your response soon.

Thanks & Best Regards,

2011/09/11

最近知った北海道のトリビア

北海道のコンビニでは,

「おにぎり温めますか?」

と聞かれます.

2年目にして初めて知りました.

2011/09/08

はるばる来たぜ

函館へ.


というのは昨日までの話で,今日からぼちぼち通常営業に戻ります.来週からは大学再開.

最近,普通にリサーチペーパーをがんがん読めています.大学授業期間は,英語教育モードと言いますか,大学業務モードで頭がおバカなので,夏休みが始まった頃に,最前線のリサーチペーパーを読んでみると,理解がなかなかできないとか,頭が痛くなるとか,妙な自覚症状があったのです.

授業再開で,また冬休みにリハビリ期間が必要になるかもしれないので,今週末は最後にやりためておきたい仕事をしておきます.

ぼちぼち行こか.

2011/09/05

予備校の英語

H大さんの図書館で(実は現実逃避なのだが...),予備校の英語というのを見かけて,ついつい懐かしくなって読んでしまった.

筆者は伊藤和夫.「受験英語の神様」と呼ばれ,駿台予備校という全国型の予備校を成功させた功労者である.

私とこの人の出会いは高校時代.

既に廃刊になったが,研究社が「高校英語研究」という雑誌を発行していたことがあり,友人がそれを持っていたので「高二の英文解釈(これは,全編が編集され,英文解釈教室基礎編というタイトルで出版されている)」というコーナーで氏の記事を読んだのである.

友人がその雑誌を持っていた理由は,予備校(K塾だった)で進められた「パラグラフリーディング特集」というのに惹かれたからということであり,私もその記事は読ませてもらったのだが,イマイチ興味が持てなかった.

電車を待つ間,私はぱらぱらといろんな記事を流し読みし,氏の記事にだけは目が止まった.

正直,衝撃的だった.

当時,英語が苦手で特に興味もなかったのだが,氏の解説を読み通すことによって,初めて英語が理解できるという感覚が感じられた.

経歴説明の箇所を見ると,「英文解釈教室」,「ビジュアル英文解釈」などがベストセラーとあり,いてもたってもいられなくなった私は帰宅後,すぐさま近所の割と大きな本屋さんまで自転車を走らせ,ビジュアル英文解釈(上下巻)を購入した.

この本をむさぼるように読んでから,私の英語力が劇的に飛躍することになる.

というわけで,伊藤和夫という人から直接教わった経験はないが(現在,Youtubeで一部,講義は聴ける),この人の参考書(たくさん)には大変お世話になった.

氏の英語教育へのスタンスと取り組み方は十分すぎるくらいマスターさせてもらったので,これは大学以後,塾,予備校での仕事で大いに役立つこととなった.

年月が過ぎ,いつの間にか私が大学で教えるという立場に立っている.

氏が臨終の間際に編集したという「予備校の英語」は,予備校という,アウトローな立場ながら,高校と大学の橋渡しという立場から見える英語教育への批判的考察が地に足が着いた形でなされている.

いろいろと耳に痛い批判もある.

入試問題の形式に対する批判もある.これは,ちょっとずつ改善していきますと言うしかない.詳細は記述できないが(興味のある方は,うちの大学の試験問題を分析されたい),進歩はしているという言い方はできると思う.

解答例や採点基準が公開されないのは,職務怠慢ではないかという指摘もある.

これは仰る通り.はっきり言って,大学教育の側が胡座をかいているだけの話なので,フェアではないだろう.

ただ,大学の立場の人間から言える範囲のことだけを言わせてもらえれば,出題者の側にそこまで英語力 or 思考力がない,ないしは受験生の力が見えていない,英語教育の実態が分析できていない,という要員は多分にある.

中堅どころの私学など,どこも似たり寄ったりではないかと推測する.

まぁ,旧帝大や名門私立大学などがぼちぼち情報を公開するようになってきているので,それがある程度参考になるだろう.

特に,関西圏で入試問題を解析していた頃から好意的に見ているのだが,同志社大学なんかはいい.入試問題に変な癖がないし,しかも出題傾向や対策,正解率もかなり分かりやすい形で公表されてある.

時代は少しずつ変化しているのである.

「口語重視,使える英語」の旗頭の下に,英語教育,特に中学英語の中身がすっからかんになった感は否めないが(ホテルやファーストフード店で注文する,ちょっと挨拶を交わせる程度のことが国際交流であると思われているうちは,もっと深いレベルで異文化を理解する機会を失うことになるということを世間の人たちは認識して欲しい),大学は大学でそれなりに世間と文科省の役人と戦っているという面もある.

決定権は残念ながら大学だけにはないのである(京都大学のように,我が道を進めるような所も例外的にはあるが).

私も微力ながら,大学教育に貢献していきたいものであると意を新たにしたしだいである.

余談ながら,伊藤和夫師(注:駿台の慣例に従った)の臨終の言葉は,看護師さん(氏は一人身であった)に向かって言った「大変お世話になり,本当にありがとう」という一言であったらしい.

昭和一桁世代の老紳士の最後にふさわしいと私は思う.

2011/09/04

スープカレーなるもの

そういえば,本州の人たちに「スープカレーってどういうの?」と何度か質問されたことがあります.

まだそんなに食べたことはないけれど,イメージとしては,カレー味の色とりどりの野菜が入ってあるものという感じです.

所謂,日本のカレーライスとは一線を画している感じ.

スパイスの香りが食欲をそそるし,暖まるし,寒い北海道に馴染んでいる料理という雰囲気が良く伝わってきます.一度にたくさんの野菜を摂取できるので,観光した時の野菜不足も補えるのではないでしょうか.

そーいや,9月になってもうスタッドレスタイヤのCMが流れていますな(さすがに,冬の北海道はあんまりいい場所じゃない.不便なことも多いし).

ところで,先週,ご近所のけっこう有名なスープカレー屋さんに入ったときのこと.

ドアを開けるなり,店員の女の子がキャーキャー騒ぐので,何事かと思いましたが,なんと,うちの本務校の学生さん.

( ̄▽ ̄;)

こんな近くに...

仕事をしている格好はなんとなく頼もしくも見え,私は最初全然気づきませんでした(まぁ,顔もあんまり覚えていない方だったのですが).

というわけで,密かにドリンクをサービスしてもらいました.

役得.

たかだか店に行っただけでこんなに喜んでもらえるなんて,なんか嬉しいような,なんと言いますか(また行こかな?).

しかし,後期授業の足音がそこまで近づいてきているので,私は気が気ではありません.

憂鬱だ.

気のせいか,若い女の子の集団を見ると,動悸と息切れが...

2011/09/02

理解はできないけど

えっと,H大さんでちょっと必要な専門書があったので本を借りてきたのだけれど,その横に,「ダーリンは外国人」シリーズで有名な小栗左多里さんの

英語ができない私をせめないで

という本があったので,手を取って,ついつい立ち読みしてしまいました.

その中身なんですけど.

凄く正直に言うと,タイトルで言い訳されている通り,怠け者でやる気がないけど文句だけは一人前に言うという人間の自己正当化の言説で埋め尽くされている感じです.

正直に言って,全然共感できないし,腹も立つし,読んでいていらいらしたりもするのだけれれど,それでも

「バカの言うことは理解できない」

と,全てをシャットダウンするよりは,やらない&できないとかいう人たちの考えることも少しは見聞してみたいと思って読破しました.

一度「やる」と決めたらとことんやらないと気が済まない性分の私としては,時折出てくる小栗さんの旦那のトニーの言説の一つ一つには頷けるのだけれど(e.g. 何か不明な点があればすぐに調べる,「その言葉だけ教えたって意味ないんじゃない?本当に知りたいなら,言葉全体を自分で勉強すべきだし,まず辞書をひくべきだよ p. 39」,「(英会話)学校に大金を払うなんてバカバカしいよ.そんなにお金をかけなくても言葉は覚えられるのにp. 40」),よくもまぁ,文化的背景も価値観も噛み合わないのに夫婦になれているよなと感心してしまう.

まぁ,どっかで気があっているんでしょうけど.

しかしながら,それでも,いろいろな巷の怪しい英会話学校の中身を紹介してくれるので実に有益でした.その手の学校はいろいろと見聞きはしていても,実際,私は通ったことなどないもので.

例えば,発音を強制するのに割り箸やらなにやらでごちゃごちゃやるとか,マンツーマン指導をして欲しければ,500万円を払わないといけないとか,この手の小規模の詐欺的英会話学校の話もあれば.

あちこちによく広告が打たれてある「英語耳になる!」とかいうマジックリスニングなるものが,たかだかCDと聴音機器セット一式で5万円もするのに,単なる睡眠装置でしかないとか(トニーが5分で寝た!とか,笑わせてもらいましたが).

しっかし,あれですね.

英語が使えればかっこよく見えるとか,英会話がいい趣味だとか,しかも英語力があれば実際,いい会社に就職できて,給料もよくなるとか,いろんな事情があるせいだと思うのだけれど,日本における英会話神話の歪みは本当にどうしようもないレベルにあるなと再認識したのでありました.

大学教育に携わる立場の人間としては,これら詐欺行為を告発し,徹底的に叩きつぶすぐらいのことをしないといけないのだろうけど,かといって,本当に英語が使えるようになるために越えないといけないハードルを提示したところで,大半の人間はやる気をなくして,投げ出してしまうのだろうなとも思う.

まぁ,そういうわけで,常に一定の少数の使い手だけがおいしいリソースを独占できるのだと考えることにして,日本の英会話産業を特別攻撃するようなマネはやめておきますけれど.

というわけで,また気が向いたら日本の英語教育事情についても考えてみようかな?

2011/08/29

幼稚園に行く

えっと,今日もちょっと幼稚園にお邪魔してきました.

子供たちにはすっかり顔を覚えられていて,いろいろと懐かれ放題で,なかなか楽しかったです.

引っかき回されて,連れ回されて,抱きつかれて,「あれしてー,これしてー」のオンパレード.

ま,子供に好かれているうちは人間,生きていていいんだろなと思います.

実を言うと,あまりに懐かれすぎていて,教室でみんなで揃ってやらないといけないこと(お祈りとか)をしている最中に,私が視界から離れるような場所にいると探しに来るような子供たちもいる.かといって,廊下で視界に入るようにしていると先生の言うことを聞かないで私の方ばっかり見てきたり,そのうち私の方にやって来るので,それを教室に戻して,ということを繰り返してしまうので,ちょっと迷惑をかけてしまったこともある.

すみません.

一度,教室に入ってみて,同じように先生の話を聞いてみたりもしたのだけれど,私の周りに子供たちが集まってしまうので辞めました.なんか,どう振る舞っても迷惑になっているような気がする.

申し訳ない.あと,1,2回なので勘弁してください.(保育士さんが笑顔で返してくれたのが救い.ホンマ,すんまへん)

ところで,一人,ちょっと扱いの難しい男の子がいるのだけれど,この子にも随分と気に入られてしまいました.

実は両親が離婚して,父親が不在らしいので,たぶん遊んでくれる大人の男性に飢えていたんじゃないかと思うのだけれど.

いつだって,子供は親を選べないんですよね.かわいそうですが.

この子の話を聞くに,どうやらその別れた父親は自衛官だったらしく,私と自衛隊ごっこをやりたがっていたので,私も話を合わせていたのだけれど,しばらくしてから私が他の数人の子供たちに連れ去られ,その後で,その連れ去った子供の一人を「アタック」と称して叩いたとのこと.

「自衛隊ちゅうのはな,自分の都合で人を叩いたりはせえへんし,他の人が暴力で困っているときにだけ,仕方なく力で守ってくれる人たちのことやんな.どんな理由があっても友達は殴ったらあかん.悪いと思ったんやったら謝っとき」

と,どっかの運動家さんに「洗脳教育だ」とか言われそうな話をしましたけれど,専守防衛という概念は分かりやすいのか,納得してちゃんと謝っていました.

日頃から,この幼稚園の指導が行き届いている証左なのだろうし,子供はまだまだいくらでも修正が利くので,幼児教育の根本と重要性を知ったような気がします.

そんなこんなで,楽しかったんですが,エネルギーも使いますね.帰宅して,昼ご飯を食べた後,20~30分眠り込んでいました.

その後は,最近,入り浸っているH大さんの図書館で仕事.iPadかMacBookを持って行けば,ネットはつながるし,Electronic Journalにもダイレクトにアクセスできるし,図書館は涼しくて快適で,周囲でも学生や研究者がいろいろ机に向かっていて,雰囲気が良くていいです.こんな設備をお金をもらって使わせてもらっているのだから,いい立場だなと思います.ここで仕事していて一番いいなと思う瞬間.

18時半まで図書館に籠もり,その後,買い物に行き,夕食を作る.今日の献立は,サンマの塩焼きにたっぷりの大根おろし,ご飯,トマトのスライス,焼き茄子,インゲンのゴマ和え,アスパラとオクラのソテー.

ネットサーフィンをし,いつも通り(泣)マリナーズの敗戦を動画ダイジェストで確認し,焼酎をロックで飲む.(焼酎を飲むのは実は珍しい)

ところで,子供たちと遊ぶときにはサッカーができるとポイント高いですね.

ボールをキープしていると,たくさんの子供たちが寄ってきて,それで羨望の眼差しで見られます.

本当は野球がしたいんだけど.

2011/08/27

モエレ沼公園

モエレ沼公園というところに行ってきました.




札幌,いろいろあっていい所です.

ま,夏が終わると,雪の冬が待ち受けているわけですが...

ダルビッシュ有

札幌ドームにダルビッシュ有を観に行ってきました.

この日は調子も良く,そしてプロに入って初めてというワインドアップの投球でした.

15三振を奪いながらも,自責点1,失点1での負け投手.この日の出来で勝ちがつけられないのは,ちょっと気の毒.日ハムの拙攻が目立った試合でした.

ダルビッシュは最高球速が156kmだったのだけれど,スピードガン以上にボールが「きている」感じ.伸びが素晴らしく,打者の手元でくいっと食い込んでくる雰囲気.

投球フォームも美しく,右手が身体にまきつく感じでリリースまでガマンされているので,バッターボックスに立ってみると,「びゅっ」といきなりボールが出てくるように見えるのではないでしょうか.

それ以上にこの日よかったのが,空振りを取る縦のスライダーとカウントを取る横のスライダー,それに110km代のスローカーブ,それにチェンジアップでした(「何があかんねん!」と言われそうですが,ちょっとツーシームが抜け気味で,それでカウントを悪くしたところを2回に狙い打たれました).

これらの球種をストレート(フォーシームファーストボール)と同じ腕の振りで投げられるのだから,バッターとしてはたまらない.

正直,日本の野球界では力をもてあましているような感じでしたね.

パリーグだと,今まで全盛期の野茂英雄,西崎幸広,阿波野秀幸,渡辺久信,渡辺智男,石井丈裕,岩隈久志,松坂大輔といった蒼々たる本格派を観てきた経験がありますが,恐らくダルビッシュはこの中でも一番なのではないかと思います.

しかも,年齢的にまだまだ伸びる余地があるというのが凄い.

私が今まで観てきた中での比較対象は,むしろロジャー・クレメンス,フレディ・ガルシア,ティム・ハドソンといったメジャーの一級とするべきなのかもしれません.もしかすると,ロイ・ハラデイやジャスティン・バーランダーと比較しても遜色ない投手になれる素質を持っているかもしれない.

というわけで,この選手はお金を払って観る価値のある選手で,その機会がたくさんあるというだけで札幌にいるメリットは高い.今後も生で観たいなと思いますが,メジャーでどれだけやれるのかを観てみたいという気持ちがあるのも正直な感想.

蛇足ですが,雰囲気があって,歩いたりキャッチボールをしているだけでもかっこよかったです(球場外で生で見たことはありましたが,やっぱりユニフォーム姿は別格).

iPhoneでズームなしの写真なので遠目で見えますが,実際はけっこう近い.腕のリリースポイントが見たかったので,3塁側の席に座りました.一度,バックネット裏で見てみたい.

2011/08/25

文庫本

自分のちゃんとした(?)ウェブサイトでも宣伝したのだけれど,生成文法の企てが岩波現代文庫から出版されました.

ハードカバーの改訂増補版で,手軽なサイズで読める本です.

生成文法の入門書みたいなのは巷にけっこうあるのだけれど,どれもわりと似たり寄ったりで,テクニカルな言語分析が多くて皆それなりにいい本なのだけれど,初学者に訴えかけたり,部外者の人たちが興味を持って読むというニーズにはなかなか応えられていなかったのではないかと思う.

そういう意味では,この書は翻訳者が腕利きの研究者ということもあり,概説も簡潔かつ要領を得たものだし,チョムスキーの思想的バックグラウンドや生成文法の目的というものがよく分かる有益な本なのではないかと思います.

本屋でちょっと立ち読みしてみて,いいかなと思われた人にお薦め.

2011/08/20

第93回選手権大会総括

日大三高が優勝しましたね.おめでとうございます.

結局,前評判通りというか,大本命が優勝した感じですが,私は,このチーム自体も好きですし,小倉監督も好きなので,勝手に納得しています.

それにしても,日大三高は強かったですね.攻守にスキがなさすぎて,文句のつけようがなかった.結局,苦戦したのは甲子園での智弁和歌山戦と,西東京大会決勝の早実戦くらいでしょうか(早実も中学の日本代表投手,内田くんを中心に最強チームとの呼び声が高かったのですが).

ここ一番で畳みかける攻撃力といい,鍛えられた守備といい,好投手吉永くんといい,とにかく高校野球のレベルを超えすぎて,対抗馬が去年の優勝校興南高校(ここも凄かったですが)ぐらいなんじゃないかって感じでした(今回の選手権大会に出た高校だと,原くんのいる東洋大姫路,釜田くんのいる金沢だと接戦になりそうですが,どちらのチームも攻撃力がなさ過ぎて吉永くんを攻略できなさそうだし,春の王者東海大相模も打力と守備は申し分なくとも,近藤くんでは日大三の打線を抑えられそうにない).

かといって,これだけ素晴らしいチームの選手だったとしても,次の段階で活躍できるかどうかと言われると別問題.特に,プロ野球の壁は高くて厚いのです.実際,10年前に優勝した当時の最強チームの主力選手も,結局プロでは鳴かず飛ばずで現役を終えざるを得ませんでした.内田,都筑,千葉ですら,出場機会すらほとんどなく,六大学(明治)に進んだ主砲,原島くんも結局,大学野球ではぱっとせず,選手生活を終えるに至っています(結局,残っているのはオリックスに下位指名された投手の近藤一樹のみ).

というわけで,甲子園で活躍しても,そこから次の段階で活躍するのは至難の業.世の中,野球の上手い人間なんて腐るほどいるのです(だから,早実で甲子園優勝,早大でも全国優勝した斎藤くんは,世間が思っている以上に凄いんです.そりゃ,松坂だの,ダルビッシュだのと比べられると一段も二段も落ちてしまうのですが).

それで,完全なる私見ですが,今回の日大三高の選手達を勝手に評価させてもらうことにしました.全選手を素晴らしいと賞賛の目で見ているということだけは,前提として頭に入れていだきたいと思いますが.

1番ショート:清水くん
→攻守と足の速さが光り,なおかつシュアな打撃でチームを引っ張った.大学レベルでの活躍は見込めるが,その後は2段,3段とレベルアップしないとプロの目はないと思う.

2番ファースト:金子くん
ショートも守れる器用さを持つファースト.シェアな打撃と足の速さも魅力.2年生なので,これからの伸び次第.

3番センター:畔上くん
見事なキャプテンシーでチームを牽引した素晴らしい選手ですが,これくらいのレベルの選手だと,6大学や東都の主力選手にたくさんいるかなという気がしないでもない.

4番サード:横尾くん
強い肩と引っ張り専門の力強い打撃が印象的.ただ,守備では両サイドの動きがちょっと緩慢.打撃では,テークバックからの振りが大きすぎて,かつ変化球に対する対応が雑.意外と起用にいろいろ克服して,西武の中村みたいな選手になれるのかもしれませんが,まずは木製バットでも同じような打撃ができるのかどうかというのがポイントか.次の段階ではいろいろと苦労しそうな印象.

5番ライト:高山くん
シュアな打撃に,速い足,強い肩と3拍子揃った選手で,今回の日大三高の野手では一番プロに近い選手と見る.特に,今日のようにインサイドの球をバックスクリーンまで運べる肘の柔らかさは天性の物.今後の活躍に期待したい.

6番セカンド:菅沼くん
今大会のラッキーボーイ的存在.本職は外野みたいだが,セカンドの守備もそつなくこなす器用さを持つ.テークバックからの運びにムダがない打撃で,恐らく,大学進学後もそれなりに活躍するのではないかと見る.

7番キャッチャー:鈴木くん
チームのガッツマン的存在で,とにかく身体を張ってボールを止める動作が印象的.インサイドワークはそつないが,肩がそれほど強くないのがウィークポイント.しかしながら,投手の信頼を集める性格らしいので,チームとしては尊重される捕手になれるのではないかと思われる.

8番ピッチャー:吉永くん
大黒柱として優勝に貢献したエース.最速149キロの速球をコーナーに投げわけ,キレのあるスライダーとシンカーをストレートと同じ腕の振りで投げられる強みを持つ.美しい投球フォームにどっしりとした下半身も印象的で,ここという場面では確実に三振が取れる力を持っているのもいい.時折,気を抜いて制球を乱して点を取られるのが玉に瑕だが,大学でもプロでも休養はそれなりに与えられるはずなので,ペース配分に気を取られる必要はないはず.ツーシームで右打者の内角,左打者の外をつく投球を身に付けられれば,プロでも十分に活躍できると思う.早稲田進学志望ということで,早実の内田くんとのダブルエースが確立できれば,早稲田大学も復調のきっかけになるはず.

9番レフト:谷口くん
足が速く,攻守でなおかつ,器用なバッティング.他の強豪チームなら,十分に1番か2番をはれる実力.今後は,進んだ先のチームの事情次第といったところか.

ま,皆さん,若いので,これからも大化けする可能性はありますしね.楽しみです.

でも,野球を辞めても,まっとうな道を進んで欲しいものだと思います.日大三で小倉監督の指導を受けていれば,間違いはないと思いますが.

2011/08/17

変だとは思うのだけれど

今,住んでいるところから,最寄りのポストは郵便局の前と,H大さんの教養棟の中にあるのだけれど.

H大さんに書類を送らないといけないときに,ちょくちょくH大さんとこのポストに郵便を出しています.

それで,実は宛先が同じ建物の中であったりする.

こういう郵便物の経路ってちょっと知りたいなと思うのだけれど,たぶん,一旦回収して郵便局の集配所に行ってから,また戻ってくるわけですよね.

郵便物くんの立場から言えば,

「なんで投函した場所に帰ってくるねん」

って気分にはならないのだろうかと,ちょっと思う.

めんどうなので,直接目的地のメールボックスに入れてやろうかとも思うのだけれど,消印がなければ(気づかないと思うけど)ちょっと変に思われるんでしょうね.

ま,今日も普通にポストに投函してきますけど.

2011/08/15

目線が変わる

えっと,相変わらずの高校野球好きで,今日も第1試合と第4試合を途中から観たのだけれど.

智弁学園,凄いですね.9回ツーアウトから8得点て.

なんか今年は「大逆転!」という試合が多いですね.

横浜高校はユニフォームも,校歌も(最近,ポップスぽいのとか,変なのが出てきつつあるけど,私は堅いのが好きだ),チーム力も,そして渡辺監督も好きなのだけれど,智弁学園はけっこう縁があるというか,地元に近いし,出身者に知り合いも多いので,帰宅して8回から観戦している間はずっと応援していました.

というわけで,アドレナリンがかなり出てきました.

野球としてゲームを楽しむというのももちろんあるのだけれど,最近は,親の視線から考えることが増えてきましたね(まだ,独身ですけれど).熱闘甲子園なんかで,親が子供の活躍を観に来られるという話題があると,ついついこっちも嬉しくなってしまう(ちなみに明日は若くして両親を亡くして,祖父母に育てられたという能代商業の4番山田くんが出てきますね.祖父母が観戦に行けるみたいなので,自分のことのように嬉しい).

夏の大会は文字通りの一発勝負で,もの凄いプレッシャーの下で試合をしているのだけれど,未だに土壇場で戦っている選手たちを観ると,自分の過去を思い出します.もちろん,素晴らしいプレーをする高校球児たちは,年下とはいえ尊敬してしまいますが(野球を知らない人たちに,一つ一つの基本的なプレーを実践するのに,どれだけの積み重ねがあるのかということを詳しく説明したくなるくらいです).

明日は,智弁和歌山と日大三高の対決が楽しみです.

私も,運動神経のいい男の子を産んでくれそうな人と結婚しようかな?(「選択権はお前にあるのか?」って?...すみません)

2011/08/13

夏休み開始

えっと,最近は大学でもきっちりと15回授業を実施しなければならないという縛りがけっこうきついので,だいたい8月の2週目で国立大学の講義が終わり(私立だと1週間くらい早い),私もやっとこさ前期の講義が終了しました.

しかしながら,厄介なのが,試験の採点 or レポートというもの.

ちょっと多めに概算して,1クラス40人の講義を10コマ担当していると考えれば,400人分の答案に目を通さないといけないという計算になる(10コマもやるもんじゃないですね).

正直,けっこうめんどうくさいし,時間がかかる(そういや,母校の教員で数人,学部生のレポートは読まないと断言されていた人たちがいたな.今となれば,その気持ちがよくわかる.そのうちの一人が今,学長さんであるということはナイショ).

しかしながら,教員である以上はフェアネスを守らないといけない.

というわけで,この1週間ほど,高校野球を観ながら(「いい加減やん」と言われたらそれまでですけれど)採点をしていました.(単純作業だと集中するほどでもないので,ちょっとした雑音が欲しくなる)

それで,今日,私の生まれ故郷の通称「かしこ〜(でも,所謂,大阪3K私学...)」の試合途中3回表に,めでたく採点終了!

というわけで,私も夏休みに入ります(締め切り控えた論文とか書いて,すぐに終わる予定ですが).

ところで,先日,またしても男の一人暮らしということで,学生さんたちに,「先生,野菜はちゃんと食べないといけないですよ」とか言われたのだけれど(食生活の話題になったのは,ある学生さんがカップラーメン生活をしているという話から.あかんよー,若いうちからの不摂生は),私は栄養学科のある本学でも,たぶん野菜を多量摂取する人の上位ベスト5に入るのではないかと思う.

何せ,2日前と1日前の夕食のメニューが「トマトと小松菜とレタスのフレッシュサラダ,インゲンのゴマ和え,焼き茄子のサラダ,冷や奴,マンゴーピューレとヨーグルト」で,今日も「フレッシュサラダ,インゲンのゴマ和え(いんげんがなぜか最近めっぽう安いのだ),パスタサラダ(リーゾというお米の形のパスタ,キノコのソテー,ズッキーニのソテー,トマト,パプリカが入っている)」という食事.ちなみに夕食に炭水化物を取るのは多分,5, 6日ぶり.

なぜこのような食生活をしているのかと聞かれてもイマイチよく分からないのだけれど,たぶん,野菜が安くておいしい時期だということと,一人分だと野菜だけでお腹がたくさんになっちゃうからという事情があるのだと思う.肉や魚を買って食べるだけのスペースがないというか.

そういうわけで,自称,バランスの取れた食事をしているのだけれど,「血が薄くなりそう」とか言われてしまいました.ま,実際,健康診断で貧血気味という結果が出てしまったのだけれど.

それでは,皆様,よいお盆休みを.


今日のサラダはこんなのです.チコリ,トマト,サニーレタス,サラダ用のほうれん草が入っている.挽いた塩と胡椒,エクストラバージンオリーブオイル,それにライムないしはレモンを搾ってから,バルサミコをかけて混ぜてます.この時期には酸味があってなかなかおいしい.この分量が2回分できちゃうので,必然的に夕食のメニューが2日かぶるし,お腹もわりと一杯になってしまう.

2011/08/09

いつ禿げるか

明らかな性差別だと思うのですが,「チビ,デブ,ハゲ」の3拍子揃ったら,なんか適切に基本的人権が守られないような気がします.

特に,女子大の教員なんかをやっていると,この3拍子を揃えてしまったら,それこそ,存在しているだけでセクハラ扱いされそうというか(本当は逆なのに),声をかけただけで不快に思われたり,講義中に指名しただけでセクハラ親父と思われてしまいそうなので,けっこう深刻な問題であるような気がする.

何せ,セクハラの基準は,当該の関係者が不快に思うか否かが全てなのである.

この3拍子が揃ったら,学生さんをオフィスに呼び出しただけで一発訓告,下手をすれば解雇の憂き目に遭いかねない.

うーん.

まず,私は残念なことに,ちっこい.

牛乳もたくさん飲んで,運動もたくさんしていたけれど,ちっこいものはちっこい.これは努力ではどうしようもできなかったのである.

次に,デブかどうかははっきり言って,病気でもなければ自己管理の問題なので,これはコントロール可能である.私は,サイズは残念なのだが,プロポーションと体型はなかなかのものである.今後も適切な食生活と,適度な運動を続けていればなんとかなりそうだ.

問題は,ハゲである.

これも努力ではどうしようもない.

頑張ろうが何をしようが,お毛ヶ様は抜けられる時には抜けられてしまわれれるのである.

というわけで,3拍子のうち1つだけとかいう話だとたいした罪でもないような気がするのだが,3拍子のうち2つを満たしてしまうとなんか,ヤバイ事態になってしまいかねない.

それで,Baldness-calculatorという診断サイトがあるのでやってみた.

8つの質問に答えれば,いつ禿げる見込みなのかが分かるものなのである.

結果は.

私は75歳で禿げるという予測であった.

うむ.

どうやら,3拍子のうち1つで済みそうな見込みである.

ちなみに女性が満たしてはならない3拍子って何でしょうね?

2011/08/03

小難しい話

えと,何の因果か,あたしゃ,生成文法だの形式意味論だのといった,簡単に説明しているつもりでも「難しい」とか思われる理論に興味があって,それを生業としているわけだけれど,時々,部外者でも分かりやすいような話を聞くと羨ましいなと思うことがあります.

先日,H大(注:母校ではない)さんで社会心理学の結城さんの話を学生さん伝に聞いて,「そんなもんかね(ま,分かりやすいし,事実だとするとおもしろいけど)」という感想を持ちました.

まぁ,理解にそんなに知的負荷がかからなくて,かつ「おもしろい」とかいう話なんですね.

この研究者は,この分野では有名らしいですが,例えば,日本の顔文字で笑顔は

( ^ _ ^ )

なんかが代表的で,欧米では

: - )

なんかが代表的ですよね(注:横向きに見る).

統計的に実験してみたらしいのだけれど,日本人は目の形,アメリカ人は口の形を見て笑顔かどうか(そして感情を)読み取るのだというお話でした.

ソフトな感じなのがいいのかなとも思うし,この手の知的負荷がかからなくて,理解しやすいという事柄に快感を覚える人たちが最近の大学生さんには多い印象なので,こういうのがイマドキの優秀な学生を惹きつけるコツなのかもしれない(しかし,言語学でもそうだけど日本人って文化相対論が好きな人が多いですよね).

まぁ,言語学にもこの手のソフトな手法を用いている分野に認知言語学というのがありますけれど.

個人的には,ありきたりな一連のデータを持って来て,それを理論でサクサクと切っていったり,日常のごくごく「当たり前」のような物事に理論的「説明」が与えられることの方がおもしろいと思うのだけれど,これは感性の違いというか,理解してもらうのにけっこう長い道のりを経てもらわないといけないので,なんか初学者を惹きつけるのにいい手段ではないなって気がしてしまいます.

なんか工夫せんとあかんのやろな.

2011/08/02

教育という産業

昨今の私立大学は,推薦で下手をすると半分くらいの学生を集めるという手段を取っています.

高校の成績は人並み以上にあり,人格が破綻しているという人でもなければ,だいたい簡単に合格できてしまうのが現状である.

というわけで,受験勉強に一番熱が入る年末年始に勉強しない学生さんたちがたくさん入学してくるので,そういった学生さんたちにいかにして勉強していただくかというのは,中堅以下の私立大学全体が抱える悩みの種.

そういうわけで,入学前準備講座というものに予備校もぼちぼち参入してきたみたいで,T(東(つまり天竺と逆方向)に進む(授業料が)高い学校)という,業界では実は評判のよくない予備校さんの話を聞いてきました.

単刀直入に言えば,全ての話が作り物っぽくて,しかもかなり嘘をついていらっしゃいました.

まぁ,営業さんも元業界関係者が混じっているとは微塵も想像していなかったのかもしれないけれど,「200人以上の講師を抱えている」とか,「優秀な添削者たちがたくさんいる」とか,全部,デタラメやん.

悪いけど,あんたんところの予備校って,生授業をする講師が両手と両足があったら全教科数えられて,添削者とか普通にその辺の大学生のバイトさん雇ってますやん.イマドキはバイト情報誌なんかも簡単にネットで見られるのに(確認した).

何でそんな見え透いた嘘をつくかな.

それと,誰もわからないとか高をくくっていたのかもしれませんが,少なくとも英語の教材のレベルが極めて低い.

デタラメだ.

数ページ読んだだけで,知識がないというか,英文法の体系が頭に入っていない人が書いたということがはっきりと分かる.

こんなもん,うちの学生さんたちに金払わせて読ませられませんわ.

定期的に学生さんのところに電話をかけて,添削文章をできるだけ褒めたらそれだけで勉強するとか,DVDを見るとか,ちょっと俄には信じられませんね.

まぁ,優秀な人たちを雇うにはそれなりにコストもかかるわけで,システムに粉飾がないというか,教育のどこにお金をかけて,コンテンツを常に批判される場所にさらして,適宜,開発を行っているという予備校は,基本,KさんとSさんだけなんだろうと思う.

これは,数年にわたって蓄積された「信頼・信用」だし,それに毎年自分が相手にしている学生さんたちに大学受験指導を行っている,進学校の先生方の毎年の評価をクリアし続けていることによって形成された一定のクオリティなのであると思う.

教育という実態のないものに対しては,この種の信頼感は確実に資本価値となりうる.

実質,やっていることに大差がなくても,日本では東大,アメリカのハーバード,イェール,プリンストンの御三家,イギリスのオックスブリッジで教育を受けたということに,みんながそれなりの価値を置いているということは,この種の教育を提供している集団に対する信頼感と等価であると思う.

また,そういった教育は基本,対人関係を主眼に置いているものである.

人は,教育を施してくれるレクチャラーと対面することができ,人と人との息づかいが共有できるという実感に対して,対価を支払うのである.

授業料が高くても,人が払うことを(あまり)厭わないのはそのためである.

単に知識を仕入れるだけであれば,本でも何でも購入すればすむ話なのである.

例えば,マイケル・サンデルの講義を直に聴くためにハーバードの学生は勉強し,お金を払っているわけである.単にサンデルの思考と授業内容を知って満足するというのであれば,巷の本とiTunes Uと論文を購入するなり無料でダウンロードすれば済む話なのだ.

ある人,Aがサンデルの講義にハーバードで直に参加し,討論した上で単位を取得した場合と,BがiTunes Uで全て講義内容を覚えたという場合,前者に価値が置かれるのはそのためである.

話を戻して,新規参入をしたければ,それなりの覚悟と自信と,それと内容のあるソフトとハードを持って来てもらいたかったものである.

人を動かしたいのであれば,教育という現場であれば,やはり人が必要であると思う.

優秀な人材を一定数育て,そういった人たちを学習前教育に投入してくれるのであれば,より魅力的な商品が提供されると思う.

現在の予備校界の現状を見て,対面授業に重きを置いたKさんが躍進,なんだかんだで東京三菱他に買い手がついて,倒産のピンチを免れたSさんも対面重視,衛生授業やDVD重視のYさんやTさんの惨状を見れば,自分たちでよく分かっているだろうに.

単に「ビジネスチャンスだから」といって,適当に今あるコンテンツを貼り合わせて,DVDを新たに制作して持って来て,「はい,そうですか」とすんなり首を縦に振るほど,大学教員もバカではない.

営業は押し,と思っているのかもしれないが,それは違う.

大学も自分のところで預かる学生にお金を払わせて勉強させる以上は,それなりの信頼感がなければ投資をすることはできない.

その種の信頼感を確立するに足るシステムを作って持ってこられれば,もちろん,我々も諸手を挙げてお金を出すことになるであろう.

まぁ,私の本務校が今も普通に生きているのは,先人達の積み重ねてきた伝統があるからなんだろうけど.

って,いつまでものんびりしていて大丈夫という保障は今後もありませんけどね.

2011/07/30

連投だけはやめてほしい

今でも高校野球は大好物なんですが.

エースの意地激突、譲らず決勝再試合 兵庫

もう,本当に連投だけは辞めさせてあげてほしい.1日間を開けて,31日決勝の何が問題なんだろうか?

両投手とも200球近く投げて,それで加古川北の井上くんにいたっては,3連投って.今日投げたら4連投じゃないですか.

「本物のエースなら連投にも耐えられる」とか言われますけど,斎藤佑樹だの,松坂大輔だのって本当に例外中の例外で,甲子園優勝投手でプロでも活躍できたのって,それ以前だと桑田真澄まで遡らないといけないし,その前になると,もう誰になるんだか.(個人的には西日本短大付属の森尾投手なんか,本当にもったいないことをしたと思うし,準優勝だけど,沖縄水産の大野投手なんか,軽いトラウマになっている.折れた腕でボールを投げないといけなかったって)

それに,松坂もついに肘を壊してしまったわけだし.

体力だけの問題じゃなくて,肘と肩の負担って尋常じゃないんですよ.本当に.

私みたいな凡人だと,練習試合で完投しただけで,翌日は腕も上がらない状態になっていたんですから.

勝ったとしても,その後は,甲子園で選手権大会が待っているんだから.

さすがにこれだけは,「虐待」と言われても仕方がないと思う.

ショッキングなニュース

えっと,めちゃくちゃ狙っていて,全力で応募しようかと思っていたのですが.


WAFL 8 call for papers

え?

え??

次の開催地,ヨークって,行ってましたやん!

私,里帰りする気満々でしたのに.

めっちゃええ機会や思てたのに...

何かあったんかな...

うーん,また考え直そう.

2011/07/28

杜撰な翻訳

えっと,何か,杜撰な翻訳とその内情が関係者に暴露されていますが.

実を言うと,大学教員の「論文」なるものにも,この手の業者さんに翻訳を依頼している人たちがたくさんいて,そういった人たちの英語が...

まぁ,事実なんて暴露してもいいことはないですな.

「大学機密漏洩罪,および守秘義務違反」で解雇.

おぉ,こわ.

2011/07/25

ラベンダー

北海道はラベンダーの季節なので,ちょっと花を見てきました.



ラベンダーの香りが一面に立ちこめていて,それでいて風がちょっと冷たくていい感じでした.さすが「天然の冷蔵庫」と呼ばれる大地.

「暑いですね−」とかいう会話を繰り広げていらっしゃる道民さんたちの感覚は,まだよくわかりませんが.

さて,大学の授業はもう最終週.テスト作成が終わったので,今週の講義はめーっちゃ楽です.

まぁ,後に採点作業という厄介なのが残っているのですが.(全部,e-learningで処理したい)

2011/07/17

大阪遠征

大阪に行ってきました.

電車で新千歳空港に行こうとしていたのだけれど,人身事故で電車がストップ!北広島からタクシーを拾って,4人でシェアして空港に行く羽目になりましたが,とりあえずは無事にたどり着けました.

大阪は,外を歩いていると,うだるような暑さで,地面で目玉焼きが焼けるようなアスファルトの暑さ,強い日差しと蜃気楼,流れる汗,すぐに喉が渇くという症状が出てくる.

そうなんだ.

これが夏ってやつなんだ.

大変.

というわけで,大阪訪問初日にして,いきなり軽いホームシックにかかりかけたのだけれど(今は北海道民なのです),姪っ子たちと遊んできたり,友人達と会ってきたり,とても充実した休日でした.

まぁ,自分にも帰る場所はあるらしい.

姪っ子さんは,新しく二人目ができたのだけれど,一人目の子はもうだいぶ言葉も話せるようになっていて,元気で,それでめっちゃくちゃなつかれました.

かわいい.

5歳になったらUSJに行こうかと吹き込んでいましたが,ディズニーランドに行きたいと催促されました.けっこう本気で考えるか...

遊んだりしていたのが楽しかったらしく,帰り際には泣かれそうになりました.

「バイバイ」って言ったら,また来てくれるよ.

というお母さんのフォローのおかげで,「バイバイ」と言ってもらえましたが.

ま,また行かないといけない.

翌日の結婚式は,朝から挙式,それで昼から披露宴ですっかり疲れたので,すっかりおっさんになった我々はカラオケボックスで休憩(一曲も歌わなかった!)してから,二次会,三次会へと繰り出す.

いろいろとあって楽しかったです.

この友人たちはちょっと思い入れがあったというか,大学時代にとても楽しく,激しく,そしてバカと無茶をやってこれた仲間たちだったので,凄くよかったです.

みんなそれなりに立派になって(髪が寂しいことになっている人たちもいたが),なんか落ち着いたというか,更生したというか,大人になったというか,貫禄が出てきたというか.

それでも,披露宴の余興DVDで,おもいっきり笑いを取りにいっていたところは相変わらずでしたけどね.あと,自分で言うのもなんだけれど,何せ集団塾の講師をやっていたつながりなので,みんな基本的に喋りは得意なのです.

人見知りしないし,マイクを持って人前で話すのも全然大丈夫だし,意外と(?)空気を読んで真面目にやるべき所はけっこうちゃんとやるし.

そんなこんなで,この集団で結婚していないのも実は私を含めて2人になってしまいました.

翌日は新しくなったステーションシティその他を見に,キタの街を歩き,はがくれで生醤油うどんを食べ,豊中のFlatでロールケーキをおみやげに買って帰りました.

札幌に帰ると,気温は24度.外はぶっちゃけ,ちょっと「寒い」.

なんか海外に来たみたいだな...

ステーションシティ.すっかりきれいになって,ヨーロッパの駅のようになっていました.でも,歩いているのは大阪の人たちがほとんどで,聞こえてくる言葉も関西弁.

夏の定番.ラーメンサラダもいいですが,シンプルで舌触りのいいうどんもなかなかいいのです.

2011/07/12

学ぶということ

自分も担当しているので知っているのだけれど,うちの学生さんで,受講態度がやや悪め,それで学力水準がけっこう低いという人たちがいます.

たまたま廊下を歩いていた時に見かけたのだけれど,彼女たちが担当の先生がいる空間で

「○○マジ,わけわかんねー」

「何言ってるかわかんない」

とか,なんとかかんとか,雑言を宣うておられたのです.

文字だけだと雰囲気や様子が伝わらないですが,最近の少女漫画やドラマのちょっと悪ぶったキャラみたいな感じでしょうか.土屋アンナさんがちょっとひねたようなしゃべり方でケタケタと話していたのですが.

思わず,襟首を掴んでどつき倒したろかとか思ったのですが(自分にもDVの気くらいはあるのかもしれない.気をつけないといけない),そんなことが許されるのは一昔前の高校までの話.

ここは既に大学なのです.

もしかすると,最近の大学生の傾向なのかもしれないけれど,ある種の講義を「わからない」と感じるとき,その原因を自分の知的怠慢や未熟さに求めるのではなくて,大学や教員の資質の問題であると考える向きがあるような気がする.

小さい頃から「お客さん」という扱いを受けてきたからなのだろうか,何か自分が分からないと,教師が分かるように教えないから悪いと条件反射的に考える人たちが増えたような気がする.

確かに,今までの,特に大学教員の授業に対する怠慢さは批判されるべきなのかもしれない.

しかし,それ以上に,大学生がまず知らなければいけない事実は,非常に逆説的なのだけれど,ある大学が大学としての知的役割を適切に果たしているとき,教員が果たす役割は非常に小さいということである.

極論すれば,教員ができることというのはほとんどないのである.

教員ができる可能な,そして最大の貢献は,「きっかけを与える」ことのみであって,何も考えないで単に大学に来て,単純に教室に座っていれば,自分たちが期待するだけの見返りが知的報酬として返ってきて,それを繰り返した結果,望むところに就職することが可能であると誤解している人たちは,学生,保護者,そして文科省らのお上に非常に多い.

残念ながら,教師には何も出来ない.

さっさとその事実を認識することである.

勉強というのは,自分でやるものであり,孤独と真剣に向き合うことができない人間は本来なら大学に来るべきではないのである.

それからもう一つ.

大学のできれば1年生の間に実感しておいて欲しいことは,自分が無知で取るに足りない人間であるという現状を認識することである.

断言させてもらうが,生まれてきただけで,ナンバーワンでオンリーワンだとかいう言説は単なるまやかしである.

他者からも,そして自分からも評価できる人間でありたいとするのであれば,自分が何も知らない存在であるということを実感し,そしてその事実と向き合い,一歩目を踏み出す決心をすることである.

もちろん,自分が些細な存在であると認識することは,不快で不安な体験であり,時には自分を大きく傷つける経験でもある.

しかしながら,その種の「洗礼」を経ないことには,知的好奇心を育むことは出来ず,自分の価値観を構築するということはとうてい不可能なのである.

であるからこそ,大学の講義においては,全てが分かりやすく,単純な講義しかないという状態ではいけないのである.

一定数,そこには,一度聞いただけでは理解できないような,難解で,新鮮な思考があってしかるべきだし,その必要があるのである.

正直に言って,大学にも取るに足りない講義は存在する.

単に教員の力不足であったり,プレゼンテーション下手なことが原因であることも多い.

一方で,学生の意見としては,「わからない」というものであっても,その奥に大きな価値が隠されている,知的能力に挑戦を挑みかけてくるような講義も必ず存在する.

学生が「わからない」という感想を持ったとき,それを「教師,マジ,うぜー」と言って全否定するか,自分が分からないという事実を認識し,分かるために何をするのか考慮するのか,その分岐路のどちらを選択するかで,その学生の将来は大きく変化する.

たかだか入試問題を解く学力の基礎段階ならまだしも,大学教育は学部と言えど,専門科目なのである.

受講していたときには,分からなくて,それでいて意義を実感できなかったものが,5年後,10年後に何かの形で実ることがある.

雑多にあれこれと知的興味の赴くままにいろんなことを考えるということは,この種の知的リソースの開発と,未来を意義深く生きるための嗅覚を磨くということに他ならない.

例えば,Steve Jobsは,大学の正規学生を辞め,聴講生であったときに,なんとなくの興味から書道に熱中することになるが,これが後年,マッキントッシュコンピュータのフォントの開発に大いに役立ったとスタンフォード大学の卒業式の特別スピーチで述べている.

さらにSteve Jobsはこの講演を「Stay hungry. Stay foolish.」という言葉で締めくくっているが,この発言は学習の意義というものを,大学を卒業しなくてもいち早く身につけた証左である.

自分が「わからない」という事実に向き合うことが,貴重な大学での学びの体験であるということを教えるだけの余裕が,大学にも,社会にも,そして教員や学生にも欲しいと思った今日この頃である.



英語字幕付きのSteve Jobsのスピーチ.後期には,本務校の授業題材にしたいのだけれど,難しいかな?

2011/07/08

大阪府警

えと,うちの大学の就職掲示板の横を通ったのだけれど.

警察官や消防隊の応募チラシがたくさんあったのですが.

大阪府警.

...

警察官募集案内ですら笑いを取りに行こうとする文化,凄いです.

って,俺が大阪人やんね.

今週末は大阪に行きますが,テンションについて行けるだろうか...(コッテコテの知り合いばっかりに会う予定なんだよな)

2011/07/01

夏野菜のサラダ

私は,自称「草食系男子」なので,野菜をよく食べます.

というわけで,本日は,旬の北海道産野菜をふんだんに使った野菜サラダのレシピを紹介します.

1. アスパラを茹で,その間にマイタケ,しめじをソテーにし,塩・胡椒で下味をつけます.余分な水分をフライパンから落とし,再度,フライパンにオリーブオイルを加え,そこに茹でたアスパラを加え,キノコと合わせます.

2. パプリカ,トマト,水菜,サンチュ,チコリなど,思いつく野菜を適量ボールに切って,入れます.

3. エクストラバージンオリーブオイル,マスタード,赤ワインビネガー,白ワインビネガー,レモン汁,バルサミコを容器に入れ,かき混ぜます.(小さい瓶に入れ,蓋をしてシャッフルしてもいい)このドレッシングを2に入れ,刻んだブラックオリーブを入れて混ぜます.(ちなみにチコリがなければ,このドレッシングにすりおろしたタマネギを入れて一緒に混ぜるといいかと思います)

4. 1と3を混ぜてできあがり.

写真だとたくさんあるように見えますが,これくらいだとすぐに食べ終えてしまいます.全体の分量ですが,写真の容器3杯分くらいになるでしょうか.

北海道の夏野菜は,安くておいしくてとてもよろしいです.

2011/06/30

大学の授業

大学の「代返」防止装置を開発


大学の授業に欠席する学生が出席学生に依頼し出席を装う、いわゆる「代返」を防止する装置が誕生した。その名も「かいけつ出席代返防止版」で、学生証と座席の情報を照合して出席を確認する。川崎市中原区の情報処理サービス業「アルファメディア」が、市が推進する「知的財産交流会」を通じ、富士通(東京)の開放特許を活用して開発した。


アルファメディアは平成18年に学生出席管理システム「かいけつ出席」を開発した。学生証をスキャナーにかざすだけで出席管理が自動的に行われる装置で、紙に名前などを書かせて確認する方法と比較し、出席管理に費やす時間が短縮された。これまでに立正大や日本工業大など6大学が導入し、約200台の発注があった。
しかし、最近では大学側から「欠席している学生の学生証をかざして代返が行われることを防ぎたい」との要望が同社に寄せられた。解決策を模索していた同社は、昨年9月に開かれた知的財産交流会で富士通に相談。半年にわたる協議の後、「タグ」と呼ばれるチップを使った富士通の開放特許を活用した装置を作り上げた。
新たな装置は、従来通りスキャナーに学生証を読み込ませた後、学生の座った個々の机に設置されたタグをスキャナーに読み込ませる仕組み。1枚の学生証と机のタグの識別情報を照合して出席を確認、学生証の多重読み込みを防ぐ。代返しようとする学生は通常、授業中に別の席に移動する必要が出てくるため、教授に代返を発見されるリスクが高くなるという。アルファメディアの小湊宏之社長(37)は「この装置の導で、代返をしにくい雰囲気や環境を作り出していきたい」と期待を込める。
同社は新装置を1台12万円前後で今夏に販売を開始する予定。3年間で1000台の販売を目標としている。』
えっと.
出席ですが,私は一人一人の顔を確認して取っています.
基本,学生さんの顔と名前覚えるタイプですねん.
代返しにくくて申し訳ない(って,誰に謝っているんだか).
それで,この手の装置について,つい最近聞いたのだけれど,北海道の某ちょっと残念な私立大学では,教室に4人しかいないのに50人が出席していることになっている授業が出るとか,ちょっと弊害がたくさんあるそうです.
1人の学生さんがたくさん学生証を持ってくるそうな.
まぁ,正直,大学の授業なんて,やることやってくれてたらそれでいいやって気もするのだけれど,非常勤に行かせてもらっている2つの大学では,学生さんたちがえらく熱心だし.
本務校もクラスによってはけっこう熱心なので,テンションが上がるのだけれど,中には鼓舞しないとなかなかやらないとかいうクラスもあります.
それでもけっこう熱入れて授業やってるんですけど.
教室内を歩き回って,次から次へと学生に指名しまくって,問題演習している時以外はほとんど休めないとか,外国語学科でも英語学科でもないのに,こんなに一生懸命英語をさせられて,たまに学生さんがちょっと気の毒(?)に思えるときもあるのだけれど.
それでも1人でも授業に集中していないとか,携帯に触るとか,寝るとかされるだけでも,私はけっこう不機嫌になるタイプなので,問答無用で授業をやっています.正直,あまりに集中力のない学生なんかを見ると,
「追い出したろか」


と強く強く思っているのだけれど(なんとかこの気持ちは抑えている).


最近,暑く(たいしたことないけど)なってきたので,ドアを開け放している教室なんかが多く,同僚さんや他の先生達の授業風景もよく見えるのだけれど,なんかだいたいの授業では半分くらいが寝てたり,机の下見てたり(携帯とか漫画とか読んでる),お喋りなんかもしているんですね.私だったら,正直ぶち切れているレベルなのですが.


それと,授業5分前や10分前くらいに終わるのが,私のディフォールト(たまに時間ちょっきしに終わる)なのだけれど,なんか30分前に終わる授業とかもけっこう多いですね.(学生が女の子ちゃんたちなので,喋りですぐにわかる.最近,ドアや窓が開いているので気づくようになった)


もしかすると,私は,予備校講師や中学・高校教員向けの人間であって,大学教員向けの人間ではないのかもしれないですね.ちょっと真面目に授業に取り組みすぎているのかもしれない.


ちょっとは気を抜こうかとも思うのだけれど,非常勤先はなんかみんなえらく反応がいいし,集中力もあるし,本務校でもたまに「楽しかったです」だとか,「おもしろかったです」とか言いに来てくれる学生さんたちがいると,ついついアクセルを踏み込んでしまう.


正直に言うと,大学の授業評価なんて,本当になんにも関係なくて,それで給料が上がるわけでも,褒められるわけでもないのだけれど,でもやっぱり,プロである以上は,自分の授業に来てくれた人たちには楽しんでもらいたい.


時間を割いて来てくれているわけだから,それに報いるだけのエンターテイナーでいたいというか.


まぁ,こんなこと言っていると,陰で「チョーク芸人」とか言われそうですな.芸人な面があるのは否定できないのだけれど.


というわけですが,明日も喋る!

2011/06/28

三十歳

『孤独の十年間が待ち受けている年齢.知り合いの独身男のリストは薄くなり,情熱を入れたカバンも薄くなり,髪も薄くなる』グレート・ギャッツビー スコット・フィッツジェラルド

えと,なんか最近疲れやすいというか,なんか身体の疲れが取れにくい(2日よく寝ると治る.要するに週末に元気になる)ということもあって,ちょっとウニを食べた翌日以来,禁酒しているのだけれど(たった4日目),特に何も変化はないですね.

日頃から,たいしてお酒を飲んでいるわけでもないからかもしれない.

飲みに行くと,いつも強いお酒をグビグビ飲んで顔色一つ変えていないので,日常的に飲酒しているように思われているかもしれないけれど,そんなにお酒を飲んでいるわけでもない.毎日飲んでいるわけでもないし.

だいたい,ワインボトル半分 (375mm)くらいなもの.

暑くて喉が渇いていると,ちょっとビールを飲む.

ごくたまに日本酒か,ウィスキー辺りを飲む.

それだけの話である.

健康的な量だと思うのだけれど.

それと,ジムにもそれなりに行っていて,それなりに身体も鍛えているはずなのだけれど.

考えられる要員は,「老い」だけなんだよな.

記憶力も悪くなってきたし,物忘れが激しくなってきたし.

思いつくところはけっこうある.

見た目が変わっていないのと,あとは加齢臭も特にしていない(はず)けれど,そのうち出てくるものなのかもしれない.

そーいや,最近,若い女の子たちがみんな同じ顔に見えてきたような気がする.

ぶっちゃけ,AKB48と本務校の学生さん達の区別があまりつかない.

まぁ,そんなとこでいいんだろうな.

2011/06/26

幼稚園訪問

先日,系列幼稚園を訪問してきました.

ちょっと言語獲得のデータを取らせてもらおうかと思っているんですね.せっかく系列幼稚園のある大学に勤めているのだから,このアドバンテージを生かさない手はない.

元幼稚園教員だった先生にいろいろ紹介してもらったのだけれど,この先生も自分の土俵で相撲を取っているというか,水を得た魚というか,何か生き生きとした存在感を感じられました.

それにしても,人なつっこい子供が多くて楽しかったです.みんなかわいらしいこと.個人的には,やっぱり,自分に男の子が欲しいなと思いましたね.今日みたいな天気のいい日には,ボールを持って公園でキャッチボールでもしたいものですが.

それでもって,中学校辺りで野球を本格的にやりそうなら,一緒にグラブも買いに行って.

私は,自分が欲しかったグラブが「高い」という理由で母親に買ってもらえないで(ミズノプロだった),ゼットの安物のカタログの中からではないと買わせないと言われたことがけっこうきつかったので,自分の子供には気に入ったグラブを買ってやろうかと思う.

野球のグラブは高いけれど,丁寧に使えばずっと使えるし,それに身体の一部みたいなものなのです.武士の刀みたいな存在なので,きっちりした道具を大事に使い続けるという教育の一環もある.

本当にいいグラブは,身体に「しっくり」とくる.そういうものを,「高いから」という理由だけで子供に断念させるような思いはさせたくないのです.たぶん,それくらいの稼ぎなら今の自分で十分であると思う.

それで,野球がうまくなったら,札幌南高校で甲子園に行って,北大で神宮に行ってもらって,って,親のエゴもいいとこですね.まぁ,でも,何でもいいから好きなスポーツに熱中する,元気で生意気な男の子とか欲しいですね.

って,まだ結婚する気とかないんですけどね.先にそっちやんって話ですよね.

来月は2つほど,友人の結婚式に行ってきますが.

2011/06/25

ウニとiPad

えっと,ご近所さんでウニが出るようになったので食べてきました.

とてもおいしかったです.ご一緒させていただいた皆様,ありがとうございました.しっかし,これだけのウニを1000円程度で食べられるのは北海道にいる特権ですね.

本州は梅雨でだいぶ暑くて大変ということですが,この際,北海道にも人口を分散させればいいのにとか勝手なことを思っています.インフラをちょっと改善すれば,移転できる企業もけっこうあるんじゃあるまいか.総務省の調査によれば,30年後には,北海道の人口が現在から90万人ほど減るという予測なので,どーにかなってほしいなとは思うのですが.30年後はまだ現役で働いていたいと楽観的に思っていますけれど,北海道の私立大学はこの頃までには3分の1くらいは潰れているでしょうね.たとえ移籍することになっても,今の本務校にはそれなりに愛着も沸いているので,続いていればいいなと思いますが.

えと,出張だとか,学会発表なんかで軽いlaptopが欲しいなと思っていて,MacBook Airを買おうと思っていたのだけれど,iPadでLaTeXができる(TeXTouch)という情報が手に入ったので,iPadを買っておこうかと考え直しました.

要するに,出先でネットとメールができて(iPhoneで十分な気もするが),さらに発表スライドetcをLaTeXで編集できる小型のディバイスがあればいいという自分の要望だったので,これで十分な気がします.

発表スライドと言えば,世間的にはPowerPointということになるのでしょうが,TeX userは多くがbeamerというのを使うので,需要はあんまりないかと思って期待していなかったのですが,TeX userはさすがに情報リテラシーに長けている人が多いらしい.

ちなみに,最近,専門論文をちょっと集中的に読んだのだけれど,なんか久しぶりにウェートトレーニングをした後みたいに,脳がすっごく疲れました.やっぱり頭も使わないとふやてしまいますね.