2012/11/05

英語教育について考える

えと,業務命令で,アカデミック英語能力試験開発と今後の日本の英語教育なるシンポジウムに参加してきました.

この企画は,上智大学が中心になって,文科省,英検,ベッドフォードシャー大学で取り組んでいるTEAPという新しい英語テストの開発と,英語教育のあり方そのものを変えようというものです.

中心になっているのが,英語テスト開発という応用言語学を専門にやっている人たちだし,いろいろと勉強になることがありました.

実は日本の大学の英語教育は,英語教育を専門にしている人たちだけが教えているのでもなくて,言語学やら文学やら,その他各種自分の専門領域があって,英語力もあるので英語を教えていますという人たちが相当数いるのが現状です.

私もその一人ですが,この種のタイプの大学教員は英語教育にとても興味・関心があって,日本の英語教育をもっと改善したいという意欲はそんなに強くはありません(なくもないけど).

飯の種にさせてもらっているので「ま,やっとくか」という義務感と,ある程度は存在している勤勉な学生さんの意欲に支えてもらって,なんとかモチベーションを保っている状態です.

しかしながら,「俺の専門は○○だから」と言って,知らないふりを決め込むのもよくないし,英語教育の現状を「これでいっか」とも思えないので,微力ながら力添えができればという気持ちではいます.

今回公開されたTEAPという英語共通テストは,学術に必要な(academic purpose)基礎力の養成に主眼を置き,かつスピーキングテストも開発しようという意欲的なものでした.

使える英語能力を試し,かつ必要な英語力を養成できるという意味では,TOEFLやIELTSといったテストが理想なのですが,これらのテストはいわゆるEFL環境下の水準の高すぎるレベルで,日本の大学受験生に課すにはかなりオーバーロードなものなのです.

かといって,TOEICだと大学で必要とされるスキルとはかけ離れている上に,英語力の養成というよりは単にテストストラテジーの向上しか望めない.

センター試験の英語だと,現状の高校英語教育カリキュラムに基いて客観的にその理解度を試すという点では問題なくとも,この試験ができるようになったからといって,英語力が向上するかというと甚だ疑問なのです.

端的に言わせてもらえれば,センター試験英語の内容が日本の英語教育を歪めていると言っても過言ではない.

ただ,これはセンター試験が悪いというわけではなくて,現状の高等学校の現状を踏まえると,大学入試センターが行える最高のパフォーマンスはこの程度に留まるのかという話.つまり,高等学校の英語教育の体制を変えられるものがなければ,センター試験そのものは変えようがないわけです.

そういう意味でも,学術の基礎力が高められて,高校卒業段階の英語力を試せる程度の難易度のもので,かつ英語の4技能(スピーキングを含む)が試せるものがあればいいなという多くの大学関係者の要請に応えた試験なのではないかと思います.

このテストが今後,広く定着し,大学入試英語に変わりうることがあればいいなと思います.

ただ,このテストは受験生を選ぶところがあるので,おそらく河合塾の入学偏差値で50以下の大学での実施は少し難しいかもしれません.

うちでも英語入試にとって代わってもらえれば,担当者は楽になっていいのですが,採用は現実的ではなさそうですね.

以下,雑感を箇条書き

(1) シンポ会場には,うちの業界関係者(理論言語学が専門の大学教員)も混じっていました.

(2) 熱いことで有名な予備校講師さんもいらっしゃいました.喋り方がハキハキしていて,感じのいい方でした.在野の英語教育関係者の尽力にも期待しています.この人は,予備校講師にわりといるヘンチクリンなテクニックに頼らないので好感が持てる.

(3) 週末に新千歳空港まで車で行くと,駐車場になかなか入れないので時間を食う.やはり,電車で行くべきだ.(ビジネス切符だったので時間変更ができたのだけれど,そうでなければ飛行機に乗れなかった)

(4) そして,東京の人口はやはり多くて,疲れる.

(5) 水道橋のホテルに泊り,近場の東京ドームで巨人が日本一になったのを知る.日ハムは頑張ったけれど,力負けでしたね.吉川と武田勝で4敗したのだから,仕方なかったですね.あと一歩,頑張ってもらいましょう.

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