2011/06/06

何かがおかしい

県,高放射能データ公表せず 3月,福島市などで検出

 東京電力福島第一原子力発電所で最初に水素爆発があった3日後、原発から約50キロ離れた福島市内の雑草から、1キログラム当たり100万ベクレルを超える高い放射能が検出されていたことが分かった。福島県は政府に連絡したが、公表されたのは、翌日に別の場所で測った6千分の1ほど低いデータだけだった。県は「意図的に公表しなかったわけではない」としている。
県は3月15~16日に第一原発から福島市までの国道沿いや、福島市の県原子力センター福島支所など5地点で、雑草や水道水(上水)、雨水を採取し、放射能を測った。
その結果、5地点から採った計七つの試料のうち、ヨウ素が10万ベクレルを超えたのは五つに上った。川俣町の国道114号と349号の交差点付近の雑草からは、放射性ヨウ素が1キロ当たり123万ベクレル、放射性セシウムが10万9千ベクレル。福島市の国道114号付近の雑草からはヨウ素が119万ベクレル、セシウムが16万9千ベクレル検出された。
しかし、県が当時公表したのは、同支所の水道水から出た放射性ヨウ素の177ベクレル、放射性セシウムの33ベクレルだけだった。公表を限定した理由について、県は「数値の高低ではなく、直接体内に入る可能性があるため、上水を優先した。それ以外は政府で発表すると思っていた」としている。
 政府の現地対策本部によると、測定結果は、県から報告を受けた同本部がファクスで経済産業省の原子力安全・保安院に連絡している。3月16日以降の周辺モニタリング結果は、文部科学省が一括して発表する段取りだった。このため、15~16日のデータの発表を県と文部科学省のどちらがするのか、あいまいになっていた可能性があるという。』

福島県の松本副知事などが,福島の野菜は風評被害に遭っているので,ぜひ食べて欲しいという言明を行っていたことを思い出した.なお,福島県から出荷している野菜の放射線量を全く測定しないで述べていたということも付しておく.

福島県内の農家の人たちには大変申し訳ないのだが,現在の福島県の農産物にかかっている懸念は,残念ながら風評ではなく,実害である可能性が非常に高く,安全性に関するデータも何も出そろっておらず,はっきり言って,

「あやしい」

食物なのである.まともな神経をしていれば,もしくは他に食べる物があるのであれば,避ける農作物であると言わざるを得ない.

「安全です」と言われても,その根拠はない.全くない.福島県内では,現在,日本政府により大がかりな人体実験が行われているのである.10年後,20年後までには,「Fukushima」をキーワードに,原発研究の論文が多数発表されているはずである.

この種の安全神話を聞いていると,狂牛病が流行っていた当時の肉屋の「うちの牛肉は安全です」PRを思い出してしまう.何を根拠に「安全だ」と言っているのかもさっぱりわからないのに.

先日の震災以来,この国の対応を見ていて,私はつくづくこの国の人たちの厄介な性格を思い知らされたように思う.

原発管理の東電もそうだが,この国では,何か懸念や問題があれば,それを指摘し,解決する方策を講じるという態度がなぜか批判の対象になるのである.

リスクをマネージする態度が,「縁起が悪い」と言われ,罵られてしまうことになる.臭い物には蓋を,問題な出来事には無視をするという態度が尊重されるのである.

これは,学校教育において,「いじめはなかった」と公表する教育関係者の態度とも通じると思う.

何か対処できるような問題がそこにあっても,それを見ないで問題がなかったとする態度を取る教員の方が評価され,問題を発見し,解決策を講じる教員がトラブルメーカーとして認識される学校社会と同等なのである.

人が生きている以上,そして何かの組織や道具を使用している以上,そこには常にリスクが伴うはずなのであるが,そういったリスクを見て見ぬフリをして,問題解決をしないという態度の方が尊ばれる,妙な社会なのである.

それで,その種の問題を無視する態度を貫いた人々には,「徳があり」,「仁がある」と評価される.その徳や仁といった言葉には何も中身はないのに.

何か息苦しい.

そして,その種の問題から目を背け,高尚なスローガンを掲げるということが最大限「よいこと」とされる.

「頑張ろう,日本」

というスローガンの下では,何か否定的な見解を示すことは許されない.

被災者救済のために,まずは国家公務員の給料を削減し,増税を行い,福島原発の二次災害の当事者たちには,「遺憾であった」といって問題を濁し,一通りの形式的な謝罪だけをさせて,それでめでたしめでたしとする.

戦時中の「鬼畜米英」を本意とする大本営発表と何か変わるところはあるのか?

別にないと思う.

何か,この国では,妙な息苦しさを感じることが多い. 

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