2011/09/29

チャリティー

氷室京介さんがチャリティーライブの収益,6億6900万円を被災地に直接寄付したというニュースがありました.


以下,リンク先より一部引用.

『集まったこの収益金は、当初の予定通り、今回の災害で特に大きな被害に遭われた、岩手、宮城、福島、東北3県の方々に、寄付金または義援金としてお渡しする形をとらせて頂きます。本来なら自分の手で各県の代表の方に直接手渡しする、その最終行程までを責任の元に遂行したかったのですが、こちらに住んでしまっている事情もあり、なかなか直接に出向く事が叶いません。そこで今回、同じ  "志"  の元に、このプロジェクトに深く寄り添ってくれた信頼出来るパートナーとして、NEWS ZEROの皆さんにもう一度協力して頂く事になりました。

震災から約半年が過ぎ、被災地とそれ以外の地域の方々との間にも、徐々に意識のズレが生じてくる頃かと思います。これからもマスメディアの皆さん方を中心に、コメントを出せる立場にいる僕らも一丸となって、両者の距離を縮める役割を担っていけたらと思っています。』

直接出向いてお金を渡すということがちょっと照れくさかったんじゃないかとか,お金にはいろいろ面倒くさい人たちが群がってくるのが嫌だという潔癖症な部分なんかが垣間見られて,そういう氷室京介という人の人間くささが伝わってくるので,個人的にはとても気に入ったニュースです.

私はこの世代では珍しくありませんが,この人のわりと(かなり?)熱狂的なファンなので,未だにかっこよくて渋いというところについつい憧れてしまいます.

個人的にですが,被災地とそれ以外の地域の人たちとの意識のズレ,それに為政者や東電を初めとする権力者の本質みたいなものが露見されてきて,本当に援助を必要としている人たちが二次被害に遭っているじゃないかという感覚がしている今日この頃です.

自分も,祈るだの,お見舞い申し上げるだの,何だのと偽善的な言説だけで何もしないのは好きではないので,時間的に余裕が出来たらまた何か率先していきたいと思います.それで,まだ活動している人間がたくさんいる,それで多くの人間が先を見ているという状態を保つ一助になれるのであれば,きっと事態はよくなるはずだとナイーブに信じていければいいなと思います.

2011/09/24

金が動く地位

原子力賠償審の2委員,電力系研究機関から報酬

『東京電力福島第一原発事故による損害賠償の指針を定める政府の原子力損害賠償紛争審査会の委員2人が、電力会社とつながりのある研究機関「日本エネルギー法研究所」(東京)から報酬を得ていたことがわかった。
 同審査会は4月11日に設置。文部科学省によると、委員9人のうち学習院大の野村豊弘教授と、早稲田大の大塚直教授がエネ法研から月20万円の報酬を得ていた。野村教授は4月にエネ法研の理事・所長に就任。大塚教授は研究部長だったが、6月末に辞め、4月以降の報酬を返納したという。文科省によると、エネ法研は、各電力会社が出資している財団法人「電力中央研究所」(東京)から研究委託を受け、部課長には東電社員が派遣されている。(2011年9月24日08時50分  読売新聞)』

えーっと...( ̄▽ ̄;)

鉢路議員の失言問題から,そんでもって様々な東電絡みのニュースが流れていますが,原発に関して素人の立場の人間の私に分かっていることが1つだけあります.それは,

東電に対して,否定的な行動を行う影響力のある人物は確実に社会的制裁を受けている

ということ.

最近,田宮二郎版の(つまり最初の方の)白い巨塔を見ているのだけれど,大学教授も金と権力が絡むとややこしいですよね.きな臭いというか.

この程度のことなら公言してもいいと思いますが,幸か不幸かうちの大学の教授選も,新たな教員人事も,金やら政治やらの問題はほとんどありません.ていうか,ない.

まぁ,別の学部では,足の引っ張り合いというか,既存の教授同士の罵り合いやら,自分より業績や学歴が上の者は入れないとか,そういう話が...

私は,なんかめんどくさい話に時間と労力を取られるのが嫌という理由もあって今の職業を選択しているので,これはこれで満足しています.

理論言語学に金や権力なんて,あってもたいしたことないです.

まぁ,これでいいです.基本,うちの業界の権力者は似た者同士なので,クリーンな人が多いです.そりゃ,きな臭い話も多少はありますけど.

ところで,今日はオープンキャンパスに行って,予備校の先生に入試問題を評論してもらいました.

まぁ,年配の方なので,推薦する参考書が古いとか,説明がちょっと下手というか(今時,分析抜きに「熟語」で済ませちゃあきませんよ)多少問題がある部分もあったし,英語の発音もかなり問題ありでしたが,少なからず首を縦に振る部分もありました.

まぁ,基本的にはそれでよかろう(威張りっ).

来年は,もちろん,公開できる情報は入学案内や大学ウェブページに載っている情報だけですので,それ以上のことは言えませんが(って,うちの入試にそこまで気を遣ってくれている業者はそんなにない...).

しっかし,高校生は,まぶしいというか,キャピキャピしているというか,キラキラしているというか,何というか.

ま,かわいい子たちが多かったですね.自分も高校生だったらよかったのに(って,女子大のオープンキャンパスに行っても意味ないんですけど).

曖昧であることの利点

Islaeli-Palestinian talks must resume Midest Quarterを見て思ったのだけれど.

要するにパレスチナが国連に加盟しようとしているのだけれど(かいつまんで言うと,パレスチナが国連を通して,自分たちの立場を明確にしようとしている),アメリカが拒否権を行使する方向になりそうだという議論.

よく考えると.

幸か不幸か,日本は常任理事国ではないので,拒否権を発動することができない.

なんかこれはこれで便利なような気がする.

仮に拒否権があったとして,いつものようにアメリカに追従して拒否権を発動,ないしはアメリカの拒否権発動を支持する声明を発表すると,中東からそっぽを向かれるようになる.

つまり,石油を買うのに苦労することになる.

かといって,拒否権を発動しないと,自分たちのボスであるアメリカに

「おい,こら,われ,どういうこっちゃ」

と,すごまれることになる.

いつもの調子で,日本独特の「どっちでもありまへん」という魑魅魍魎的な態度で煙に巻くというのも国際社会の中ではなかなか難しい.

今は立場を明示しなくてもいいので,アメリカには

「パレスチナにも困ったもんですな」という態度を取って,

中東には,

「まったく,アメリカは傲慢ですな」

と,ご機嫌を伺うこともできる.

実に便利である.

経済力と,それなりの影響力があれば,八方美人で都合良く立ち回れるので,こういう立場の国家があるのは国際社会を機能させるという観点からも都合がいいし,それにどこも敵に回さなくてすむので,おいしいところだけを持っていくということも可能である.

日本という政治的立場には,それなりのアドバンテージもあるのではあるまいか.

ま,ちょっと思いついただけの浅い話なんですけどね.

2011/09/21

また気を揉む

一応,うちの本務校は,

「地方中堅私立大学」

に位置するんじゃないかと思います.

そんなところでも.

EU,ユーロ,ポンド,ポルトガルのことを知らなかったり.

United Kingdomって何のこと?

イギリスの首相?イギリスって大統領いないの??

という質問が来たり.

16世紀に種子島に鉄砲を伝えたのが「ペリー」って,あーた.

英語の授業だったんですが,日本語でも知らない,分からないとかいう話を進めることなんてできやしませんよね.

今日はやたらと,

「え,知らんの??」

と驚きながら発言しまくってしまいましたが,たぶん,今頃は

「知らないんだから,優しく教えてくれたらいいじゃん」

「ムカつく」

とか言われてるんじゃないだろうか.

はぁ...

しっかし,物事を知らなすぎという大学生が増えているという現実はどう受け止めればいいのでしょうかね.

知りたいけど,勉強したくない,調べたくないという人たちを導く必要は大学教員にはあるんでだろうか.

価値観の相違,か...

2011/09/18

気を揉む

本務校では通常営業が始まりました.

夏休みが終わって,憂鬱な気分でしたが,通常モードに戻って感じた印象.

講義は,人前で喋るのは体力要りますけど,けっこう楽しい.(度を超えるとしんどいのですが)

その他,会議とかはやっぱりめんどくさい.それと,大学教員は(小学校の教員ほどでもないような気もしますが)精神がガキっぽい人がけっこういるので,なんとなくため息をつくような疲れが出る(自分一人で勝手に持ち込んできた仕事を投げ出して,「もうめんどくさーい」,「やだー」,「誰かやってー」,「だってー,私ー,分からないしー(全て原文ママ)」とかいう発言を会議の席で聞かされる).

あと,テストも返却したのだけれど,そこでも気を揉むようなことが.

って,早い話が,どう考えても単位出せなさそうだなって人たちのことなんですけど.

相手が全て女性なものですから.

きっと,とにかくなんでも単位を出せば,

「いい人ー」

「めっちゃ好きー」

etc etc

と褒め称えられるのでしょうが.

落とそうもんなら,

「え,あいつきもい」

「絶対,調子にのってる」

「うざいよね」

「えー,もうムリムリ」

etc etc

と罵られるのであろうということは,想像に難くない.

単純に自分の嘘偽らざる思いを言わせてもらえれば,誰も若い女の子たちに不要な恨みは買いたくないし,陰で(下手すりゃ目の前で)ぐちぐち悪口を言われたくもない.

どうせなら,称えてもらいたい(キッパリ).

しかしだね.

出席満たして,テストでは講義で言ったことしか出さなくて,そんでもってレビューだの,テスト出題範囲の予告だのあれこれ手取り足取り説明をして,実際,平均点がだいたいどのクラスでも70点前後っていうんだから(60点取れば単位は出る),こと単位認定に関しては,私は神のごときレクチャラーであるはずなのである.しかも,授業態度がよければ,ちょっと色をつけてやろうというのである(単純に指名した時に発言するとか,それだけのことである).

この最低限やるべきことをやっていない人たちを落とすのに,ためらいを持ってはいけない,と思う.

しゃーないよね.別に人気取りやってるわけでもないし,教員なんてのは学生に嫌われてナンボの商売ですもんね.評価する立場ってのも,存外つらいもんです.

本当は専門科目でバリバリやって,成績悪いのはガンガン落とすくらいでいいのかもしれないけれど.

2011/09/13

ご注意を

先日,言語関係者の知り合いのGmailがハッキングされて,スパムメールが届きました.

他の人からのスパムも報告されております.

Gmailのハッキングなので,けっこうコンフィデンシャルな情報も掲載されてあり,もっともらしいのが難儀ですが,まずは本人と自分とでしか分からない情報を共有するなど,十分に気をつけてください.

自分に振り込め詐欺が来るとけっこうびっくりしますが,あくまでも冷静な対処を心がけて.

しかし,Gmailのハッキングなど,クラウドサービスに重要な情報を置いておくのは怖いですね.他のサービスですが,とりあえず自分も流出したらやばいファイルを引き上げておきました.

参考までに私に届いたスパムの文面はこちら.メール相手と滞在先,家族情報,自分たちしか知らない情報のやりとりをして,私も「おかしい」と気づきましたが,やりとりの途中で過去のメール内容を踏まえるなど,ちょっと巧妙な犯罪組織か個人でやっている可能性が高いですね.

Just hoping this email reaches you well. I'm sorry for this emergency and for not informing you about my urgent trip to Spain but I just have let you know my present predicament. Though everything was fine until I was attacked on my way back to the hotel. I wasn't hurt but I lost my money, bank cards, mobile phone and my bag in the course of this attack. I have immediately contacted my bank in other to block my cards and also made a report at the nearest police station. 

Meanwhile, I have also thought it expedient for me to confide this in you and I will be glad to have it confidential between us.  I'm physically ok and fine but I'm urgently in need of some money to complete my major aim of being here and to balance my bills till my departure next weekend. Can you please lend me a sum of 2600euros [approximately $3500 us dollars] or any amount you can afford to lend out?  I will refund you even with interest upon my arrival next weekend. 

Kindly let me know if you would be able to help me out with the money or any amount you can afford, I can then forward you the details require for a wire transfer via the western union money transfer service. I don't yet have a local phone (still gathering my bearings and such), so email is probably the best form of contact for now. I will expect your response soon.

Thanks & Best Regards,

2011/09/11

最近知った北海道のトリビア

北海道のコンビニでは,

「おにぎり温めますか?」

と聞かれます.

2年目にして初めて知りました.

2011/09/08

はるばる来たぜ

函館へ.


というのは昨日までの話で,今日からぼちぼち通常営業に戻ります.来週からは大学再開.

最近,普通にリサーチペーパーをがんがん読めています.大学授業期間は,英語教育モードと言いますか,大学業務モードで頭がおバカなので,夏休みが始まった頃に,最前線のリサーチペーパーを読んでみると,理解がなかなかできないとか,頭が痛くなるとか,妙な自覚症状があったのです.

授業再開で,また冬休みにリハビリ期間が必要になるかもしれないので,今週末は最後にやりためておきたい仕事をしておきます.

ぼちぼち行こか.

2011/09/05

予備校の英語

H大さんの図書館で(実は現実逃避なのだが...),予備校の英語というのを見かけて,ついつい懐かしくなって読んでしまった.

筆者は伊藤和夫.「受験英語の神様」と呼ばれ,駿台予備校という全国型の予備校を成功させた功労者である.

私とこの人の出会いは高校時代.

既に廃刊になったが,研究社が「高校英語研究」という雑誌を発行していたことがあり,友人がそれを持っていたので「高二の英文解釈(これは,全編が編集され,英文解釈教室基礎編というタイトルで出版されている)」というコーナーで氏の記事を読んだのである.

友人がその雑誌を持っていた理由は,予備校(K塾だった)で進められた「パラグラフリーディング特集」というのに惹かれたからということであり,私もその記事は読ませてもらったのだが,イマイチ興味が持てなかった.

電車を待つ間,私はぱらぱらといろんな記事を流し読みし,氏の記事にだけは目が止まった.

正直,衝撃的だった.

当時,英語が苦手で特に興味もなかったのだが,氏の解説を読み通すことによって,初めて英語が理解できるという感覚が感じられた.

経歴説明の箇所を見ると,「英文解釈教室」,「ビジュアル英文解釈」などがベストセラーとあり,いてもたってもいられなくなった私は帰宅後,すぐさま近所の割と大きな本屋さんまで自転車を走らせ,ビジュアル英文解釈(上下巻)を購入した.

この本をむさぼるように読んでから,私の英語力が劇的に飛躍することになる.

というわけで,伊藤和夫という人から直接教わった経験はないが(現在,Youtubeで一部,講義は聴ける),この人の参考書(たくさん)には大変お世話になった.

氏の英語教育へのスタンスと取り組み方は十分すぎるくらいマスターさせてもらったので,これは大学以後,塾,予備校での仕事で大いに役立つこととなった.

年月が過ぎ,いつの間にか私が大学で教えるという立場に立っている.

氏が臨終の間際に編集したという「予備校の英語」は,予備校という,アウトローな立場ながら,高校と大学の橋渡しという立場から見える英語教育への批判的考察が地に足が着いた形でなされている.

いろいろと耳に痛い批判もある.

入試問題の形式に対する批判もある.これは,ちょっとずつ改善していきますと言うしかない.詳細は記述できないが(興味のある方は,うちの大学の試験問題を分析されたい),進歩はしているという言い方はできると思う.

解答例や採点基準が公開されないのは,職務怠慢ではないかという指摘もある.

これは仰る通り.はっきり言って,大学教育の側が胡座をかいているだけの話なので,フェアではないだろう.

ただ,大学の立場の人間から言える範囲のことだけを言わせてもらえれば,出題者の側にそこまで英語力 or 思考力がない,ないしは受験生の力が見えていない,英語教育の実態が分析できていない,という要員は多分にある.

中堅どころの私学など,どこも似たり寄ったりではないかと推測する.

まぁ,旧帝大や名門私立大学などがぼちぼち情報を公開するようになってきているので,それがある程度参考になるだろう.

特に,関西圏で入試問題を解析していた頃から好意的に見ているのだが,同志社大学なんかはいい.入試問題に変な癖がないし,しかも出題傾向や対策,正解率もかなり分かりやすい形で公表されてある.

時代は少しずつ変化しているのである.

「口語重視,使える英語」の旗頭の下に,英語教育,特に中学英語の中身がすっからかんになった感は否めないが(ホテルやファーストフード店で注文する,ちょっと挨拶を交わせる程度のことが国際交流であると思われているうちは,もっと深いレベルで異文化を理解する機会を失うことになるということを世間の人たちは認識して欲しい),大学は大学でそれなりに世間と文科省の役人と戦っているという面もある.

決定権は残念ながら大学だけにはないのである(京都大学のように,我が道を進めるような所も例外的にはあるが).

私も微力ながら,大学教育に貢献していきたいものであると意を新たにしたしだいである.

余談ながら,伊藤和夫師(注:駿台の慣例に従った)の臨終の言葉は,看護師さん(氏は一人身であった)に向かって言った「大変お世話になり,本当にありがとう」という一言であったらしい.

昭和一桁世代の老紳士の最後にふさわしいと私は思う.

2011/09/04

スープカレーなるもの

そういえば,本州の人たちに「スープカレーってどういうの?」と何度か質問されたことがあります.

まだそんなに食べたことはないけれど,イメージとしては,カレー味の色とりどりの野菜が入ってあるものという感じです.

所謂,日本のカレーライスとは一線を画している感じ.

スパイスの香りが食欲をそそるし,暖まるし,寒い北海道に馴染んでいる料理という雰囲気が良く伝わってきます.一度にたくさんの野菜を摂取できるので,観光した時の野菜不足も補えるのではないでしょうか.

そーいや,9月になってもうスタッドレスタイヤのCMが流れていますな(さすがに,冬の北海道はあんまりいい場所じゃない.不便なことも多いし).

ところで,先週,ご近所のけっこう有名なスープカレー屋さんに入ったときのこと.

ドアを開けるなり,店員の女の子がキャーキャー騒ぐので,何事かと思いましたが,なんと,うちの本務校の学生さん.

( ̄▽ ̄;)

こんな近くに...

仕事をしている格好はなんとなく頼もしくも見え,私は最初全然気づきませんでした(まぁ,顔もあんまり覚えていない方だったのですが).

というわけで,密かにドリンクをサービスしてもらいました.

役得.

たかだか店に行っただけでこんなに喜んでもらえるなんて,なんか嬉しいような,なんと言いますか(また行こかな?).

しかし,後期授業の足音がそこまで近づいてきているので,私は気が気ではありません.

憂鬱だ.

気のせいか,若い女の子の集団を見ると,動悸と息切れが...

2011/09/02

理解はできないけど

えっと,H大さんでちょっと必要な専門書があったので本を借りてきたのだけれど,その横に,「ダーリンは外国人」シリーズで有名な小栗左多里さんの

英語ができない私をせめないで

という本があったので,手を取って,ついつい立ち読みしてしまいました.

その中身なんですけど.

凄く正直に言うと,タイトルで言い訳されている通り,怠け者でやる気がないけど文句だけは一人前に言うという人間の自己正当化の言説で埋め尽くされている感じです.

正直に言って,全然共感できないし,腹も立つし,読んでいていらいらしたりもするのだけれれど,それでも

「バカの言うことは理解できない」

と,全てをシャットダウンするよりは,やらない&できないとかいう人たちの考えることも少しは見聞してみたいと思って読破しました.

一度「やる」と決めたらとことんやらないと気が済まない性分の私としては,時折出てくる小栗さんの旦那のトニーの言説の一つ一つには頷けるのだけれど(e.g. 何か不明な点があればすぐに調べる,「その言葉だけ教えたって意味ないんじゃない?本当に知りたいなら,言葉全体を自分で勉強すべきだし,まず辞書をひくべきだよ p. 39」,「(英会話)学校に大金を払うなんてバカバカしいよ.そんなにお金をかけなくても言葉は覚えられるのにp. 40」),よくもまぁ,文化的背景も価値観も噛み合わないのに夫婦になれているよなと感心してしまう.

まぁ,どっかで気があっているんでしょうけど.

しかしながら,それでも,いろいろな巷の怪しい英会話学校の中身を紹介してくれるので実に有益でした.その手の学校はいろいろと見聞きはしていても,実際,私は通ったことなどないもので.

例えば,発音を強制するのに割り箸やらなにやらでごちゃごちゃやるとか,マンツーマン指導をして欲しければ,500万円を払わないといけないとか,この手の小規模の詐欺的英会話学校の話もあれば.

あちこちによく広告が打たれてある「英語耳になる!」とかいうマジックリスニングなるものが,たかだかCDと聴音機器セット一式で5万円もするのに,単なる睡眠装置でしかないとか(トニーが5分で寝た!とか,笑わせてもらいましたが).

しっかし,あれですね.

英語が使えればかっこよく見えるとか,英会話がいい趣味だとか,しかも英語力があれば実際,いい会社に就職できて,給料もよくなるとか,いろんな事情があるせいだと思うのだけれど,日本における英会話神話の歪みは本当にどうしようもないレベルにあるなと再認識したのでありました.

大学教育に携わる立場の人間としては,これら詐欺行為を告発し,徹底的に叩きつぶすぐらいのことをしないといけないのだろうけど,かといって,本当に英語が使えるようになるために越えないといけないハードルを提示したところで,大半の人間はやる気をなくして,投げ出してしまうのだろうなとも思う.

まぁ,そういうわけで,常に一定の少数の使い手だけがおいしいリソースを独占できるのだと考えることにして,日本の英会話産業を特別攻撃するようなマネはやめておきますけれど.

というわけで,また気が向いたら日本の英語教育事情についても考えてみようかな?