2012/07/24

環境を変えるということ

イチローがヤンキースに移籍したというニュースが飛び込んできた.

ジムでテレビを見上げると,イチローがヤンキースのユニフォームを着て,セーフィコ・フィールドでプレーしている映像が目に入ってくる.

最初,何かのイベントかと思ったのだけれど,「イチロー,ヤンキースに移籍」という文字が帯に出てきた.

シアトル在住以来,ずっとマリナーズを応援してきた身としては,正直ショックだったのだけれど,

「あぁ,これでよかったんだな」

とすぐに思い直すこととなった.

なんとなく,キャリアと彼女を選択する際に,前者を選んだときのような気分に思えた(ちょっと違うかな?).

マリナーズは今年も最下位を独走中で,夢も希望もない球団(期待されていたアクリーとスモークは地を這う成績だし,ダン・ウィルソン以来インサイドワークのいいキャッチャーはいないままだし,リリーフはクローザー含めて壊滅状態だし)だし,このままモチベーションが上がらないまま若手を試す機会を潰すくらいなら,確かにイチローは出た方がよかったんじゃないかと思う.

去年と違って,守備指標も上がっているし,足は好調だし,打撃も一時期は悪くなかったし,たぶん,気分が乗ってきたらそれなりに持ち直してくるんじゃないかと思う.

ヤンキースは優勝が狙える位置にいるし,イチローはジーターとAロッドとも懇意,さらにはマリナーズ時代に仲の良かったイバニエスもいるし,チームにはすぐに溶け込めるんじゃないかと思う.

実にいい機会になったと思う.

ただ,注文が2つある.

まず,記者会見は,「誤解を招きたくない」ということから今まで通り通訳をつけたままだったが,やはり英語でコメントすべきだったのではないかと思う.

イチローはそれなりに英語が話せるし,メルティングポットの中心地みたいなニューヨークなら,少々訛っていても下手でも,英語を話していればそれで問題なかったのではないかと思う.

マリナーズでも,エドガー・マルチネスなんかは訛り丸出しの,決して上手とは言えないような英語で受け入れられていたし,やはりファンにダイレクトな形で溶け込もうとする意志が表明できるので,やはり現地の言葉で話す能力も資格もイチローにはあったんじゃないかと思う.

もう一つは,チームを移籍することにもっとポジティブなコメントを残してもよかったのではないかということ.

日本人的な謙譲の美徳と,今までのチームに対する配慮というものがあったと思うのだけれど,アメリカは移籍ということをネガティブに捉えることはないし,やはり前向きな抱負がニューヨークでは期待されていたのではないかと思う.

ジーターだの,Aロッドだの,テシェイラだの,チームを引っ張る中心選手が目白押しのチームだが,イチローは彼らと比べても遜色ない一流の実績を残してきた選手だし,単に後から来た新参者としてチームを陰から支えるだけではなく,チームの前線にたって引っ張ることも期待されているのは間違いないと思う.イチローには,それだけの資格も能力もあるわけだし.

まぁ,これで個人的には楽しみが増えてよかったのですけれどが

2012/07/22

英語(と現代文)が苦手な受験生達へ

オープンキャンパスに行ってきました.

今年は入試制度が変わるので,学科の説明と,就職状況,それに入試制度について喋ってきました.

それで.

時間がなかったせいで,数人の直接話せた人たちにしか言えなかったのですが.

「英語が苦手なのですが,何をしていいのかよくわかりません」

という質問がけっこうありました.

個人的には,大学のオープンキャンパスでもなんでも利用して,ちょっと1時間くらいで喋りたい話題です.

自分が大学生になってから,英語を教えていて,ずっと思っていたことなのですが.

本当に英語が苦手なんだけれど,「わかりたい」という情熱を持っている学生はかなりいると実感します

もちろん,自分が塾やら予備校やら高校で教えていた時であれば,細かく色々と指示ができるのですが,大学教員という立場になってしまうと,けっこうこの手のことを話せなくてちょっと寂しいことになってしまいます.

残念ながら,多くの学校現場にいる先生たちは,この手の学生の質問に対して,

「単語帳を全て覚えなさい」

「授業をきちんとして,予習・復習しなさい」

「英文法書の分厚いやつ(e.g. Forest, チャート)を全て完全にやりなさい」

「総合問題集 (e.g. NextStage, Upgrade)をやりなさい」

といった苦行を押しつけることが多いのです.

これらの勉強がムダとは言いません.もちろん,それなりに意味のあることです.

ただし.

根本的な英語力がないのに,単語帳を見てもあまり意味はありません.あれだけで,単語が次々にインプットできる程,人の頭は単純ではありません.単語帳は,パラパラと眺めて,自分が「あ,これ見たことある」という項目を確認しながら,既存の単語知識を定着させるのに使うと効力を発揮するものです.語彙力のない人が,あれを見たからと言って,効力を発揮する類のものでありません.

次に,授業の予習復習ですが,単純に先生が教科書ガイドに沿って,和訳を述べるだけといった類の授業ではあまり意味はありません.英文を読むプロセスを明示的に言ってくれる授業でなければ,高校のリーダーの授業はそれだけでは効果が上がりません.

もちろん,最初から一定の学力がある人たちにとっての,演習の機会としての意味は否定しませんけれど.

次に,英文法書の分厚い奴は,言うなれば,文法項目の辞書みたいなもので,あれで英語を支える体系が理解できる人たちは少ないでしょう.

あの手の参考書は参照しながら使う物であって,最初から最後までやってどうこうというものでもありません.

最後に,総合問題集系のものですが,あれは知識問題の得点を上げる意味があるものであって,根本的な英語力をつけるのにたいした意味があるものでもありません.

現状を包み隠さず言ってしまえば,学校の多くの先生たちが

「英語の基礎をやりなさい」

と言ったときに,彼らの頭の中に英語力の基礎を作るものが何なのかという具体的なイメージは特にないのです.

私が英語力と言った場合,英文法という,言語システムを支える根本を使いこなせるように自分の頭の中が整理されていること,さらには辞書を使えば何をどう調べるべきかが自分の頭の中に入っている場合をイメージしています.

英語力の根幹になる知識は,英文を見たときに,中心になる主節の構造が分かり,かたまりを句や節というレベルで自分で区切ることができ,動詞句の主要な構造(SV NP to do ~, SV NP doing ~/doneとか)を自分で確認することができるというものです.

言語は,中心になる動詞句を元に,そこに修飾語句がぶつかり合うことで構造を作るというパターンを形成します.その手の,区切りを自分で見分けるための指針として英文法を使いこなせるようになるのが英語の基礎力です.

それができて初めて,先ほど列挙したような聞き慣れた4つの忠告が意味を成すようになるのです.

この手のプロセスを明示的に話せる先生が身近にいればそれでいいのですが,世の中そんなにうまくはいきません.

しかし,参考書を自分でやろうにも,英語の参考書は多すぎで「どれをやればいいのだか?」という状態になっている学生がほとんどなのではないかと思います.

私にも,それぞれの受験生の趣向に合わせて薦められる参考書は場合に応じていろいろと頭に浮かぶのですが,とりあえず,

「英語が苦手.でも,本当に分かりたいし,やりたいと思っている」

という高校生,受験生の人たちは,駿台文庫から出ている大学入試攻略基礎徹底そこが知りたい英文法基礎徹底そこが知りたい英文読解の2冊をとりあえず併用してやってみてください.

必要不可欠な知識を,演習問題を通じてきっちりと説明している良書で,しかも癖がないのでオススメです.大学で教えている立場としても,この本の知識をしっかりと定着して入学してきてくれるとありがたく思います(K塾の宣伝をしなくてすみません.K塾の参考書は,問題演習用のものに良書がたくさんあるかと思うのですが,基礎を一からというのはないかと).

ついでに言うと,現代文の基礎力を付けたいという受験生達へ.

この手の質問を高校や大学の先生に聞くと,すぐに

「本や新聞を読みなさい」

「天声人語を要約しなさい」

とかいう返事が返ってきますが,これもあまり意味はありません.

入試現代文は,一種の思想教育というか道徳教育という一面があって,さらには入試現代文を支える「規則」のようなものがあります.この手の「規則」は,それに熟知している人の分析に慣れることが一番です.さらに,現代思想の基本的な知識を身に付けてもらえれば,大学側の立場からすると御の字です.

昔からの定番参考書の一つですが,これは入試現代文へのアクセスが使いやすくていいのではないかと思います.昔から,「困ってどうしようもない」学生さんに薦めていますが,外れがありません.基本語彙もきっちりと説明してくれている良書だと思います.

というわけで,今年受験の人たちは,うちを受験するわけでなくても,しっかりと勉強してくださいね.分かればけっこう楽しいものですし.

2012/07/19

圧巻!

花巻東・大谷投手、160キロ 高校生最速

たった今まで,幾度となく映像を見たのですけれど,凄いですね.

圧巻

こんな高校生,出てくるんだという感じですね(漫画みたい).

幸いなことに,花巻東は控え投手もいいみたいだし,岩手大会は今日が準決勝で決勝は25日と間隔が空くので,大谷投手が連投で潰れることもなさそう.

しかし,こんな逸材が甲子園で壊れなければいいなとつくづく思う.高校野球は好きなのだけれど,連戦のやり過ぎは本当にどうにかしてもらいたい.高校生を虐待して潰してしまうのは犯罪ですらあると思う.

そんなこんなで,この時期は,一生野球をやって生きていきたいと思っていたことを思い出します.まぁ,札幌は涼しくて,全然「夏」という感じはしないのですけれど.(北海道人の中には,「暑い」,「しんどい」とかのたまっている人たちもいます.彼らの体力は何かおかしい)

2012/07/16

大学生に告ぐ

えと,もしこのサイトを大学生が見ていたら,うちの学生さんじゃなくても聞いて下さい.

先生や企業,その他団体さんや友人や家族以外の人たちに連絡する時には,基本的に携帯電話メールはやめましょう.

GmailでもiCloudでもHotmailでもYahooでも無料のものでいいですから,できるだけemail addressを活用するようにしてください(スマートフォンもあるんだから).

携帯電話メールがダメな理由は,以下の3点です.

1. 差出人の名前が表示されないので,誰から来たのかよく分からない.そして,パソコンのcontact addressに一々登録するのが面倒くさい.また,迷惑メールフォルダに入っていることが多い.→一応,乗り越えられる程度の問題ですが,重要な案件を逃してしまうことがあるので,リスクは避けましょう.

2. 添付ファイルが貼れない.→大学の先生や企業相手だと,連絡事項が必要なことがありますが,添付ファイルが貼れないと難儀することがあります.

3. パソコンメールアドレスからの着信が拒否設定になっている.→携帯のディフォールトだと,パソコンメールアドレスからのメールは着信拒否設定になっているようです.これだと,返信のしようがありません.

一番ややこしいのは,3番目の事項で,こちらから連絡が返せないのに,

「先生,連絡くれなかったー」

と後で,ごちゃごちゃ言われることになります.なんで学生さん相手に下手になっているんだろうと思いながら,事情を説明したりすることが私もよくありますが,正直,嫌になります.機械音痴な人は,情報化社会においてはトラブルメーカーになりうるということは自覚しておいて欲しいものです.

それと,ややこしいことを言うようですが,emailを書くときには以下の3点に注意しましょう.

1. 自分の身分とフルネームを名乗る.→大学教員だと,非常勤で複数の大学で授業を担当していることが珍しくありません.自分の所属大学と,どこで知り合いになっているかを明記して下さい.また,自分の下の名前だけ名乗られても,こちらはあなたが誰か分からないことが多々あります.

2. 要件を書く.→何の用事でメールを送ってきたのかよく分からない文面がけっこうあります.教員は超能力者じゃありません.あなたの頭の中身を覗く能力は持ち合わせていません.そんなことができれば,私は今頃,ノーベル賞かフィールズ賞辺りを受賞しています.

3. やりとりが一通り終われば,知らせる目的でお礼のメールを書く.→こちらとしても,要件が済んだのか,メールがちゃんと届いたのか不安になることがあります.一言だけでいいですから,返信を返すようにしましょう.絵文字も顔文字もなくても,「怒っている」とか思いませんから,端的に文章で書いてください.なお,携帯依存の絵文字はパソコンでは見られないことが多いので,無意味です.

こんなことを一々言わないといけないのかと疑問に思ったりもしますが,この連休中にもちょっと困ったことがあり,せっかくなので啓蒙も兼ねてここで書いておきます.ここの知識は,就職活動でも社会に出ても

当たり前

に身に付けておかないといけない能力です.自分に思い当たる節があれば,今すぐ実行してください.何も難しいことはありません.

ちなみに同業者でも,この手の問題に苦しんでいる人はいるようです.http://blog.goo.ne.jp/y-mrkm/e/6542a2f993c230f03d632f80186e9ca5

それと,この種の一般常識は,H星学園の学生さん(3, 4年生で,しかも選抜クラスだったこともあると思いますが)は皆身に付けていましたし,H大さんもだいたい大丈夫なんですよね.

一番問題なのは,うちのお嬢ちゃんたちだったりする...(こうしてまた,女性は機械が使えないという偏見が私の中に形成されたのであった)

2012/07/15

先生像というもの

大学の1年生から塾や予備校というところでバイトをするようになったので,「先生」と呼ばれるようになって随分と経ったことになる.

一応,下は小学校6年生の中学受験を志す年代から,上は大学生に至るまで満遍なく教えたことがあるので,経験豊富と言えば,経験豊富なのかもしれない.

そんなこんなで.

最近,いろいろと続けて昔の生徒さんたちからご連絡をいただきました.

ありがとうございました.

中には,小6の時に担当していた人もいたのだけれど,よく考えれば,彼らはもう大学も卒業して社会人になっている年齢なんですよね.自分も年を取るわけだ.(今の顧客さんたちより年上なのである)

高校生や大学生を相手にしていれば,彼らが大人になった姿の想像もつくのだろうけど,相手が小学生や中学の1,2年生だとその種の感慨もひとしおである.

なんとなく,親戚の甥っ子や姪っ子を見ている気分になる.

それと,私に憧れて教員になったとかいう人もいるのだけれど,正直,照れくさくなる.

自分は,英語やら入試問題の解き方やらを教えるのは,確かにそれなりの力量を持っていると思うのだけれど,一人の「教師」としてはかなり問題のある人間だと思う.

欠陥人間と言っても差し支えない.

それこそ,基本的には人格教育というものを期待されない大学教員だからこそ問題なくやれているのであって,私のような人間はあまり思春期の学生を相手にするものではないと思う.

まぁ,塾や予備校なんだったら「別にええやん」という話も通るんだろうけど.

その教員になったという人は,何事にも全力で取り組むタイプで,人間的にもかなり魅力的な人なので,冷静に考えれば,

「(教員として)今の君は,十分にあの頃の私を越えているよ」

と思うのだけれど,まぁ,幻想を抱いてくれているのだから,なるべくそれを壊したくはないものである.

きっと,彼女の受け持ちの学生さんの中にも「この先生でよかった」と思っている人が何人かいるに違いないと思うが.

思春期で感性も鋭いというのもあるのだろうけど,10代の頃は自分でも自覚できないくらい広く成長できる時期だし,受験だの何だのが絡むと,自分のエネルギーをありったけぶつけることになるので,私はちょうど,その頃に一緒に戦ってくれた戦友のような存在になっているのかもしれない.

身も蓋もないことを言ってしまえば,自分が大きく成長できたのは大部分が自分のおかげなのに,それを脇で見守っただけの私が凄い存在に見えているのかもしれない.

そうやって,できるだけ大きな幻想を追いかけることによって,学生というものは進歩できるものなんですよね.

いつまでも,若い人たち(できれば,子供)に見上げてもらえるだけの人間でいられればいいのですが.

2012/07/14

存在の耐えられる程度の軽さ

涼しいを通り越して,寒いくらいの札幌の土曜日ですけれど,朝から3歳までの子供たちと関わる大学の授業にお邪魔して(させられて?)来ました.

まぁ,写真を撮って,ピザを作る手伝いをして,ピザを食べて帰ればいいというだけの話なんですけれど.

しかし,まぁ,今日は(も?)自分って何でここに勤めているんだろうというアイデンティティの問題と闘うことになったのです.

断言させてもらいますが,私が幼児教育関係の学科に所属する必然性はありません.

ナッシング.

という思いを,またまた新たにしてきたのです.

たぶん,同僚の先生たちはいい人たちが多いので,正式に制度的に,田作扱いになっている私が孤立しないようにいろいろと気を遣ってくれているのだろうけど,それにしてもこの学科のイベントやら授業やらに参加する度に,自分という人間が存在する必要性はないのだなという事実を毎回確認する羽目になってしまう.

子供たち相手に歌を歌ったり,紙芝居をしたりして,けっこう楽しそうにやっている学生さんたちは実にいい表情を浮かべているのだけれど,彼女たちに私ができることなんて何もない.

金曜日は,依頼されているレビュー論文の校正をしていて,ちょうど時制のimperfect, subjunctive, indicativeなんかの議論を扱ったのだけれど,この手の言語学の知識なんてこの学科にいる限り無意味である.

意味も意義もないし,たぶん周囲の人たちにとっては,「So what?」の世界だと思う.

PhDを取ってきたことも,この夏に数カ所で喋ってくる論文なんかも何も関係がない.自己研磨なんてはっきり言って,意味がないことなのかもしれない.

たぶん,ここは私がいるべき場所ではないのだろう.

まぁ,そう思えると,気が楽になってきたのも事実なのだけれど.

そんな今晩の献立はこんな感じ.

ニラ入り豚キムチ

茄子とタマネギとパプリカの煮浸し

かにかまのレタス包み

ナメコと三つ葉の味噌汁


2012/07/13

13日の金曜日

ですけれど,特に不幸なこともなく,一日が終わる.

今日で,H大さんの講義は実質的に終了.来週と再来週もあるけれど,基本的にテストなのでもう自分が喋ることもない.半年が本当に早く終わってしまう.

講義と研究だけできていればいいのだけれど,なんかいろんな分掌業務が降りかかってきて,やたらと会議詰めになる来週の予定.時間と労力だけやたらと取られるのだけれど,別にそれで給料が上がるわけでもないし,何か得することもない.ただ,不毛な業務をこなすだけという貧乏くじなのだけれど,こなせばこなすほど仕事量だけ増やされる.

まぁ,あんまり考えない方がいいかもしれないですね.

今日の献立は.

ホッキ貝の炊き込みご飯.

キャベツと人参とマイタケのアサリとベーコンの蒸し焼き.

ミョウガ載せ冷や奴.

ナメコと三つ葉の味噌汁.

明日はお子様たちと遊ばなければならない仕事が入っているのだけれど,「仕事」だとか余計なことは考えないで子供と遊んでくることにします.



2012/07/10

普通の日常

1コマ目から3コマ目まで立て続けに講義をして,なんかたまっている書類を見直して,それから論文の校正をしているといつの間にやら夕方になっている.

というわけで帰路につき(夕方に帰れるなんて,世間の会社員の人たちには羨ましい身分なのかもしれませんが),スーパーでちょっと買い物をする.

そのスーパーで,なぜか2歳前後の女の子に妙に懐かれる.親に私から引き離されると急に泣き出してしまう始末.

まぁ,こういうのもいいですよね.子供に好かれているというのは,悪くないと思う.

論文をダブルチェックして,たった今,提出.もう間違い等があっても,わしゃ知りません.こんな論文を通したレビュアー達が悪いんだと思うことにする.

というわけで,本日の献立.

豚の冷しゃぶ(しゃぶしゃぶ用の豚肉が半額だった)
マイタケとキャベツと人参の中華風炒め(生姜のみじん切りを入れるとおいしい)
山芋の千切り
茄子とミョウガの味噌汁

いつも通り,たいして手間のかかっていない料理なのですけれど.




2012/07/09

ラストミニッツパーソン

最後にギリギリになってから物事を進める人のことを,英語でlast minute personと言います.

というわけで,締切に追われていた週末...(楽しくねぇ)

3本あるうちの,1つは終了.もう1つはほぼ終了.でも,まだドラフトなのでいろいろ確認しないとミスもけっこうあるので大変.

てか,今月の3本は全てwordで書かないといけないんですよね.例文番号も案の定ずれまくっているし,例文のグロスはきれいに揃わないし(諦めた),参考文献もいちいち書かないといけないし,それにtree(樹形図)はwordで書けないので,わざわざLaTeXで書いたものを画像として貼り付けないといけない.

もう,ホンマにword指定は辞めて欲しい.文字化けも気にしなくていいんだし,LaTeX使わせろよ,ホンマに.

そんなこんなで,忙しいはずなのに,ウインブルドンを見てしまう.だって,Andy MurrayとRoger Federerの決勝戦ですぜ.私はフェデラーが好きなのだけれど,ウインブルドンなんだし,76年ぶりのイギリス人優勝(ちなみにマレーはスコットランド人.イギリスの国籍問題はややこしい)がかかっていたわけだし,ということでマレー贔屓で観戦していました.

第1セットをマレーが取って,第2セットも7-5までいったとなれば,やっぱり集中してしまう.まぁ,最終的にはフェデラーの強さを見せつけられた感じになってしまったのだけれど.

そんなこんなで夜更かししちゃったので,今日はフラフラしていました.

さーて,明日からは気合い入れないと.

2012/07/05

札幌が好きなのだけれど

住みやすさという観点から言えば,札幌という街はなかなかに魅力的である(経済的にお荷物なのは知っているけれど).

街はきれいだし,道は広い.道路も歩道もちゃんとあるし,広いし(路駐が多いのは確かだが).

街の中心部に行けば,都会の生活で必要なものはとりあえず全部揃うし,主要なお店は電化製品からファッションブランドから一応一通りはある.

地下鉄の接続も悪くないし,人の多さもほどほどという感じ.

過疎になるほど少ないわけでもないし,東京みたいに辟易する程多いわけでもない.

前もって準備していれば,だいたいのことはできる.

周囲に自然は多いし,海,山,川,平野の素晴らしい場所があちこちにある.

綺麗で広い公園もたくさんあるし,ウインタースポーツも満喫できる.

地価は安いし,綺麗で広い賃貸住宅にも一戸建てにも首都圏では考えられない値段で住むことができる.

しかも,中心部からちょっと離れた静かな郊外に,である.(中心部までは地下鉄,タクシー,自転車,徒歩とどうとでも行ける)

人もなんかのんびりしているし,人当たりが悪いとか,陰湿だとかそういう雰囲気もない.

それに冬場は本州から輸送せざるを得ないのだけれど,夏の野菜は素晴らしい.安いし,おいしいし,本当にいい.アスパラだの,ジャガイモだの,葉っぱ系の野菜だの,本当にいい野菜の味がする.

それに魚介類が群を抜いて新鮮である.

というわけで,札幌は自然と都会の両方を満喫できる,きれいな都市である.なんとなく,ここに永住できればいいなと考えることもある.

多分,パートナーがいて,子供を育てるということを考えると,かなり理想的な都市なんじゃないかと思う.

治安もいいし,関西圏のようなしがらみや問題もないし,遊ばせておける自然や公園は枚挙に暇がない.バーベキューだの,キャンプだの,温泉だのとレジャーも豊富である.(アミューズメントパークはあんまりないけど)

中心街は中心街で大きいので,買い物に困ることもない.

あえて欠点を挙げるとすれば,教育水準が低いのと,体力水準が低いといったことくらいだろうか.でも,首都圏や関西圏のように小学校の頃から無理してあぁだこうだと詰め込まなくても,知的能力にも個人差があるのだから,その能力がないのなら,無理に勉強しなくてもいいかなとは思う.体力は,私は個人的には野球関係をびっちりと仕込みたいが,これは自分に男の子ができた時に心配すればいいだけの話なのでしょうか(大阪で野球を経験してきた身としては,北海道の野球のレベルはやっぱり低すぎる).

気候は,なんと言っても冬場がきついのですが,集合住宅にいれば雪かきはしなくていいし(一戸建てに住むと毎朝大変らしい),それに家の中は本州の冬よりずっと暖かい.暖房を入れなくてもいいくらいである(たぶん,周囲の部屋の暖房で暖まっているのだと思う).

そりゃ,外で労働している人たちにとっては,札幌の冬は拷問なのでしょうが,車で職場を行き来して,室内で仕事をするような身分になれれば,雪もたいして問題にはなりません.まぁ,年に数回はちょっとヤバ目の天候になることもありますが.

それになんと言っても,夏がいい.もう終わったけれど,6月は本当に天国だし,7月と8月も本州の暑さとは比べるべくもない.正直,扇風機があれば冷房はいらないと思う(というわけで,節電の必要があるなら,北電さんは冷房を止めさせるべきだと思う.後は,平日昼間のムダなテレビと,パチンコと).

そんなこんなで,住環境としての札幌はけっこう気に入っているのだけれど,何せ日本では外れにあるので,研究環境としてはあんまりよくないというか,刺激はありません.

キャリアを取るべきか,生活を取るべきか.

さて.

そんな今晩の献立は,

鯖の味噌煮(鯖が半額だった)

大根,しめじ,ゴボウ,崩した豆腐の吸い物(要するに,里芋の入っていないけんちん汁)

小松菜の芥子和え

人参のカレーマリネ

でした.

なんか,一気に年寄りくさくなった献立ですね.

小松菜とゴボウは,JA石狩とれの里で買ってきました.いい野菜が安く売っているので,めんどくさくなければたまに行きます.

2012/07/01

人を扱うということ

先ず隗より始めよ』という有名な故事成語がある.


古代中国,燕の昭王は強い国を作りたくて,よい方法はないかと郭隗という者に相談した.


すると郭隗が言った.「昔,ある君主がよい馬を探していました.何年たってもなかなか見つからなくて困っているところに,ある男が,よい馬を探してくると申し出てきたので大金を与えました.その男はすばらしい馬を見つけましたが,すでに死んでいました.ところが男はその死んだ馬の骨を大金を出して買ってきました.君主は男を怒りましたが,実は男には,『死んだ馬にさえ,あんなに大金を払うのだから生きている名馬ならもっとすごいお金がもらえるだろう,と評判がたつはずだ』という考えがあったのです.

それから1年もしないうちに,すばらしい名馬が数頭手に入りました.もし昭王が本気ですぐれた人材を集めたいのなら,まず私のような何の取り柄もない人間を大切に扱うことから始めてください.あの隗のような人間でさえ優遇されると評判が立てば,もっとすぐれた人間が道のりを遠いとも思わずぞくぞくと集まってくるはずです」

昭王は忠告に従い,郭隗を大事にし,その結果,有能な人材がたくさん集まり燕は大いに発展したという.

また,松下電器の創業者である松下幸之助は,人事担当の幹部に病床のところを見舞われ,「会社の業績が低下している.社員を解雇しましょう」と進言されたところ,「誰も解雇しません.みな家族やないか」と涙を流して答えたそうである.それを社員が伝え聞き,意気に感じ,業績を盛り返したことがあったそうな.

もう一つ.


以下,シャープ株式会社創業者の早川徳次の一生である.


東京の下町に生を受けたが,口減らしのため養子に出される.養母にいびられまくる

養母が「お前は小学校には行かせない」宣言.超重労働家事をミスると飯抜き

ある盲目の女性の紹介により丁稚奉公に出るが,養母がタカリに来る

18歳で独立,ここでようやく両親が他界していたことを知る

実の兄と対面,兄弟で会社を設立.独立資金50円の内40円は借金

働きすぎによる過労で倒れる.血清注射による治療で命拾い

関東大震災発生.ここでも九死に一生を得るが,妻と二人の子供は死亡,工場も焼失.債務返済のため各種の特許を売却.再び一文無しとなる

新天地・大阪で会社設立.旧従業員数名が手弁当で無理についてきた.「給料を払えるかどうか分からないんだ,東京のほうが復興需要で仕事があるぞ」「社長,誰が給料なんて欲しいと言いましたか?」

物不足と金融引き締め政策により経営悪化.「可愛いお前たちのクビを切ってまで,会社を存続させられない.再就職先は死んでも俺が見つける.心配するな」「社長,この会社が無くなるぐらいなら,それこそ死んだほうがマシです」

倒産の危機.なのに盲人を雇うための会社を設立.「あのときあの盲目の女性から受けた恩を忘れたら,俺は人でなくなってしまう」従業員もなぜか賛成「それでいいんです,社長.それでこそ社長とこの会社です」

まだ会社は油断できない状態なのに福祉会館を設立.「人を愛することは,自分を愛することと同じだ」従業員もなぜか賛成

社名を「シャープ株式会社」に変更 .大阪文化賞を受賞.87歳でこの世を去る.



さて.

昨今は,リストラがけっこう流行で,現行の人材よりも,まだ見ぬ未知の優秀と見込まれる人材の方が大事で,自分の配下や同僚よりも所属組織の利益の方が大事という判断が積極的に採用されるようになってきている.

私は,この傾向に与しない.

短期的な視野で見れば,確かに「業績」は上がるのかもしれない.

しかしながら,この種の判断を下す人たちには人を評価する能力が欠けているように思える.

組織を運営している側が,自分と一緒に働きたいと思える感覚よりも,より金銭的利益を求めるようになれば,使われる側の論理としても,より自分に好待遇を与えてくれるところに次々に移るということにもつながる.そして,その際に,立つ鳥跡を濁さずという感覚はなくなる.

当然である.

使用者側に自分が資本の一部としてしか評価されていないわけであるから,自分も恩義を感じる謂われがないということになる.

彼らの所属組織に仕える意義は,単純に経済的な側面だけであり,組織とそこにいる人たちのために働くという機運が生まれる可能性が遮断されているのである.

これは危機の元である.

「経済的利益」を計算するためには,競争が必要不可欠である.理想としては,人と人が競い合い,お互いを高めることが望ましいのであろう.しかし,人は安易な方向に流れがちである.特に,雰囲気の悪い組織においては,お互いに業績を伸ばし合うよりも,足の引っ張り合いをする方が楽だと考える人間が多数出てくる公算が高いということは否めない.日本のように,出る杭を叩く社会ならなおさらである.

これは,個人間の私的なつながりにも言えることなのではないかと思う.

ある人や組織を「特別だ」と言う時,その根拠はわりと希薄な物である.適当だと断言してもよい.

しかしながら,そこに思いやりが感じられれば,その種の恩義に報いようと考えるのが人間というものである.

自分より条件がいいと思って他の異性になびこうとしていたパートナーが,先方に振られたからといって,「やっぱりあなたが一番」などと戻ってきたところで,相手に対する信頼は生まれないし,手を差し伸べようという気にもならない.

これと同じように,「お前の代わりなどいくらでもいる」と足元を見てくる組織に対して,愛着の念など沸いてくるはずもない.

人は今,そこにいる有用な人材を「当然」のように思いがちだが,彼らの信頼を失うことによる損失にもっともっと自覚的でなければ,組織の上に立つ資格はないと思う.

ということを考えていた先週のお話でした.

そんな今日の献立.

豚の冷しゃぶ.大根おろしたっぷり

キャベツと人参のアサリバター蒸し

なめこと三つ葉の味噌汁

みょうが載せ冷や奴

明日は職場の健康診断なので,朝食を控えておくように言われているのだけれど,蒟蒻畑を一袋と珈琲を飲んでから行こうと思っています.ま,ええんかな?去年も健康値内の数値だったし.