2013/06/09

グローバル人材?

国際的に活躍する「グローバル人材」の育成が急務とされる中、学習塾などが全国の大学生や高校生、保護者約1000人に行ったアンケート調査で、大学生の半数以上が「自分はもうグローバル人材になれない」と諦めていると回答した。




調査は3月、海外進学を目指す小中高生向けの学習塾「IGS」(東京)などがインターネットで実施。全国の高校2年生・大学3年生(当時)の男女412人と、小学校から高校までの児童・生徒の保護者618人が回答した。「今からグローバル化のための教育を受けても自分は間に合わない」と感じている割合は、高校生で50%、大学生で55%だった。保護者も24%が「我が子は手遅れ」と諦めていた。






「将来、グローバルに活躍したい」という大学生は3割、高校生も4割にとどまり、内向き志向や語学力への自信のなさがうかがわれる。海外展開する企業への就職を希望しない学生・生徒に理由を尋ねたところ「他の国の人とのコミュニケーションが不安」「日本にいられなくなりそう」などの回答が上位を占めた。(2013年6月9日09時48分  読売新聞)
















最近は,うちの大学でもグローバル人材育成だの何だのとおっしゃる人たちは多い.

ちなみに日本学術振興会によれば,グローバル教育とは,『グローバル人材育成推進事業は、若い世代の「内向き志向」を克服し、国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる「人財」の育成を図るため、大学教育のグローバル化を推進する取組を行う事業に対して、重点的に財政支援することを目的としています。』 グローバル人材育成推進事業(日本学術振興会)のだそうで.

よくわかったような,わからんような.

たぶん,学術という面においては,日本だけに引きこもっていても仕方がないし,やっぱり英語で論文を書いて学会で発表してこないと,白人さまたちに見ていただけないので,とにかく北米やヨーロッパに出て行きなさいということなのだろう.

英語優位な状態はもう今からひっくり返せない事態でもあるので,これはこれでしゃーないのかなとも思う.

似たような状況は野球のメジャーリーグだとか,サッカーの三大リーグなんかでも同じでしょうか.とりあえずレベルの高い所に行かないと自分たちのスキルが上がらない.

しかし,どうしてもお上の見解を「はい,そうですよね」と真剣に受け取れない自分がいる.

多くの若者が「グローバル人材」なるものを理解できないのと同様,大学教育の現場にいる我々もよくわかっていません.

穿ったものの見方かもしれませんが,これは現政府(官僚と経団連と言った方が正確なのかもしれない)の望んでいる事態であると考えればわりと話はすっきりとします.

現在の安倍政権の初期政策が,どうもわりとうまくいきそうという面にだまされてしまいそうですが,彼らを操っている政財界といった黒幕の本音はなんといっても,

1. 日本語と輸出国(英語や中国語など)の外国語に堪能で

2. 安い賃金で働き

3. あらゆる命令(海外赴任など)に無条件で首を縦に振る

という条件を持っている労働者をたくさん養成したいということに尽きるのではないかと思う.

「グローバル」などと言っているが,これは単に外国に行ってコミュニケーションが取れ,タフでどこに行ってもしっかり働く人材が欲しいだけのことである.

この字面だけ見れば「かっこいい」人たちなのかもしれませんが,要するにいくらでも替えの聞く,安くて使い勝手のいい道具が欲しいだけのことです.

世界水準で安い賃金で働き,社会保障もいらず,時期・状況に応じて安い国に工場を移して,そこで1年365日1日24時間働き,賃上げ要求も休暇請求もしない人材が欲しいだけである.

外国語と海外で生きるタフさは,そのために必要な能力に過ぎない.

しかし,全ての会社が本社まるごと海外に移動して法人税を納めなくなると困るので,「自国を愛する愛国心を持ったグローバル人材」になることによって,企業に奉仕し,そして日本政府に奉仕することのできる人材を養成したい,というただそれだけのことなんじゃないだろうか.

自民党がワタミの渡邉会長を参院選に立候補させるという方針も,こう考えれば合点がいく.

あまり深く考えると気が滅入るので,この辺にしておきますけれど.

社会・政府というものは,基本,大衆を利用しようとするものなので,現場の大学教員としては,こういった現状を割り切って,打算的にうまく乗り切っていく人材を養成したいと思いますけれど.

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